心のこと

子供の頃からの夢を叶えたら少し大人になった気がした〜松茸のホイル焼き

2017/01/13

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ひと月ほど前に届いた立花岳志さんのメルマガにぐっと心を掴まれた。
それは、『子どもの頃からの「夢」を一つずつ叶えていくことの大切さを最果ての地で改めて思う』というタイトルだった。
それは、立花さんが稚内に行った翌日に届いたメルマガだった。

子どもの頃からの夢

立花さんの子供の頃の夢

立花さんの子供の頃に行きたい場所のNo.1が稚内だったそうだ。
確かに東京で生まれ育った子供には遠い場所だろう。

しかし、実際には、羽田から稚内空港まで直行便で2時間かからない。
大人なら行けない場所ではない。
それなのに自分の中で勝手に「遠い」「行けない」と線引きをして諦めてしまっていた、と書いてあった。
メルマガは、その場所にようやく行けた喜びにあふれていた。

私の子供の頃の夢

立花さんのメルマガを読んで、私がまだ叶えていない子供の頃の夢は何だろう、と考えた。
真っ先に思い浮かんだのが、スーパーに陳列されている松茸だった。
うやうやしく箱に入って並んでいる松茸。あれを一度食べてみたい。
そう願ったが、買ってもらえたことはなかった。

その後、松茸ご飯と称して薄く切られた松茸が乗ったご飯や、松茸の土瓶蒸しといったものを食べる機会には恵まれたが、丸ごとの松茸を目の前にしたことはなかった。

松茸は値段が高いから、自分には縁のない食べ物だと思っていた。
しかし、40歳を過ぎてもなお、子供の頃の夢として真っ先に浮かぶのであれば、そのくらいの夢は叶えてもいいのではないか。
子供のお小遣いでは買えなかったが、今は大人だ。挑戦してもいいはずだ。

実はこのとき、親知らずを抜いた直後で、食事が困難だった。
傷口がふさがったら松茸を食べようと、楽しみを募らせて、その日を待っていた。

子供の頃からの夢を叶える

松茸を買いに行く

ついに、この日が来た。
松茸の相場が分からなかったので、とりあえず財布に一万円札を入れた。
本音をいえば、5000円を超えると痛い。
できれば3000円…、いや、30年以上温めた夢を叶えるのだから、ケチってはいけない。
そう自分に言い聞かせ、一人では緊張するので夫を連れて、家の近所で一番高級なスーパーに行った。

スーパーの目立つ位置に、松茸は並んでいた。
こんないい位置にあるのに、今まで値段の確認すらしたことないのだから、よっぽど私には縁のないものと思い込んでいたのだろう。
しみじみと感じながら松茸に近づき、恐る恐る値札を見た。

アメリカ産松茸 1800円

え? 1800円?
晩御飯のおかずの一品と考えると破格の値段だが、手の届かない金額ではない。
1800円を、私には超えられないハードルと思い込んでいたのか…。
かなり拍子抜けしてしまった。

「これならもうワンランク上げて国産ものを」と欲が出たが、残念ながらアメリカ産松茸しか扱いがなかった。
1800円の松茸を大切に抱えて家路に着いた。

松茸

松茸のホイル焼きを作る

私の夢は、丸のままの松茸と対面することだ。
薄切りにして調理したら意味がない。
松茸をそのまま調理するには、ホイル焼きが一番に違いない。

クックパッドによると、家のグリルで調理するには、松茸を細く裂いてからホイルに包むのが良いらしい。
しかし、それでは意味がない。
丸ごと焼くのは妥協して、4つに裂いた。

4つに裂く

いよいよ、実食!

15分後、松茸が焼きあがった。
食卓に運ぶ。
夢が叶う瞬間が近づいてくる。
ホイル焼き

ウキウキしながら封を開ける。
松茸の香りが、湯気とともに、ぱあっと広がる。

ドキドキしながらスダチをかける。
ついに、子供の頃の夢が叶うのだ!

松茸のホイル焼き

ワクワクしながら口に運ぶ。
待ち望んだ、この瞬間!!

 

…。
………。
………………。

 

夫も、無言でモグモグと口を動かしている。
たぶん、私が最初に発言したほうがいいだろう。

「これって、香りのいいエリンギだよね…。」

夫も遠慮がちに認める。
「うん…。エリンギだよね…。」

しばらく二人で無言で食べる。

「これって、アメリカ産だからかなあ。国産ならもっと感動したかなあ。」
「うーん、国産でも、とっても香りのいいエリンギ、という感想なんじゃないかなあ。」

こうして、私が30年以上待ち望んでいた夢の時間は終わった。

 

それでも夢を叶えてよかった

私の子供の頃からの夢は、肩透かしをくらったような気分で終わった。
これだけのことを大層に考えて、自分には縁遠いものとしていたのかと思うと、苦笑いが浮かぶ。

それでも、夢を叶えて、よかった。
自分には無理だと思っていたことを、成し遂げた達成感はある。
自分の中に作り上げていた可能性を狭める枠を、一つ取り払うことができたスッキリ感もある。

ちょっとだけ自分が成長できたような、そんな気分の良さを味わえた。
この気分の良さは、松茸よりもずっと美味しい味だった。

 

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