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しずかみちこ
Gallup認定ストレングスコーチ
ストレングスファインダー(クリフトンストレングス)の専門家として、個人やチームが「強み」を活かして最大の成果を生み出すためのコーチングと研修をしています。

リクルートスタッフィングで経理したり、レアジョブの管理部門立ち上げたり、ブラック企業に入ったり、上司の横領見つけて辞めさせられたり、人の会社2つ作ったりと波乱万丈な職歴の後、独立して今に至ります。

投資と経理スキルでお金をデザインし、ストレングスファインダーで強みを活かしたら、人生が楽しくなりました。

趣味は野球観戦と美味しいものを食べること

収集心・最上志向・戦略性・未来志向・分析思考
ストレングスファインダーのnote
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構造を変えてミスを減らす!そのミス、悪いのはミスした人じゃない

問題は酔っ払いにある?それとも?

関西の人にはお馴染みでも、それ以外の地域の人には違和感があるこの光景。
一般的に、駅のホームの椅子は線路の方を向いて置かれているが、JR西日本管内では、線路と垂直もしくは背を向けて置かれているのだ。
新長田駅

この椅子の向きには意味がある

これは酔客がホームから転落するのを防止するためである。

酔っ払いがホームから転落したと聞いて思い浮かぶのは、ホームの端をふらふら歩いていた人がバランスを崩して落ちる図だろう。
しかし、JR西日本が過去に起きた事故の防犯カメラの画像を分析した結果、次のようなことが分かった。
・ホームにいる酔客が突然線路に向かってまっすぐ歩き出し、そのまま転落する(約6割)
・直立状態の酔客が、突然大きくバランスを崩して転落する(約3割)
・ホーム端を線路に並行して歩行し、ふらついて足を踏み外して転落する(約1割)

椅子に座って眠っていた人が、目覚めて立ち上がり、そのまま真っ直ぐ歩いてホームから転落する。
このパターンが断トツに多いのだ。
そこで、椅子の向きを90度もしくは180度変え、椅子から立ち上がり真っ直ぐ歩いても転落しないようにした。

酔っ払いに「黄色い線の内側で待ちましょう」と言っても、聞くはずがない。
それなら、酔っ払いの行動を分析して、根本から事故を防止する。
言われてみると単純なことだが、とても大切な発想の転換である。

目次

仕事にも応用できる

多くの人がミスをする書類

多くの人が書き間違いをする経理の伝票があった。
立替金の伝票なのだが、多くの人が税抜金額を書く欄に税込金額を書いてしまう。

電車の運賃のように税込金額しか表示されないものについては、消費税が掛からないと思っている人もいるようだ。
さらに、切手や商品券のように、その後、自社で使うか人に渡すかで消費税の処理が違うものもある。
こういったことは、消費税について少し詳しく学ばないと分からないことである。

 

経理も現場もイライラする書類

たくさんのミスが発生するのでチェックと修正に時間が掛かる。
何度言っても同じミスをすると、経理はイライラしていた。
質問も多く来るので、手間も掛かっていた。
同じ質問を何回もされるので、やっぱりイライラしていた。

そして、この伝票を書く方もイライラしていた。
領収書に税抜と税込の両方の金額が書いてあればいいが、そうでなければ自分で電卓を叩いて計算しなければいけない。
そもそも金額を2箇所に書くのは面倒くさい。
書き方が分からなくて質問しなければいけないことが、しばしば起きる。
いちいち面倒くさいのだった。

 

税抜金額を書く必要はあるのか

なぜ税抜と税込の2種類の金額を書かないといけないのだろう。
長くいる社員に聞いてみると、かつて使っていた経理システムが消費税3%にしか対応していなく、5%になってからは、3%で自動計算される消費税を手打ちで5%に直さなければいけなかったから、らしい。
自社で作成したシステムだったため、作成者がいなくなったら税率すら修正できなくなったようなのだ。
今は市販の経理ソフトを使用しているため、消費税は自動計算されるにも関わらず、伝票は昔のままだった。

次に消費税率が変わったときのために、両方書いてもらっておいた方が分かりやすくないですか?と聞かれたが、消費税の税率は領収書の日付を見れば分かることだ。
全社員に電卓を叩いてもらわなければいけないほど、大変なことではない。

かつては必要だったかもしれないが、今は必要ない。
伝票の税抜金額を記入する欄は廃止することになった。

 

廃止後

税抜金額欄を廃止すると同時に、経理内では実際の入力に使う項目を洗い出し、現場からは伝票の分かりにくい点をヒアリングして、伝票を全面的に改訂した。
その結果、伝票の見た目も内容もかなりシンプルになった。

記入ミスはほぼ無くなり、質問が来ることも減り、経理の手間は随分と減った。
書く項目が少なくなって楽になったと、現場から言ってもらえた。

伝票の提出遅れも減った。
質問しなきゃと思って先送りして忘れてしまったり、面倒だから手をつけるのが億劫だったりしたのが、解消されたのだろう。

 

ミスの原因は必ずしも人ではない

100人が同じことをして、ミスをするのが1人か2人なら、その人のうっかりミスかもしれない。
しかし、5人も10人も同じミスをする人が出るなら、その構造にミスの原因があると考えた方がいい。
その場合、ミスをする人に注意するのではなく、構造を直す方が早い。

ミスが起きると、ミスをした人に原因があると思いがちだ。
しかし、複数の人が同じミスをする場合は、原因はその人とは違うところにあると疑うと、案外、解決の糸口が見つかるものである。

 

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