働くこと

調子が悪いときに最高のプレイを見せる準備をするのがプロである

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調子が悪いときの対策は決めた?

競輪選手の会話

私が通っているジムは、多くの競輪選手がトレーニングをしている。
隣にいた競輪選手とトレーナーの会話が聞こえてきた。

トレーナーが聞く。「調子が悪いときの対策は決めた?」
「○○の重さを軽くして…」という選手の回答を遮るように、トレーナーは言った。
「え?本当の調子なんて、本番のバンクを走らないと分からないでしょ?レースがスタートして、調子悪かったら、自転車降りて重さを調整するの?それって諦めるってこと?」
無言になる選手。トレーナーは続ける。
「調子悪い時にどう凌いで、立て直して、前に出るか考えなくちゃ!例えば、こういうレース展開に持ち込むのはどう?…」

 

一日の予定を立てたけれど

これは、競輪選手に限らず、日常生活にも当てはまる話である。

例えば、一日の予定を立てるとする。

明日は朝6時に起きて、お弁当を用意しよう。
会社に着いたら、まずメールチェックと返信で10分。
その後は作りかけのあの資料の作成に取り掛かって、午前中に完成させる。
昼休みはお弁当を食べながら本を読もう。
午後はまず会議から始まって、終わり次第、次のあの仕事に取り掛かろう。

しかし、実際はこうなることが多い。
朝、起きたら7時半だった。遅刻はしないが、お弁当は作れなかった。
メールの返信に手間取って、メールチェックに30分掛かってしまった。
資料作成中に他の急ぎの予定が入り、午前中に完成しなかった。
お昼ご飯を買いに外に出たら大行列で時間が掛かり、本を読むどころか、おにぎりを慌てて飲み込むことになった。
そうしたら、午後の会議は眠くて眠くてたまらない。
午前中完成するはずの資料作成を午後にもしたため、午後に予定していたことは翌日に持ち越してしまった。
一日が思い通りにいかないことにイライラしつつ、帰宅する…

予定を立てるときは、ついつい調子が良い前提で計画してしまう。
しかし、調子が良いかどうか、イレギュラーな事態が発生しないかどうかは、そのときにならないと分からない。
立てた予定がその通りに進まない原因はこれだ。
調子がいい日はそうそう多くないし、イレギュラーなことが起こらない日もそうそう無いのだ。

 

調子が悪いときにどうするか

準備とは何か

先の競輪選手とトレーナーの会話は、「これから試合までは、調子が悪いときを想定してトレーニングするぞ!」という結論で終わった。

スポーツに限らず何においても、練習とは自分の実力を上げるためにするものだと思っていた。
今よりも更に高いパフォーマンスを目指して行うものだと思っていた。
しかし、それだけではなかった。
調子が悪い時に、最高に近いパフォーマンスを出せるようにすることも、プロには必要なのだ。

本番に向けて、調子を上げて、体調を整えることはもちろんしているだろう。
そのうえで、調子が悪いときを想定して、最高のパフォーマンスを出す準備をしているのだ。

 

計画を立てるとき

同じように考えると、何かを計画するときは、調子が悪いとき、つまりうまく行かなかったときはどういう対策を取るかを合わせて盛り込むのが必要なのだ。

朝起きれずにお弁当が作れなかったら、通勤途中で買うことにする。
作業が想定時間内に収まらなかった時のために、予備の時間を設けておく。
一日の予定を考える時に、こういったことまで考えておけば、当初の想定通りに一日が進まなくても、挽回できるし、イライラしなくても済む。

計画を立てるということは、やることを時間割にはめ込むことではない。
重要なのは、調子が悪いときに発生することを予測し、事前に対応を考えておくことだ。
もし直前まで上手く行っていたとしても、本番での調子なんて本番にならなくちゃ分からない。
だから上手く行かなかったときを想定して準備をしておくのだ。

 

調子が悪いときこそチャンスだ

調子がいいときは、波に乗って何でもできる。
普段できなかったことが自然にできたりもする。
計画を立てるとき頭の中に浮かぶのは、こういう調子がいいときの自分である。

しかし、計画を立てるときに頭に思い浮かべなければいけないのは、調子が悪いときの自分だ。
そのためには、調子が悪い自分を観察して、その自分に合った対策を考えておく必要がある。

調子が悪いとき。
そんな自分からは目を背けてしまいたいし、早くこの時間が過ぎて欲しいと考える。
だが、そういうときこそ調子が悪いときの自分の特徴を知るチャンスだ。
このチャンスをきちんと掴んでおけば、この先、最高のパフォーマンスを出すための土台となる。

調子が悪い自分をじっくり観察して、自分の特徴をつかむ。
しかも、そうやって自分自身を客観的に眺めることが、調子の悪さから脱出するきっかけになったりするから、世の中はうまくできている。

 

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