大前研一が勧める資産形成力。必須スキルは家庭菜園?


Web家計簿を手がけるマネーフォワード社が主催する「お金のEXPO」というイベントで行われた、大前研一さんの講演に行ってきた。
タイトルは「現代人の必須スキル『資産形成力』を身につける」。
大前研一さんの顔を一度生で拝見したかったことと、講演タイトルが魅力的だったため、講演のお知らせをいただいて、すぐに申し込んだのだった。

 

世界の動き

アメリカはどうなる?

講演は、ヒラリーの敗因とトランプの勝因の分析から始まった。

中流・白人・男性をターゲットにしたトランプ。
政治家らしく万人に受けることを目指したヒラリー。

もちろん他に要因はいろいろ挙げられていたが、ターゲットを絞ることで、逆にメッセージが幅広い層に届いたとする説が興味深かった。

 

トランプ氏は今後、自らが抱えている訴訟問題や発言の矛盾によって、つまづくであろうと大前さんは言っていた。
具体的にどんな訴訟を抱えているかや、どんな発言の矛盾があるかを並べられると、確かにつまづくように思える。
政治や外交の知識がないと言われるトランプ氏だが、ここから巻き返せるのだろうか。

ところでトランプ氏は、お金持ちの中からも一定の支持を受けているそうだ。
トランプ氏自身の財産を守ることにもなる金持ち優遇政策…相続税廃止など…を期待しているからだ。
…自分の財産を守りたい人にとっては、自分の思い通りに国の法律を左右できる立場にあるということは、魅力的なのかもしれない、などと、失礼なことを思ってしまった。

 

世界はどうなる?

それでは、世界はどうなるか。
全世界的に混乱するだろうというのが、大前さんの考えである。

・ロシア:プーチン大統領は欧米と協調できない
・中国:国内の緊張が高まり、海外と協調できない
・EU:難民問題で揺らぐ。フランス・イタリアは政権交代の可能性がある
・中東:イランとサウジアラビアの代理戦争で泥沼化
・エジプト、タイ、ミャンマー:選挙で選ばれていない軍事政権が居座る
・韓国:前代未聞のスキャンダルで弾劾が視野に
・フィリピン:米中を天秤にかけた危険な綱渡り開始

他にもインド、トルコ、中南米の国々、北朝鮮、オーストラリアなど、多くの国の現状の説明があったが、どの国も大きな変化にさらされているという説明だった。

つまり、この地球自体が変化のフェーズにいると言える。

 

新産業・技術の誕生

シリコンバレーなどにも訪問している大前さんが、実際に見てきた新産業の話もあった。
ここ200年というもの、新しい技術は先進国で生まれてきた。
しかし、今ではサンフランシスコ・ベイエリアに世界中から人材と資本が集まるようになった。
そこで活躍しているのは、インド、イスラエル、台湾、旧ソ連邦圏の人材だそうだ。

日本についても話があった。
日本は、大量生産・大量消費時代の記憶から抜けられないでいる。
この頃は、日本が世界をリードしていたため、成功体験から抜けられないのだ。
このまま今の教育が続く限り、経営・技術面で後進国になるだろうということだった。

 

これからの新しい産業は、シリコンバレーのコア技術(IoT、AI、ロボティクス、サービス)が、既存の産業分野(農業、医療、自動車、金融…)や業務(採用、教育、広告、マーケティング、会計、法務…)に拡張することで生まれていく。
こういった分野の掛け算によって、新しい産業が生まれていくのだ。

 

日本の動き

日本の将来

こうして、世界が激動し、新しい産業が生まれる中、日本はどうなっていくのだろうか。

大前さんの見立てでは、安倍政権は対抗馬がいないため、2020年〜2021年までは続くようだ。
アベノミクスは機能しないが、対抗できる政策がないため不問のまま継続すると、大前さんは見ている。

近い将来、日本は老後不安から不況が起き、少子化に歯止めがかからず、移民も増えず、暴動も反政府運動もなく静かに衰退していくだろう、とのことだった。
そして、国家債務は返済不能になり、ハイパーインフレが起きるという予言もあった。

 

個人が出来ること

ハイパーインフレが考えられるとき、個人ができることは何だろうか。

大前さんは、年金などの制度が変わるには時間がかかるので、自分で商売する準備をすることが大切だと言っていた。

ハイパーインフレを想定した資産形成で意識することは、下記の点だそうだ。

・個人の能力への投資…収益力、稼ぐ力を身につける。
・世界に出て働く
・株式投資は日常必需品関連を選ぶ
・外国通貨は、銀行が封鎖されることもあるので、安心とは限らない
・キャッシュフローを生むことをする(民泊など)

そして、過去、ハイパーインフレの国を実際に何カ国も訪れた大前さんが、実際にそこの家庭で見た、究極のハイパーインフレ対策を教えてくれた。

それは、家庭菜園である。

大前さんがハイパーインフレの国の家庭を訪れたとき、どの家庭も、自分の家族が食べる野菜を作って、食材の高騰に備えていたそうだ。
これは、冗談ではなく、自衛の有効な手段なのだ。
英語・会計・ITが必須の3スキルと言われていたが、これに野菜栽培が加わる日がくるかもしれない。

 

最後に

ここに書ききれなかったが、大前さんの言葉で印象に残ったものを書き留める。

「弱い産業が先に潰れないと、強い産業が育たない」
「フィナンシャルプランの前にライフプランを立てることが必要」
「老後の最大の敵は、寂しさ」

将来について危機感を持って考えさせられる、いい講演だった。

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