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「こんなはずじゃなかった!」知らないと怖いお金の基礎知識② 長所と短所から貯金・保険・投資の順番を考える

2017/08/28

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※連載記事の第2回目です
①貯金・保険・投資の得意分野を理解する

貯金、保険、投資、それぞれの性質

前回、「お金が必要になるときに、必要な金額を確保するための手段」が貯金、保険、投資という話と、それぞれが活躍するシーンについて説明した。

必要な金額を用意できるか 必要な金額がないと困るか
貯金 用意できる 困る
保険 できない 困る
投資 できない 何とかなる

うまく使いこなすには、それぞれの性質をきちんと理解する必要がある。
既に知っていることだと思うが、一度、きちんと整理しておかないと、あとでゴチャゴチャになりがちだ。

目的 長所 短所
貯金 貯めるためのもの 元本が確保され、いつでもどんな理由でも解約できる 利率が低い
保険 保証のためのもの もしものときに払った以上の金額を受け取ることができる もしものとき以外に使うと元本割れの可能性がある
投資 増やすためのもの 増える可能性がある 時間が掛かる。減る可能性がある

それぞれをもう少し説明しよう。
 

貯金

貯金の長所は、元本が確保され、いつでもどんな理由でも引き出すことができることである。

この長所を考えると、貯金にしたほうがいいものは、下記になる。
・収入が途絶えても、ある程度は生活していける生活費
・数年以内に使うことが決まっているお金

必要な生活費は何ヶ月分か

生活費の「ある程度」は概ね3ヶ月分と言われることが多いが、もちろん人によって異なる。
3ヶ月と言われる根拠を見てみよう。
・会社員であれば、自己都合での失業で3ヶ月+7日後から失業保険が支給される
・転職活動してから最初の給料を受け取るまで、最短でもそれくらい掛かる可能性がある
(例えば9月1日から転職活動を開始し、9月27日に採用が決まり、10月1日から働き始める。その会社の給与基準が末締めの翌月25日払の場合、最初の給与は11月25日になる)

なので、失業保険を当てにできないのであれば、3ヶ月分より多めに持っていたほうがいい。
転職活動に時間が掛かりそうであるなら、やはり3ヶ月分より多めに持っていたほうがいい。

必要な時にすぐに下ろせるのが貯金

当たり前すぎて見過ごしがちだが、「必要なときにすぐ下ろせる」ことが貯金の大きな長所である。

定期預金であっても、中途解約は可能だ。
利息がほとんど付かないが、元本は戻って来る。
(ただし仕組預金は金融商品取引法の規制対象になるほど、投資の意味合いが強い預金であるため、元本割れする可能性がある)
 

保険

保険は、もしものときに、払った以上の金額を受け取るためのものである。
保険は誰もが入らなければいけないものではない。
あくまでも、貯金を補填するものである。
もしものときに、収入と貯金では足りない場合に力を発揮するのが保険なのだ。
 

保険が必要かどうか

保険を選ぶ際には、「もしものときとは何か」と「何に困るか」を意識する必要がある。

「稼ぎ手が死んだとき」「生活費に困る」のなら、生命保険。
「稼ぎ手が死んだとき」「子供の学費に困る」のなら、学資保険。
「稼ぎ手が病気になったとき」「医療費の支払いに困る」のなら、医療保険。
「稼ぎ手が病気になったとき」「健康保険の範囲外の治療の際に支払いに困る」のなら、がん保険や先進医療特約付き保険。

困らないのなら、保険は必要がない。
夫婦のうち、どちらか1人が死んでも、もう1人の給料や貯金で生活ができるなら、生命保険は必要がない。
夫婦のうち、どちらか1人が死んでも、子供が学校に行けるなら、学資保険は必要がない。

医療費の支払いについては、高額療養費制度により、自分で負担する金額が一定額を超えると超えた分が後から戻って来るので、そこまでの金額を払えるかどうかで考えるといい。

また、高いお金を払ってまで健康保険の範囲外の先進治療を受けたいかどうかも人によって違ってくるので、自分がどうしたいかを考えることが必要だ。

※高額療養費の自己負担限度額についてはこの厚生労働省のサイトが参考になる。PDFをダウンロードしなければいけないが、解りやすい。


 

投資

投資は、貯金や保険と違って、そのお金が無くても困らない場合に、お金を増やす目的で行うものである。

元本が減る可能性はあるが、あくまでも、お金を増やすことを目的に行うものが投資である。
 

「投資」と「投機」は違う

「投資」と「投機」は似ているが、大きく違う。
「投資」と「投機」の違いは、文字通り、資本にお金を投じるか、機会にお金を投じるかの違いである。

株式で考えると分かりやすい。
株式とは、その会社の資本金のことである。

「投資」とは、その会社の資本金にお金を入れ、その会社の成長を見守り応援することだ。
企業が成長したら、株価も上がる。そして、株の配当金や株主優待を受け取ることができる。

一方、「投機」は、株価の推移を見て、上がったらすぐに売る。
一瞬はその会社の資本金にお金を入れるが、成長を待たずにすぐに引き上げるのだ。
株価が上がるという「機会」にお金をかけるのが投機である。
 

成長には時間が掛かる

投資でお金を増やすのは、時間が掛かる。
なぜなら、人と同じように、会社も国も成長するには時間を必要とするからだ。

それなので、投資に回すのは、長期間使う予定が無く、無くても困らないお金でなくてはいけない。
 

「投機」はオススメしない

これは私個人の意見であるが、本業が投資家でない限り、「投機」はオススメしない。

投機は上でも書いた通り、「機会」に投資するものだ。
金融市場は、平日は24時間世界のどこかで常に動いている。
平日24時間ずっと機会が来るタイミングを見ていられる人ならいいが、そうでない人はどうしても遅れを取ってしまう。
24時間市場に貼り付けない人は、勝ち続けられないのだ。

中には「お得な情報」を餌に投機に誘ってくる人もいるだろうが、金融の世界の真のお得な情報は、日本なら霞ヶ関、アメリカならウォール街といった世界の金融市場のど真ん中にいる人が一番最初に知り、徐々に外に漏れ伝わるものなのだ。
そして、外に伝わってきたときには、既に、内側にいる人は美味しい思いをする準備をし終わっている。
自らが金融市場のど真ん中に居ないのであれば、情報戦においても勝ち目は無い。

「投資」は成長を応援し、皆で利益を分け合うもの。
「投機」は限られた機会を奪い合う、ゼロサムゲーム。

この両者の違いは、とても大きい。
 

お金を費やす順番

「貯金」「保険」「投資」とあるなかで、自分のお金をどのように振り分けるかは、この性質を見るとわかってくる。

無いと困るものを入れるのが、「貯金」と「保険」である。
使う予定が決まっているものは「貯金」に入れ、今の手持ちや積立では足りない分を「保険」で賄う。

「貯金」「保険」で必要なお金の確保が終わり、それでも更にお金があるときに、初めて「投資」が選択肢に上がってくる。

必要なお金の確保がされていないのに、投資に手を出すのは、非常にリスクが高い。
逆に、必要なお金の確保が終わっているのに、投資に目を向けないのは、お金を増やす機会を逃していると言えるのである。
 
次回は、利回りよりも重要な「手数料」について整理する。

「お金の基礎知識」シリーズ 全6回

①貯金・保険・投資の得意分野を理解する
②貯金・保険・投資の長所と短所を知る
③利益より重要な手数料の話
④投資信託は初心者に優しいの?
⑤タイプ別おすすめの投資信託の選び方
⑥これが騙しの王道だ!
 

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