投資

「こんなはずじゃなかった!」知らないと怖いお金の基礎知識③ 利益より重要な手数料の話 

2017/08/28

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※連載記事の第3回目です
①貯金・保険・投資の得意分野を理解する
②貯金・保険・投資の長所と短所を知る

「投資」における利益とは?

投資をした結果、「お金が増えた!」というときの、その利益とはいったい何だろうか。
 

利益を表す計算式

投資の結果、手元に入る利益とは、「成長による利益+運用による利益ー手数料」という計算式で表される。

「成長による利益」とは、投資対象が成長し価値が上がることによって得られる利益のことである。
どこかの会社の株に投資したなら、その会社の成長で得られる利益だ。
日本株の投資信託に投資したなら、日本の株式市場の成長で得られる利益だ。
ここは、一度そこに投資したなら、何もしなくても得られる利益になる。

「運用による利益」とは、適切なタイミングで売買を繰り返すことで得られる利益のことである。
とあるA社の株を5年間持ち続けているBさんとCさんがいるとする。
Bさんは、値上がりしたところで一部売り、値下がりしたら買い戻すことをしていた。
Cさんは、買いっぱなしで何もしなかった。
この場合、A社の株を同じ期間持っていたとしても、Bさんの方が利益を出す。
これが運用による利益だ。

「手数料」とは、銀行や証券会社に払う手数料のことだ。

「成長による利益」と 「運用による利益」から 「手数料」をマイナスしたものが、投資の利益となる。

予測できるもの・できないもの

投資によっていくら利益を得られるかは、事前には分からない。

利益を構成する三要素のうち、「成長による利益」と「運用による利益」は、過去の伸び具合を見ることはできるが、未来もその通りに動くとは限らない。
しかし「手数料」は、事前に予測がつく。

そのうえ、 「成長による利益」と「運用による利益」は、必ずしもプラスになるとは限らない。損失が出る場合もある。
しかし、「手数料」はどんなときであっても、必ず払わないといけない。

利益が出るかどうかは確定していないが、手数料を取られることは確定しているのだ。

 

手数料を制する者が、利益を制する

投資について考えるとき、「いくら利益がでるだろうか?」ということばかり目が行くが、確定要素の「いくら手数料を取られるだろうか?」を考えることも重要である。

小さな金額に感じるかもしれないが、利益というものは、こういう小さな金額をコツコツ積み重ねたものである。
利益を目減りさせる手数料を制する者が、利益を制すると言えるのだ。

 

何より重要な手数料について

目に見える手数料

金融商品の取引をするときに、手数料を把握するのを忘れてはいけない。
主にどういった手数料があるのか、代表的なものは下記である。
 

貯金

・口座維持手数料:日本人には馴染みが薄いが、日本の銀行でも、りそな銀行やSMBC信託銀行プレスティアなど口座維持手数料が発生する銀行が存在する。(2017年8月現在)
各銀行が提示する条件を満たせば無料になるので、口座を作る前に、自分がその条件を満たし続けられるのかを確認すること。
また、外国の銀行は口座維持手数料が発生することが多い。
 

保険

・販売手数料:保険のうち、銀行が販売する保険については、販売手数料が開示されている。
「保険会社が銀行に支払う手数料であって、お客様が直接負担をすることはない」と説明されるかもしれないが、保険会社は顧客から受け取ったお金の中から手数料を払うので、顧客から見れば手数料の分だけ保険会社に預けたお金が減ることといえる。
 

投資信託

・買付手数料:投資信託を買うときに掛かる手数料。買付手数料が0円のものはノーロードと呼ばれる。
・信託報酬:投資信託を保有している期間中、ずっと掛かり続ける運用管理手数料。
・信託財産留保額:投資信託を解約するときに、全額払い戻しを受けられるわけではなく、一部を証券会社の運用原資に残すことを求められる。それが信託財産留保額である。証券会社の利益ではないので、厳密には手数料とは違うが、必ず差し引かれることには変わりはない。
 

外貨預金・FX

・スプレッド:外貨の相場には買値と売値がある。ニュース番組などで為替レートを報道する際、「1ドル=109円35~45銭」と表示されるのが、それだ。これは「あなたが1ドルを売りたいなら109円35銭で買い取りますよ。あなたが1ドルを買いたいなら109円45銭でお売りしますよ」という意味で、この差が取引会社の取り分となる。
 

目に見えない手数料

手数料には、上記のような目に見える手数料の他に、目に見えない手数料がある。
これは手数料という名目での支払いは求められないが、こちらが預けたお金や、発生した利益からそっと差し引かれる。

目に見えない手数料がいくら発生しているのかを確認することはできないが、「こういうときに発生しがち」ということを知っておくことは大切だ。

目に見えない手数料は下記のようなものに発生する。
・人手が掛かるもの
・複雑なもの

人手が掛かるもの

金融商品にはいろいろある。

銀行への貯金なら、一度預けたら、銀行の人は、決まった日にレートに応じた利息を機械的に付けていくだけで、それ以上我々の貯金を増やす努力はしない。
しかし、投資信託であれば、預かったお金を増やすために、中の人は情報を集めたり運用したりと人手を掛ける。
銀行にはほぼ手数料を払うことはないのに、投資信託にはいろいろな手数料が掛かるのはこういう訳だ。

投資信託にも、いろいろある。
世の中の市場と同じレベルの成長を目指すもの(インデックスファンド)は、例えば日経平均に連動するタイプであれば、日経平均と同じ銘柄を買っておけばいいので、手が掛からない。
しかし、世の中の水準よりも高い成長を目指す投資信託(アクティブファンド)であれば、独自に情報収集と運用が必要になるので、手が掛かる。
こういう訳で、インデックスファンドよりアクティブファンドの方が手数料が高い。

情報を集めるにも、日本国内で日本の情報を集めるより、海外の情報を集める方が手間が掛かる。
しかも外国語で情報を読み取るスキルも必要となるし、顧客説明用に翻訳する手間も掛かる。
つまり、日本株や日本の債権よりも、海外の商品の方が手数料が高い。

このように、人手が掛かるものには、手数料が掛かる。
もし、目に見える形で手数料が示されなくても、人手が掛かっている分だけ手数料が発生しているのである。
 

複雑なもの

世の中には、複雑な商品がある。

例えば銀行の仕組預金。
預金という名が付いているが、株式や為替の特徴を取り入れた投資に近い商品だ。
各銀行が、知恵を振り絞り金融工学を駆使して「仕組」を作るため、仕組預金と呼ばれている。
こういう商品には、仕組を作るための手数料と、仕組を維持するための手数料が秘かに発生している。

例えば保険の養老保険。
貯蓄型の生命保険の一種で、一定期間は死亡時の保障がされ、満期時には死亡保険金と同額の満期保険金が支払われる、貯蓄と保険の両方の性格を併せ持つものだ。
両方のいいとこ取りだけならいいが、貯蓄と保険という性格の違う2つのものを合わせた複雑な商品である。
複雑な分、秘かな手数料が発生して、貯蓄だけ、保険だけ、というシンプルな商品に比べて、貯蓄の利息は増えず、保険部分も薄くなる。
 

手数料に敏感になろう

銀行も保険会社も証券会社も、ボランティアで我々のお金を取り扱っている訳ではないので、手数料を徴収するのは当然の権利である。

必要な分の手数料を払うのは当たり前のことだ。
しかし、知らないまま手数料が取られていて、いざお金を引き出した時に「あれ?思ったより少ない?」となっては、お金の計画が狂ってしまう。

お金の運用を考える時は、貯金でも保険でも投資でも、必ず、目に見える手数料を確認することを忘れてはいけない。
そして、人手が掛かっていたり複雑な商品なのに、目に見える手数料が安い場合には、返ってくる利益が低い可能性があることを考慮することが重要である。
 

まとめ

手数料を制するものが、利益を制する
・手数料には目に見えるものと見えないものがある
・人手が掛かるもの、複雑なもの、という目に見えない手数料の発生源を意識することが重要

次回は、投資信託は初心者に優しいのか検証します。

「お金の基礎知識」シリーズ 全6回

①貯金・保険・投資の得意分野を理解する
②貯金・保険・投資の長所と短所を知る
③利益より重要な手数料の話
④投資信託は初心者に優しいの?
⑤タイプ別おすすめの投資信託の選び方
⑥これが騙しの王道だ!
 

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