諦めないとは、心の声に誠実になることという意味だった
ある日、人材紹介を生業としている方とお会いした。
普通に楽しくお喋りをしていたら、突然、その人が「僕はこういう会社がしずかさんに合うと思います」と言って、ある会社の話をしてくれた。
押し殺していた思い
その会社はもうすぐ創立100周年を迎える、歴史のある企業だった。
私の経歴からいって、立ち上がったばかりのベンチャー企業から声をかけていただくことはある。
しかし、残業をしない働き方の快適さを知った後である。
立ち上がったばかりのベンチャー企業は残業が多いのではないかという懸念があり、転職は考えていなかった。
残業のない快適な人生を送るために、今の会社でコツコツ努力していこうと考えていた。
そういう話をした後に、その人は言ったのだった。
「しずかさんはそんなこと言いますけど、僕はこういう会社がしずかさんに合うと思いますよ。歴史のある会社で、多くの人が定時で帰りますが、スピード感を持って新しいことに挑戦しています。」
定時で帰れて、スピード感がある?
そう言われても、ピンとこなかった。
それなのに、ワクワクした。
そして気がついた。
私、新しいことに挑戦したかったんだ!
諦めたのは環境のせいではなく自分のせいだった
私は、新しいことに挑戦したかった。
しかし、新しい挑戦は長時間労働とセットだと、なぜか思い込んでいた。
新しい挑戦は私の手には入らないと諦めて、そっと心の奥底に仕舞いこんでいた。
本当の気持ち
長時間労働をせずに新しい挑戦がしたいなら、そういうことができる会社を探せばいい。
それなのに、私が勝手にそれは無理だと制限をかけて、諦めていたのだった。
新しいことに挑戦したいけれど、そんな環境はこの世にないよね。
何の行動もせずに、そう思っていた。
しかし、新しい挑戦と聞いて心がワクワクした。
実際は全然諦めきれていなかったのだ。
心の中の願望に気がつかないふりをして、心を殺していた。
そんな自分に気がついて、叫びだしそうになった。
諦めないということは
諦めないとはコツコツ努力することだと思っていたが、そうではなかった。
諦めないとは、心の声を汲み取って誠実になることだったのだ。
自分の心の声を聞いて、心が望む方向に行くにはどうすればいいかを真剣に考えること。
そしてそれに向かって行動すること。
コツコツ努力することは、その行動の一つに過ぎない。
最初のスタートで心の声を無視して諦めていたら、その後、違うことをいくら努力しても、諦めていることには変わらないのだ。
まず、心の声を汲み取って、自分が本当にしたいことに誠実に向き合うこと。
ここから、始まるのだ。