熱海、中村屋。上質なお茶をゆったりとした空間でいただけるお店
温泉好きなので、温泉も旅の理由になる。
片道何時間も掛けて行くような人里離れた温泉が好きだが、そこまでの時間やお金や気力のないときに電車でさくっと行ける温泉の存在もありがたい。
先日、電車でさくっと行ける温泉の1つ、熱海温泉に行ってきた。
中村屋
熱海は、駅前の商店街をぶらついて、店頭に並ぶ干物を見ているだけでもそれなりに楽しい。
そう話しながら仲見世通りのアーケードを歩いていると、大きな雰囲気のいい暖簾を発見した。
どうやらお茶とお菓子で一服できるお店らしい。
気になったので、入ってみた。
驚くほど美味しいお茶
広い空間に、間隔をおいてテーブルが配置してある。
店内にはジャズが流れている。
観光地の真ん中にあるのに、ゆったりと長居ができそうな快適な場だ。
お菓子等は注文を受けてから完成させるらしく、時間が少し掛かるけれど大丈夫か問われる。
全く問題ない。
むしろ、丁寧に作られたものが味わえるのが嬉しい。
というわけで、待つことしばし。
こちらは玉露。
玉露名人の前島東平さんの玉露だそうだ。
お店の方が三煎に分けて入れてくれる、その一煎目。
湯温は42度だそうだ。
苦味は全くない。
すっきりとした甘味を残して喉の奥に滑り落ちる。
まさに「玉の露」を頂いているような、特別な味である。
しばらくして、二煎目が来る。
二煎目は甘味が濃くなり、飲み終わったあとにほんの僅かにかすかな苦味が残る。
甘さと苦さという、お茶の2つの特徴を味わうことができる。
そして、三煎目。
口に入れた瞬間に舌の上に美味しさで裏打ちされた苦味が広がる。
そのあとにお茶の香りと甘味が伝わってくる。
香りも濃くなり、美味しいお茶を飲んでいるという満足感に満たされる。
一煎目と二煎目は特別な宝石のような飲み物を飲んだと感じた。
三煎目でようやくお茶の世界に戻ってきた感覚があった。
とはいえ、三煎目も特別なお茶であることは間違いない。
お店の方が、お茶の葉も食べられると、スプーンを持ってきてくれた。
お茶の葉を食べる。
とても柔らかいため、全く舌に残らない。
食感はワサビのの葉の佃煮だが、味はお茶の甘さが際立っていてる。
なお、玉露にはお菓子が2つ付いている。
1つ目は、お餅があんこで包まれたこがね餅。
小豆のアクが一切感じられないほどさらっとしているのに、小豆の印象を残す。
甘さ控えめだが、物足りなさもない。
2つ目は、和三盆の干菓子。
和三盆の滑らかな甘さを前面に引き出している。
口どけの良さから、余計な混じりけがないのが伺える。
なお、私自身はカフェインが苦手なので、玉露は一口ずつもらって、私自身は昆布茶をたのんだ。
昆布茶の味は、ほぼ昆布だし!
昆布の旨味が充分に引き出されているが、椎茸の出汁も合わせてある。
市販のよくある昆布茶とは、完全な別物だった。
感想
とても居心地のいいお店だった。
出てきたおしぼりは、ふっくらとした今治タオル。
置かれている雑誌は、婦人画報。
快適な経験を手に入れるためにはお金を惜しまない層をターゲットにしていると思われる。
材料も、全て何を使っているかを開示して説明されており、とてもこだわり抜いている。
決して安くはないが、その値段も納得の、研ぎ澄まされたお店だった。
お店情報
中村屋
静岡県熱海市田原本町5-12
0557-81-0010
営業時間:9:00~16:30
定休日:なし
https://tabelog.com/shizuoka/A2205/A220502/22003463/
http://www.nakamuraya-seika.jp/
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