伊勢神宮の朔日参り。コロナで大きく変わった朔日餅と朔日粥を食べる方法
急遽、思い立って伊勢に行ってきた。
たまたま4月1日に行こうと思って調べてみると、毎月1日には朔日参りという風習があることを知った。
この日にしか買えない朔日餅や朔日粥があるらしい。
元々は深夜の3時頃から行列ができていたらしいのだが、コロナの影響で変更があったようだ。
この記事では、コロナ禍での朔日餅と朔日粥について書く。
朔日餅
伊勢といえば、赤福!
お餅をあんこで包んだだけなのにシンプルで美味しいあの赤福が、毎月1日には特別なお餅を販売するそうだ。
そのお餅は月替わりなので、それぞれ年に1回しか買うチャンスがないことになる。
4月の朔日餅はさくら餅。
しかも私の好きな道明寺。
これはどうしても欲しかった。
コロナ禍前の朔日餅の買い方
朔日餅のシステムは、コロナ前はこうだったらしい。
- 前日17時から配布される受付番号表をもらう(大行列)
- 1日の朝3時半より受付番号表と列整理券を交換する(大行列)
- 列整理券を持って購入列に並ぶ(大行列)
購入までなかなかハードルが高かったことが伺える。
それが、コロナの密回避対策により、変更が起きていた。
コロナ禍な今の朔日餅の買い方
2021年4月現在の朔日餅を手に入れる方法はこうだ。
前日17時で配布される整理券が、行列に並ぶ時間を指定する券に変わった。
この券を貰ったからといって必ずしも購入できるわけではないが、朝3時半から並ぶ必要が無くなったのは大きい。
この整理券を貰うために前日(3月31日)の13時には既に人が並び始めていたが、私は17時ちょうどに取りに行った。
整理券番号は「42」で、指定された時間は朝5:30〜6:00だった。(開店は4:45)
日付は変わって4月1日、指定された時間より少し早めの朝5時20分に赤福本店に着いた。
店に向かう道すがら、段ボールで5箱6箱と朔日餅を購入している人々に続々とすれ違う。
既に指定時間5:30-6:00の回の購入列ができはじめていたが、確実に買えそうな雰囲気だった。
前に並んでいる人の整理券を見せてもらったら124番で、指定時間は42番の私と同じ5:30〜6:00だった。
前日の整理券を貰うのも、17時ちょうどじゃなくても良かったのかもしれない。
20分ほど並んで、ついに私の番が近づいてきた。
あとは行列の順に購入窓口に案内されるので、買うだけだ。
販売窓口は本店と、本店の向いに設定された特設窓口の2箇所。
せっかくだから本店で買いたかったので、本店に案内されて嬉しかった。
並ばないと買えないのか?
私は勝手がわからないながらもどうしても朔日餅を買いたかったため、行列覚悟で向かったが、実際はそこまでしなくても買えたように思う。
整理券も17時ちょうどに行かなくても、多少遅れても早い時間の整理券を手に入れることができたらしい。
そして、整理券がなくても、朝8時くらいには行列に並べば買えるようになっていた。
9時には行列もなく、お店に行けばすぐに買えたようだ。
また、朔日餅は店内での飲食も可能で、こちらは整理券がなくてもすんなりと入れていた。
朔日餅は月によって人気の度合いが違うらしい。
さくら餅が人気が高いのかどうかはわからないため、たまたま買いやすい月だった可能性もある。
なお、一番人気は7月1日の「竹流し」という水ようかんらしい。
水ようかんも好きなので行ってみたいが、7月は朝も温かいし、明るいしで、激戦になるのだろうか。
朔日粥
朔日餅を無事に手に入れた私は、次は「すし久」に向かった。
こちらは毎月1日に朔日粥を提供している。
すし久の朔日粥も月替わりで内容が変わり、4月1日は筍粥だそうだ。
コロナ禍前の朔日粥
以前は、朔日粥を食べたければ、開店の4:45より前から並んでいないといけなかったようだ。
1時間以上の行列待ちを覚悟するものだったらしい。
でもこちらも大きく変化をした。
コロナ禍な今の朔日粥
2021年4月現在の朔日粥はこのように変化した。
毎月1日の朝4:15から店頭の発券機で整理券が配られる。
その番号順に案内がされる。
私は朔日餅を購入後、朝5時45分頃に整理券を受け取った。
この時点で59組待ち。
「だいたい1時間後くらいになります」と店員さんが教えてくれた。
1時間待ちは想定内。
むしろ理想的。
というのも、朔日粥を待っている間に朔日参りを済ませたかったからだ。
この整理券方式になってから、行列に並んでいなくても良くなった。
私も安心して、内宮へ朔日参りに出かけた。
行列の進み具合は、整理券のQRコードを読み取ると知ることができる。
このシステムのおかげで、安心してお参りをすることができた。
45分ほどでお参りを終え、おかげ横丁をぶらぶらと眺めながら店に向かった。
お店の前に着いたところで順番まであと14組だったが、店員さんに整理券を見せたところ「すぐに案内できますので、列でお待ちください」と言われた。
私の前にいる14組のうち数組はまだ戻ってきていないようだった。
そこから5分ほど待って、席に案内された。
雰囲気の良い店内に案内され、そこから少し待つだけで朔日粥が出てきた。
おかゆだけではなく、一夜干しの子鯛をはじめとしたおかずがついて620円。
大満足だった。
たけのこ粥 大釜でお粥が炊かれていた
並ばないと食べられないのか?
朔日粥、私は6時40分頃に店に入れたのだが、そのときもまだ続々とお客さんが整理券を取りに来ていた。
そのあたりで180番台の整理券だったので、おそらく1時間以上待つだろう。
朔日粥を食べるなら、まず最初に整理券を受け取って、それからお参りをしたり散策をする予定にすると、時間を有効に使えるだろう。
朔日参りの楽しさ
まだ夜が明けないうちから、動き出し、お参りをする朔日参り。
ストイックな行事だと思ったけれど、早朝から伊勢の内宮を歩くのは、冷気に身も心も引き締まり、とても気持ちが良かった。
その冷えた体に、お粥が染み渡り、しみじみと美味しかった。
いつもはぼんやりと何となくいつの間にか時が過ぎていき、気がついたらもう年末!となりがちだ。
そこをこうやって新しい月を特別な行事で迎えることで、気持ちを入れ替え、時の流れを身に刻むことができる。
朔日参りを毎月する人がいるのも納得のいい朝だった。
備考:宿泊した宿
朔日参りのメインの時間は朝5時前ということで、伊勢内宮の近くの宿に宿泊した。
直前に伊勢行きを決めたので、高い宿しか空いていなかったのだが、その分、とても快適に過ごした。
ちなみに宿泊したのは「伊久」という旅館。
赤福本店から徒歩5〜6分ほどと程近く(ただし73段の階段がある)、便利だった。