いくら注意しても聞いてもらえない時に。4つのタイプ別、相手に届く言葉の選び方
先日、「いくら注意しても、出したものを片付けない後輩がいるんだよね。出しっぱなしは邪魔だと何回言っても改善されなくて、どうすればいいんだろう」という相談を受けた。
それはやってはいけないと何度言っても改善されないことはよくある。
どれだけ言葉を選んでも、相手に届かないのだ。
その理由は、どういう言葉が響くのかはタイプによって違うからだ。
その人に合うタイプの言葉を投げかけないと、相手の耳には全く届かない。
どういうタイプがあるかを、この記事では見ていく。
人の思考の癖 4タイプ
人のタイプによって、届く言葉には違いがある。
自分先行か他者先行か
まず人は、自分先行タイプと他者先行タイプに分かれる。
何か起きた時、まず自分にどう影響するかを考える人と、まず周囲にどう影響するかを考える人の両方がいるのだ。
例えば、手土産のお菓子を貰った時に、(私の好きなお菓子!この美味しいお菓子を皆で食べられて嬉しいな)と思う人と、(お菓子をいただいて皆が喜ぶだろうから、私も嬉しいな)と思う人といった違いだ。
※余談だが、自分先行タイプは(私って自己中心的かも)と悩んでいることがあり、他者先行タイプは(私には自分の意思がないのかも)と悩んでいることがある。
前者は自分が成長することで他者の成長を促進するタイプで、後者は他者の成長を支えることで自分が成長するタイプで、どちらにしろ自分も他者も成長していくので気にする必要はない。
ポジティブ追及かネガティブ回避か
そして、ポジティブを追求することに興味がある人と、ネガティブ要素を回避しないと落ち着かない人にも分かれる。
(小さなことなんて気にしない!)という人と、(こんなことがあったら困るから事前に何とかしなきゃ!)という人だ。
4つのタイプごとに届く言葉
前章で分けたタイプをまとめると、以下の4つのタイプとなる。
・自分先行×ポジティブ追求
・自分先行×ネガティブ回避
・他者先行×ポジティブ追求
・他者先行×ネガティブ回避
自分先行タイプの人に他者先行タイプの言葉を投げかけても、(他の人のことを言われても、本当にその人がそう思っているかはわからないし、ここで話しても意味がないのでは?)と思われる。
他者先行タイプに自分先行タイプの言葉を投げかけても、(自分が良くても、他の人に迷惑かけたくはない)と思われる。
ポジティブ追求タイプにネガティブ追求タイプの言葉を投げかけても、(小さいことにこだわるなあ)と思われる。
ネガティブ追求タイプにポジティブ追求タイプの言葉を投げかけても、(それは楽観的すぎて危険)と思われる。
その人のタイプに合う言葉を投げかけないと、的外れなことを言っているようにしか思われないのだ。
各タイプごとに届く言葉をどのようなものかを、以下に挙げていく。
自分先行×ポジティブ追求
自分先行タイプは、何かが起きた時、まず自分にどういう影響が起きるかを考える。
そのため、自分にどのような影響があるかがイメージできる言葉を受け止める。
そして、ポジティブ追求タイプは、ポジティブな未来が見えるとモチベーションが上がる。
つまり、人から言葉をかけられるときは、自分にどういうポジティブな影響があるかが想像できる言葉がすっと入ってくる。
例:「片付けをすると、最後の後始末まできちんとできる人だと評価されるよ!」
自分先行×ネガティブ回避
自分先行タイプは、何かが起きた時、まず自分にどういう影響が起きるかを考える。
そのため、自分にどのような影響があるかがイメージできる言葉を受け止める。
そして、ネガティブ回避タイプは、ネガティブな未来が予想できる時に、それを避けるような行動をする。
つまり、人から言葉をかけられるときは、自分にどういうネガティブな影響があるかが想像できると、危機感を持って話を聞く。
例:「きちんと片付けないと、だらしがないと思われて信頼されないよ!」
他者先行×ポジティブ追求
他者先行タイプは、何かが起きた時、まず周囲にどういう影響が起きるかを考える。
そのため、周囲にどのような影響があるかがイメージできる言葉を受け止める。
そして、ポジティブ追求タイプは、ポジティブな未来が見えるとモチベーションが上がる。
つまり、人から言葉をかけられるときは、周囲にどういうポジティブな影響があるかが想像できる言葉がすっと入ってくる。
例:「きちんと片付けると、皆が気持ちがよく働けるよ!」
他者先行×ネガティブ回避
他者先行タイプは、何かが起きた時、まず周囲にどういう影響が起きるかを考える。
そのため、周囲にどのような影響があるかがイメージできる言葉を受け止める。
そして、ネガティブ回避タイプは、ネガティブな未来が予想できる時に、それを避けるような行動をする。
つまり、人から言葉をかけられるときは、周囲にどういうネガティブな影響があるかが想像できると、危機感を持って話を聞く。
例:「きちんと片付けないと、誰かが転んで怪我をするかもしれないよ!」
まず、自分のタイプを知る
タイプ別の届く伝え方が分かると、すぐに(では、あの人はどのタイプかな…)と考えたくなるが、その前にまず自分のタイプを考えてみよう。
自分のタイプがすぐに分からない人も多いと思う。
そのときは、自分が人に注意するときや、注意するに至らなくても誰かの行動にモヤモヤしたときを思い返すといい。
人は無意識の時は、自分のタイプに沿ったことを考えて、口にする。
注意するときは、何と言っているだろうか?
注意したくなったときは、どう感じているだろうか?
(そんなことして、どんないいことがあると思っているのだろう?)と、本人のプラス評価に思いが行くなら、自分先行×ポジティブ追求。
(そんなことをしたら嫌われないかな、大丈夫かな)と本人のマイナス評価が気になるなら、自分先行×ネガティブ回避。
(そんなことをしても、誰の得にもならないのに)と周囲の人へのプラスの影響に意識がいくなら、他者先行×ポジティブ追求。
(そんなことをしたら、皆に迷惑かかるのに)と周囲の人へマイナスが及ばないか心配なら、他者先行×ネガティブ回避。
この中で一番しっくりするものや、真っ先に思い浮かぶものが自分のタイプになる。
次に、相手のタイプを知る
自分の言葉が相手に届かない時は、相手は自分とタイプが違っていることが多い。
もし相手のことを何考えているか分からない人だと感じる場合は、違うタイプである可能性が非常に高い。
このことを念頭に相手のタイプを推測するが、このときも相手の普段の言動を思い返してみるといい。
相手が何と言っているか、どんな時に行動しているかを思い返してタイプを考える。
タイプが分からなければ、一つ試して、相手に届かなかったらまた違うタイプの言葉をと、全てのタイプの言葉を試してみればいい。
おまけ:ストレングスファインダーでいうと
ストレングスファインダーの資質も各タイプに分かれるので、テスト結果がわかるなら参考にしてみると面白い。
例えば、人間関係構築力系の資質が多いと他者先行タイプになりやすい。
回復志向や慎重さといった問題やリスクを発見する資質はネガティブ回避タイプになりやすいし、ポジティブや未来志向はポジティブ追求に興味がある…のように各資質に特性がある。
くれぐれも「この資質があるから、私はこのタイプ!」ではなく、自分自身が何か問題が起きた時に湧き上がった感情から、どの資質がざわついているのだろうと探るのがポイント。
ほとんどの人が複数のタイプの資質を持っていて、何かが起きた時にどの資質がざわめくかで反応が変わってくる。
なので、「この資質を持っているから、このタイプ!」ではなく、「私に何かがあったときに反応するのはこの資質」という観点で見ていくと良い。
何かがあった時に真っ先に反応する資質は、その人に何かあったときに先頭に立って導いてくれる資質なので、その資質の特性を知っておくと、自分の得意分野や苦手分野が見えてきやすくなる。
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