児童労働の問題点。引き起こされる貧困の連鎖
てんとう虫チョコレート
てんとう虫の形のかわいいチョコレートを手に入れた。
見た目はかわいいが、とろけるような口触りの濃厚なチョコレートだ。
そして、このチョコレートは、カカオを作るために多くの子供達が働いているという現実を知らせる役目を持っている。
児童労働の実態
児童労働の数は10万人以上
世界1位のカカオ生産量を誇るコートジボワールと同2位のガーナでは、多くの子供達が学校に行かずにカカオ農家の一員として労働に駆り出されている。
カカオの生産に適さない地域からカカオ農家への子供の人身売買も行われている。
アメリカ国防省は、カカオ産業で10万人以上の子供達が無給労働や性的虐待などをともなう児童労働のもとにあり、そのうち1万人が人身取引で連れてこられたという調査結果を出したらしい。
なぜ児童労働がいけないのか
「でも貧しいのだったら働くのは当たり前じゃない?」
そういう疑問を持つ人もいるだろう。
児童労働がなぜいけないのか。
それは、そこには救いがないからである。
児童労働は世代を超えて行われてきているので、親世代も教育を受けていない。
そうすると、カカオを効率的に作る技法を学ぶことができない。
文字を知らないため経験を書き残すことができず、毎年同じような失敗を繰り返す。
コスト計算ができないため、不当に安く買い叩かれていることに気がつかない。
こういった状態が、世代を超えて受け継がれているのだ。
頑張って働くことで貧しさから抜け出せるのなら、学校に行かず頑張る期間があってもいいだろう。
しかし、教育を受けられない状態では、働いても働いても貧しさから抜け出せない。
負の連鎖を断ち切るために、教育が必要なのだ。
児童労働を無くすために
まずは気づくこと
児童労働を無くすために、チョコレートの不買運動をしても意味はない。
そこから利益を得ている人がいる以上、形を変えて搾取は残る。
搾取の仕組み自体を変えていく必要があるが、まずは搾取されている側が自分が搾取されていることに気づいて、抜け出したいと望まないと、仕組みは変わらない。
自分が搾取されていることに気づくためにも教育は必要だ。
だが、児童労働農家の親世代は、自分も教育を受けていないため学校で何を学べるかを知らない。
そのため教育の必要性が理解できない。
負の連鎖は、その渦中にいると、自分がそこに陥っていることが見えなくなる。
そのメカニズムを理解する余裕すらない状態なのだ。
メカニズムを教えることができるのは、その渦中から一歩離れたところにいる誰かである。
私ができる小さなこと
冒頭のてんとう虫のチョコレートは、児童労働の問題にガーナの住人とともに取り組んでいるNGO法人が販売していたチョコレートである。
ヨーロッパでは、てんとう虫は春の訪れを告げるところから、幸せのシンボルとされているらしい。
小さなてんとう虫が幸せを呼ぶように、小さな行動も幸せを呼ぶ。
児童労働廃止に取り組むNGO法人ACEのマンスリーサポート会員としてささやかながら応援することにした。
これは小さな小さな行動だけれど、それが子供たちの幸せに繋がるように祈っている。