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しずかみちこ
Gallup認定ストレングスコーチ
ストレングスファインダー(クリフトンストレングス)の専門家として、個人やチームが「強み」を活かして最大の成果を生み出すためのコーチングと研修をしています。

リクルートスタッフィングで経理したり、レアジョブの管理部門立ち上げたり、ブラック企業に入ったり、上司の横領見つけて辞めさせられたり、人の会社2つ作ったりと波乱万丈な職歴の後、独立して今に至ります。

投資と経理スキルでお金をデザインし、ストレングスファインダーで強みを活かしたら、人生が楽しくなりました。

趣味は野球観戦と美味しいものを食べること

収集心・最上志向・戦略性・未来志向・分析思考
ストレングスファインダーのnote
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カフェマメヒコ公園通り店の豆と野菜のカレーは優しいカレー

カフェマメヒコの豆と野菜のカレー

味噌汁の持つ世界観

カレーの話のはずが、突然、味噌汁の話になった。
「味噌汁には日本人の世界観が凝縮されているんだ」と、カフェマメヒコのオーナー井川さんが言ったのだ。

カフェマメヒコの新メニュー、豆と野菜のカレーに込められた思いを井川さんから聞く会でのことだった。
集まったマメヒコのお客さんたちは、キョトンとした表情のまま、話の続きを待つ。

「結婚がめでたいのは、離れたものが一緒になるからなんだよ。近くでばかりくっついてると血が濃くなるからね。
料理も一緒。南のものと北のもの、山のものと海のもの、こういう離れたものを組合わせた時に美味しくなるんだ。
味噌汁にはそれがぎっしり詰まっているんだよね」

これまで全く意識したことはなかったが、言われてみると確かにそうだ。

例えば、出汁。
味噌汁の出汁といえば昆布と鰹節の出汁が真っ先に思い浮かぶ。
北海道で採れる昆布と、高知や鹿児島で獲れるカツオ。
北と南の海のものが融合して生まれたものだ。

そこに加える味噌。
豆に、米や麦の糀を加えて作る味噌は、山の恵みの産物である。

味噌汁の基本材料である出汁と味噌だけで、既に南と北、海と山の融合が起きている。

そこに具材が加わる。
野菜を入れて山の出汁を加えてもいい。
ワカメを入れて海の香りを加えてもいい。
豆腐は、山の産物の豆と海のニガリを合わせて作った、単品で山と海が融合しているものだ。

この離れたものの組み合わせが、味噌汁の美味しさを生んでいる。
それは一口食べて飛び上がるような性質の美味しさではないが、毎日食べても全く飽きない、体に染み渡る美味しさである。

「味噌汁みたいな毎日食べられるカレーを作りたかったんだ」と井川さんは言った。
話は、ようやくカレーになった。

マメヒコの井川さん

豆と野菜のカレー

カレーは、好きな人は毎日でも食べたいものだが、苦手な人も少なからずいる。
それはそうで、市販のカレールーの原材料を見ると分かるように、カレーは大量の脂と小麦粉と砂糖でできているので胃もたれを起こしやすいのだ。
マメヒコのオーナー井川さんもカレーが苦手な一人で、だから、脂も小麦粉も砂糖も使わないカレーを作りたかったらしい。

というわけで、さっそくマメヒコのカレーの紹介だ。

マメヒコのカレーのルウ

味噌汁の世界観をカレーに取り込んだマメヒコのカレーは、まず出汁に特徴がある。
出汁は、利尻昆布と瀬戸内のイリコでとられている。
さっそくここで北と南が融合している。
高級な材料を使わないと、スパイス等に出汁の味が負けてしまうため、昆布もイリコも厳選して使用しているそうだ。

そして、この海の出汁に山のものが加えられる。
砂糖を使わない代わりに甘みを加えるために選ばれたのは、玉ねぎ・人参・セロリである。
オーブンでじっくり1時間以上焼いて甘みを引き出したこれらの野菜をピューレ状にして混ぜ込んでいる。

さらにトマトの酸味が加わり、味に奥行きを出す。

マメヒコのカレーに添えられたもの

ご飯は、五穀米だ。

そこに添えられた14種類の豆と野菜と卵の副菜が彩り豊かに食欲を誘う。

かぼちゃ、玉ねぎの薄切り、ミョウガの酢漬け、青菜(この日は小松菜)、大豆、小豆、花豆、大葉、人参のラペ、ゆで卵、ワカメ、パクチー。

ご飯の上には、紅タデ。
カレーとは、甘みと辛味と酸味が融合した食べ物であるが、そこに苦味を添えている。
この苦味がかすかに混ざることで美味しいと感じる感覚は、日本人ならではだろう。

全体を華やかに彩る菊の花びらが美しい。

最後に、お皿のフチに乗せられたマサラ味噌。
生味噌にクミン、コリアンダー、カイエンペッパーといった何種類ものスパイスを練り込んだ味噌である。

食べてみた

実際に食べると、マメヒコのカレーはさらりとしていた。
ルーに脂が使われていないし、小麦粉のとろみも付いていないので、スープのようにサラサラしている。

野菜の甘さがしっかりと引き出され、スパイスの辛さも、舌を麻痺させる暴力的な辛さではなく、スパイスの香りがわかる辛さなので食べやすい。

ミョウガの酢漬けには驚いたが、ラッキョウの酢漬けの代わりと聞いて、わかったようなわからないような。
実際食べたら、全く違和感はなかった。

大葉にも驚いたが、和風ハーブの大葉とスパイスの相性は悪くない。

ワカメは、海の出汁のルーによく合って、このカレーであれば、混ぜて食べて美味しい。

マサラ味噌はカレーに混ぜても味わいが変化して美味しいが、ご飯とこの味噌だけの組み合わせでもいくらでも食べられそうだ。

見た目以上のボリュームだったが、あれこれと楽しんでいるうちに、さらりといつの間にか胃袋に収まっていた。
お腹はいっぱいになったが、不思議と胃は重くなかった。
 

「◯◯牛のステーキカレーみたいに1回食べたら満足というのじゃなくて、毎日食べられるカレーが作りたかったんだよね」とも井川さんは言った。

メインディッシュ的なグイグイとした主張はないけれど、そっと寄り添うような優しいカレー。
ひと皿の中に、体に優しいものがたっぷり盛られ、美味しさが幾層にも流れ込んでくる。
主張が強くない分、飽きもこない。味噌汁のようなカレーとは、じわじわと美味しさが染みわたる、とても優しいカレーだった。
 

目次

メニュー

マメヒコのカレーは3種類ある。
チキンカレー(1000円)、キーマカレー(1100円)、牡蠣と海老と帆立が入ったシーフードカレー(1400円)だ。
チキンカレーとキーマカレーは副菜抜きの単品の設定もあるが(それぞれ200円引き)、200円の違いで14種類の副菜が付くのだから、迷わず副菜付きにしたほうがいい。

 

お店情報

カフェマメヒコ 公園通り店
(マメヒコは他に2店舗あるが、カレーの提供は2017年10月時点では公園通り店のみ)
東京都渋谷区神南1-20-11 造園会館 2F
※1階がスワロフスキーのお店のビル
03-6455-1475
営業時間:9:00-22:00
定休日:火曜
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13155794/

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