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しずかみちこ
Gallup認定ストレングスコーチ
ストレングスファインダー(クリフトンストレングス)の専門家として、個人やチームが「強み」を活かして最大の成果を生み出すためのコーチングと研修をしています。

リクルートスタッフィングで経理したり、レアジョブの管理部門立ち上げたり、ブラック企業に入ったり、上司の横領見つけて辞めさせられたり、人の会社2つ作ったりと波乱万丈な職歴の後、独立して今に至ります。

投資と経理スキルでお金をデザインし、ストレングスファインダーで強みを活かしたら、人生が楽しくなりました。

趣味は野球観戦と美味しいものを食べること

収集心・最上志向・戦略性・未来志向・分析思考
ストレングスファインダーのnote
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サイレント映画って面白い!!(マック・セネット&メーベル・ノーマンド)京都国際映画祭2017

京都国際映画祭

京都日帰り旅のメインイベントは、京都国際映画祭だった。
その中でも一番のお目当ては、大江能楽堂で行われた、サイレント/クラシック映画部門。
サイレント映画をテレビ以外で見たことがないので、どんなものか体験したかったのだ。

しかも、会場が能楽堂というところに興味を惹かれた。
能楽堂で活弁士と共にサイレント映画が見られるなんて、贅沢な時間が過ごせるような気がする。
 

目次

大江能楽堂

さて、さっそく大江能楽堂。

舞台にスクリーンが設えられていた。

マック・セネット

私が行ったのは、チャーリー・チャップリンを見出した男として知られる映画プロデューサーのマック・セネットが監督や製作をし、伝説のコメディエンヌ、メーベル・ノーマンドが出演している2作品が見られる回だった。

実はこの回に訪れたのは日程がちょうど良かったためで、マック・セネットもメーベル・ノーマンドもこの日に初めて知った名前。
だけど、これが大正解!
すっかりサイレント映画のファンになったのである。
 

水の妖精

1本目は『水の妖精』。1912年の作品である。

映画といっても、全部で7分。
この短い時間できっちり起承転結を織り込もうとしているため場面が次々と切り替わり、展開に付いていけない。
弁士を付けずに上映されたが、伴奏音楽担当の坂本真里さんが登場人物の気持ちを歌にして歌ってくれたため、それを救いにストーリーを追っていく。
私はミュージカルが好きなので、この上映方法には全く違和感はなく、美しい歌声にうっとりした。
とはいえ、普通の映画とは全く違う体験に軽くジャブを食らわされたような印象で、サイレント映画がどういうものかと知るのに、ピッタリな上映だった。

この作品には、メーベル・ノーマンドが水着で登場するシーンがある。
実はこの当時、女性の水着はセンセーショナルなもので、水着を着て海岸で泳ぎの練習をしていた水泳選手が公然わいせつで捕まったこともあるそうだ。
言われなければ水着とは気付かないほど普通の長袖の服なのだが(露出も全くない)、当時としては驚くべきことで、かなりの話題となったらしい。
 

臨時雇いの娘

2本目は『臨時雇いの娘』。1923年の70分の作品だ。

この映画が撮られる少し前、メーベル・ノーマンドの恋人と噂されていた映画監督が殺害され、メーベル・ノーマンドにも嫌疑がかけられる事態となった。
そのせいで、メーベル・ノーマンドは、映画界から目を背けられるようになってしまう。
そんな彼女を盛りたてるため、かつての恋人のマック・セネットが一肌脱いだのがこの作品だそうだ。

『水の妖精』とは違って、丁寧に話が進んでいく。
こちらの作品には活弁士の山崎バニラさんが付いて、映画と観客を繋いでくれた。
 

映画を支える人々

今回、初めてのサイレント映画を楽しく見られたのは、映画を支える3人の方がいらしたからだ。

両作品で生演奏をしてくれた坂本真里さん。
歌と音楽で情景を表現してくれて、ストーリーの理解を助けてくれた。

活弁士の山崎バニラさん。
出演者のセリフを代弁したり、状況を説明したりとストーリーの中の人として演じていたかと思えば、状況に的確にツッコミを入れるなど観ている側に回ったりと、映画の中と外を自在に行き来して、観客が映画の世界に入る手助けをしてくれた。
活弁士とは日本独自の職業で、サイレント映画全盛の時代でも日本にしかいなかったそうだ。
(外国映画にある字幕の英語が観客には読めないといった状況的必要性と、人形浄瑠璃や歌舞伎などナレーターがいる舞台が既に存在していたという環境があるため、自然な流れで発生したと言われている)

そして、解説の喜劇映画研究会の新野敏也さん。
豊富な知識をもとに時代背景を説明してくれたかと思えば、「このシーンで壁に貼ってある写真、チャップリンなんですよ」といったオタク的観察眼を披露してくれたりと、いろいろな角度から映画の面白さを教えてくれた。

生演奏に生演芸に生解説付きの映画とは、なんて贅沢なのだろう!
映画なのにライブ感が溢れていて、とても面白かった。

左から、司会のアッパレード木尾さん、坂本真里さん、山崎バニラさん、新野敏也さん


 

サイレント映画

サイレント映画とは、今、私が観ている映画の音がないものと思っていたが、映像の部分も全く違っていた。

音がない分、演技は過剰になる。
表情を見せるカットも多用されている。

トーキーへの変革時代、俳優さんは新たなトーキー向けの演技を身に付けるのが大変だったのではないだろうか。
そう考えると、初期のトーキー作品も観てみたくなる。

古い時代の作品への興味を一気に掻き立てられた映画祭だった。

坂本真里さんが操る楽器たち


 

新野敏也さんの話をもっと聞きたい!と思っていたら、著作があった!
しかし、喜んだのもつかの間。
価格が高騰していて、手を出すには勇気がいるお値段になっている…。

楽士の坂本真理さんのブログ。こんなにいろいろ考えて音楽を付けてくださっていたとは!
http://murasaki-kaleido.cocolog-nifty.com/blog/2017/08/post-1.html

臨時雇の娘の作品解説
http://eigato.com/?p=28880

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