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しずかみちこ
Gallup認定ストレングスコーチ
ストレングスファインダー(クリフトンストレングス)の専門家として、個人やチームが「強み」を活かして最大の成果を生み出すためのコーチングと研修をしています。

リクルートスタッフィングで経理したり、レアジョブの管理部門立ち上げたり、ブラック企業に入ったり、上司の横領見つけて辞めさせられたり、人の会社2つ作ったりと波乱万丈な職歴の後、独立して今に至ります。

投資と経理スキルでお金をデザインし、ストレングスファインダーで強みを活かしたら、人生が楽しくなりました。

趣味は野球観戦と美味しいものを食べること

収集心・最上志向・戦略性・未来志向・分析思考
ストレングスファインダーのnote
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恋人が手を繋いでくれないことに5年間悩んで、気が付いた大切なこと

5年付き合った恋人と別れた理由

かつて5年もの間、付き合っていた恋人がいた。
別れを決めた理由は、手を繋いでくれなかったから。

このことを話すと、「え?5年も付き合って、そこ?」と驚かれる。
もちろん別れを決める理由は1つではないが、一番大きな点はそこだった。

5年もかけたけど、やはり、そこだったのだ。

目次

5年間の悩み苦しみ

5年間、気づかなかった訳ではない。
5年後に急に手を繋がなくなった訳でもない。

寂しさと怖さと

付き合い始めたばかりの頃は、多くの恋人たちがそうであるように、お花畑にいる日々を過ごした。
それでも、手を繋いで歩きたいという願いは叶わなかった。
手を繋ごうとしても、そっと振りほどかれる。

人目があるところでは手を繋ぎたくないのかと、人が少ない通りに入ってから手を繋ごうとしてみたりもした。
そうすると、少しは手を繋いでくれるが、誰か人が通りかかったり道を曲がったりするときに、ぱっと手を離される。

手を離されるときは、心が千切れるような思いをする。
そういうことが続くと、手を繋いでいても、いつ手を離されるのかと思って身構えるようになる。
手を繋げないときは、寂しい。
手を繋げたときは、怖い。

寂しさや恐怖は、人の意識を支配する。
外を歩くときは手を繋げるのか繋げないのかが意識の中心となるようになった。

相手が変化することを望む

最初の2年ほどは、相手に変わってもらうことを願っていた。

手を繋いで歩いてくれないかなあ。
私の気持ちを分かってくれないかなあ。

しかし、手を繋いで歩こうというそぶりを見せることは一切なかった。

私のことが好きなら、私が望んでいることをやってくれてもいいんじゃないかなあ?
手を繋いでくれないということは、私のことは好きじゃないのかなあ。

手を繋がない原因が自分にあると考えるのは辛いため、彼の中に理由を探すようになる。
彼は私より、2歳年上だった。
そこで、私はこう信じた。
「大人の男の人は、手を繋いで歩いたりしないものなのだ」
一度信じたら、疑いなどしなかった。

自分を変化させようとする

願いを拒否されると、心が傷む。
断られるくらいなら我慢した方がいい、という気持ちになってくる。
それが積み重なると、私がワガママなのがいけないと思うようになった。
相手は大人なのだから、大人相手に手を繋ぎたいと願うことはワガママなのだ。
手を繋ぎたいと願うことが悪い、と思うようになっていた。

それからの2年は自分を変えようとする時間だった。

手を繋ぎたいという願いさえ持たなければ、幸せを感じられるはずだ!
こんな願いを持つ自分が悪いのだ!
必死に自分を変えようとした。

一生懸命、自分に言い聞かせた。
世の中には手なんて繋がなくても楽しそうな人たちはたくさんいる。
手を繋ぐなんて小さなことに拘るのは愚かなことだ。
今、手にしている幸せを見なくては。
寂しいと思うのは悪だ。
甘えたいと願うのは贅沢なことだ!

彼のことが好きなら、彼が望んでいることをやってあげてもいいんじゃないかなあ?
手を繋ぎたくないということは、彼のことは好きじゃないのかなあ。
こんな風に悩みもした。

ある日、気づく

一生懸命に自分に言い聞かせ続けたある日、ちょっとした事件が起こる。
本当にちょっとした出来事だ。

新卒一年目の営業として働いていた私は、先輩と共に回った客先で、ミスをしてしまう。
そのミス自体は「一年目だもの、しょうがないね」とお客さんも笑ってくれるようなものだったが、先輩に迷惑をかけて落ち込んでしまった。

とぼとぼと歩いていたら、ふっと先輩が私の手を取った。
突然のことで驚いたが、なすがままに小さい子供のように手を引かれて歩いた。
そのまま数分、黙って歩いた。

ああ、やっぱり手を繋ぐのって、とてもいい。
手の温かさが伝わってきて、心も温まる。
安心感がじわじわと身体の中に広がっていく。
落ち込んできた気持ちが癒されていくのが分かった。

気持ちが立ち直ったので、先輩に「よく手を繋いで歩くのですか?」と聞いてみた。
私より3歳年上の先輩は答えた。
「俺、手を繋ぐの好きっちゃんねー」

私はそれを聞いて、心底驚いた。
私より2歳年上の彼が手を繋いで歩くのを嫌がるのは、大人の男の人だからだと信じ込んでいた。
でも、更に年上の男性である先輩が、手を繋いで歩くのが好きだなんて!
何かがガラガラと音を立てて崩れ去った。

そして、別れへ

そこから結局1年近く悩むこととなった。
あまりに長いこと付き合ってきたので、別れることが怖かったのだ。
でも、ついに決めた。

彼を変えようとしても、変えることが出来なかった。
私を変えようとしても、変えることが出来なかった。

私は手を繋いで歩くことに幸せを感じる。
彼は手を繋いで歩かない方が幸せを感じる。
二人で同時に幸せになるのは無理なんだなあ。
そのことに気づいたのだった。

5年間は無駄だったのか?

付き合い始めた当初に感じた手を繋いでくれない寂しさが、そのまま別れる理由になった。
5年も前に分かっていたのに、5年間を費やした。
この5年間は無駄だったのだろうか?

もしかしたら長すぎたのかもしれない。
でも、人を変えることはできないことと、自分を捻じ曲げることはできないことの両方を知るために、これだけの時間が必要だった。
もがき苦しむ時間が必要だった。

全てが自分の思い通りに進むことはない。
しかし、どうしても変えられない思いを無理して抑えても、苦しくなるだけなのだ。
譲れない思いのためには、何かを失うこともやむを得ないのだ。

そして、同じように、人を自分の思い通りに変えることもできない。
相手にも譲れない思いはある。
折り合いを付けられることもあれば、付けられないこともある。

5年もかかったけれど、このことに気が付けて良かった。
もがき苦しんだからこそ、二度と同じことは繰り返さないと誓えるほど、心の奥底から理解できたのだった。

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