自分の人生とは? 「皆と一緒」が息苦しい羊の話

佐藤優著『先生と私』。視野を広げるとはどういうことかをその大切さとともに教えてくれる本


佐藤優『先生と私』

元外交官の佐藤優さんの物の見方の鋭さの秘密を知りたくて、自叙伝的なこの本を手にとった。

あらすじ

著者の佐藤優さんは、高校1年生だった1975年に東欧とソビエトへの一人旅をしている。
学生運動のピークが過ぎたばかりのあの時代になぜ共産圏を旅したのか。

この『先生と私』には共産圏を旅する前の中学時代について書かれている。

政治や宗教の話が身近だった時代に、両親、親戚、塾の先生など幅広い年代の大人たちとの出会いを通じて、どのように知識を手に入れ、自分なりの思想が生まれていったか、その過程が記されている。

特に心に残った部分

この本を読んで、一番唸らされたのはこの部分だ。

「学校の勉強とは別に、社会に対する視野を拡げることも重要だ。(中略)そうなるとお父さんやお母さんがわからないことを優君はわかるようになる」p.234

上のセリフは佐藤優さんのお父様が話したセリフだ。
お父様は、このシーンに限らず、何度も息子に視野を広げる事の大切さを話している。

世の中には知らない世界があることを知り、いろいろなタイプの人間と会う。
そのことが物の考え方や生き方に大きな影響を与えていく。

ご両親ともそれを知っているので、お金をなんとかして工面して、息子にいろいろな経験をさせようとしているのだ。

感想

私は鉄道旅が好きなので、後半の北海道一人旅のシーンが純粋に面白かった。
「周遊券を使っての北海道旅行」は、40代以上の旅好きにはぐっとくるワードだろう。

そして、視野を拡げることの大切さを、私もようやく気づいてきたので、今この本に惹かれているのだと思う。

常日頃、同じ人とばかり行動をともにしていると、皆で同じ本を読み、同じ物を見聞きしと、世界が閉ざされてしまいがちだ。
特に会社員をやっていると、毎日同じ人達と顔を合わせるのが日常となってしまう。
意識して、いろんなジャンルの本を読み、違う世界の人達と会い、まだ行ったことのないところに行ってみないと、自分が今のままで固まってしまうのではないかという危機感がある。
その思いもあって、ビジネス書に偏っていた読書傾向を改め、違うジャンルの本を読むようにしている。

この本で佐藤優さんの体験を追わせてもらうことで、「視野が広がる」ということがどういうことか体感することができる。

この本を読んだら、ますますいろいろなジャンルの本を読みたくなった。
私も、視野の広い人間になりたい。

この記事が参考になったら
いいねやシェアいただけると嬉しいです

Twitter で