篠島(愛知県)をぐるっと一周してみた
先日の家島散策があまりに興味深かったので、次は篠島(愛知県)に行ってきた。
篠島は、愛知県知多郡にある、一周8km、人口1653人(2015年)の島である。
観光地として開発しようとされていた過去があり、島の面積の25%は埋立地だ。
だが、現在は、埋立地に作られたゴルフ場は荒れ果て、観光客と言うよりも釣人が訪れる島になっているらしい。
この篠島をひたすら歩いてきた。
篠島を訪問
篠島には行きやすい。
名古屋から1時間ほど名鉄特急に乗って河和駅に向かう。
河和駅からは無料シャトルバスで河和港に向かう。
河和港から篠島に行く船に30分ほど乗る。
以上だ。
篠島散策
篠島港に着いた。
港から学校まで
港の目の前に建物が密集していた家島と違い、広く真っ直ぐな道があることに戸惑った。
篠島は島の約25%の面積が観光開発のために埋め立てられているらしく、まさに港があるところが埋立地らしい。
観光客がほぼいない島でお昼ごはんを食べるには予約が肝心と家島で学んだので、今回は事前に予約をした。
予約したお店も埋立地にあるらしく、道路はまっすぐ。
(お店については別記事で書く)
腹ごしらえが済んだら、散策だ。
埋立地ではない、もともとの島のところに向かう。
島に一つしか無い郵便局を見たり、猫を見たり、1988年まで船着場として使われていたところを見たりする。
篠島では、島にある八王子社の神様が犬嫌いだとされ、犬を買うことが禁止されていた時代があったらしい。
それが影響しているかどうかはわからないが、たしかに島に滞在中、犬は一匹も見かけなかったし、犬の声も聞かなかった。
島唯一の郵便局だが私の予想に反して簡易局ではなかった 島の猫 旧船着き場に停泊する船
路地を歩いていたら、上に登る階段を見かけた。
どこに行くのだろう?登ってみる。
篠島には、島弘法と呼ばれる88体のお地蔵さんがある。
道を歩いていると、不意に出てくる。
狭い道の脇に家が立っているが、空き家も多い。
空き家の跡地にもう二度と走ることがないだろう車が置かれているのは家島と一緒だ。
道は入り組んでおり、家が行き止まりになってそれ以上進めない道がいくつもある。
そんな中、井戸を見つけた。
帝井と呼ばれる、親王時代の後村上天皇が1338年に篠島に滞留したときに飲料水として使用した井戸らしい。
石組みは当時のままなのだとか。
700年近く前の井戸が、そのまま残っているとは!
歩いていると、また階段がある。
山の部分部分を切り開いて家を立てているため、折り重なるように家が存在している。
居酒屋を見つけた。
営業しているかどうか不明。
さすがに食べログにも掲載はない。
貯水槽があった。
かつては島にとって、水の確保は死活問題だったそうだ。
その時代は家庭にはお風呂が無く、洗い物なども海水で行ってすすぎだけを真水で行うような生活だったらしい。
本土から海底水道で生活用水の確保ができるようになって、生活の質が著しく向上したそうだ。
更に道を進んでいく。
小学校と中学校がある。
ここの小中学校も、家島と同じく島の人口に比べて大きいものに感じる。
道路に突如現れる入り口 小中学校が併設されている
この学校の奥に行くと、清正の枕石という加藤清正にまつわる場所があるらしいのだが、獣道っぽくなっているので進むのは断念。
元の道を進む。
海岸散策路という名の山道
学校までは道が舗装されていたのだが、そこから先は未舗装の山道になった。
繊細な生地の素敵なワンピースを着て、細い革のサンダルを履いている女性とすれ違った。
彼女は連れの男性に「この格好ではこれ以上進みたくない」と言っていたが、男性は「俺がいるから大丈夫!」と、とぼけたことを言っていた。
側に誰が付いていようとも、ワンピースも靴も傷む可能性が高い。
篠島に行く際は、汚れても構わない動きやすい服装で行うことをお勧めする。
山道を抜けて、居住可能地に戻ってきた。
再び居住地
海岸沿いの平地にも人が住んでいる。
やはり、限られた土地を有効に使うため、路地は狭い。
ここの人たちはどこで野菜を買うのだろう?
と思いながら角を曲がったら、目の前に野菜が置いてあった。
野菜以外にも雑貨なども売っている商店 本土よりやや高めか?
朽ちている廃屋もあった。
建物を立てたら、簡単に取り壊して次を立てるというわけにはいかないのかもしれない。
元は商店だったっぽい作り
そこから埋立地の方に抜け、埋め立てによって繋がれた旧小磯島と旧中手島の方も回って港に戻った。
篠島を巡って
約2時間ほど掛けて、篠島を歩いた。
篠島には島の面積と比較すると広大な埋立地があるが、そこにかつてあった
人が生活する島とは、現在と過去が共存している場所だと感じた。
普通に生活が営まれている隣で、過ぎ去った過去も撤去されること無く、そのまま滞在している。
かつて営業していたゴルフ場は、再開発の予定があるとされつつも何も動きがないように見える。
フェンスに覆われて雑草が生い茂るあの環境は、将来の希望なのか、それとも忘れ去られる過去なのだろうか。
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