自分の天職を見つけるためのスタート地点はどこにあるのか
前回の記事で、「Will(やりたいこと)」が与えられた仕事の中にあるとは限らないという気づきを書いた。
では、天職はどうやって見つければいいのだろうか?
「やりたいこと」と「強み」の共通点
「Will(やりたいこと)」の話をする前に、私の本業に大きく関連する「強み」の話をする。
なぜなら、この両者には共通点があると感じるからだ。
強みとは何か
強みとは何か。
ストレングスファインダー(クリフトンストレングス)という強みが分かるテストを開発したGallup社は「無意識に繰り返される思考・行動・感情のパターンを磨いたもの」と定義している。
汗水垂らして必死に頑張ってできるようになったことを「強み」と言いたくなるが、それは強みではない。
自然にいつの間にかやっていることが強みなのだ。
自分では何も考えずにちょっとやったことなのに、相手がとても喜んでくれたこと。
誰にでもできるような簡単なことだと思っていたのに、相手が「すごい!」と褒めてくれたこと。
これが真の強みである。
自分より上手にできる人がたくさんいるから強みとは思えない…と感じるかもしれないが、無意識のうちにできることは、意識してやるともっと上手くできるようになるので、どんどん強みとして磨いていくことができる。
「努力しているつもりはなくて、ただ好きなことをやっているだけです」と何かに打ち込んでいる人が上達していく、あの状態だ。
一方で、無理して必死に頑張ってやっていることは長続きしない。
ある程度までは順調でも、無理がたたって心身に不調をきたしたりする。
無理して頑張り続けて華やかに成功したとしても、どこかで張り詰めた糸が切れ、燃え尽きてしまう。
どんなに成功しても、無理は続かない。
続けられないものは強みとは呼ばない。
自然に頑張っているつもりがなくてもやれてしまうことこそが、その人の強みとして輝く可能性があるものなのだ。
「Will(やりたいこと)」とは何か
それでは、「Will(やりたいこと)」とは何か。
私が「Will(やりたいこと)」の認識を大きく変えるきっかけとなったのは「天プロ」というコミュニティに参加したことだった。
「天プロ」の主宰者である山田研太さんは、「執着」という言葉を多用する。
山田研太さんのいう「執着」とは、ずっとそのことについて考えてしまったり、やってしまったりするもので、誰もそこまで求めていないのに必要以上の熱量で取り組んでしまうことを指している。
その「執着」が、そのものを極めるためのエネルギーとなり、他の人を圧倒する。
他の人には真似できないエネルギー量が個性を生み、他者との差別化に繋がっていくため、自分自身を知るために、とても重要なものとなる。
ただ、この「執着」は自分で気づくことが難しい。
執着とは、自然と取り組んでしまうもの、無意識のうちに考えていたり手が動いたりするものなので、自分では執着していることにすら気づかないのだ。
この無意識のうちにやってしまうことが、仕事だったらどんなに楽しいだろう。
憂鬱な気持ちで向き合うのではなく、やれと言われなくても自然とやりたくなることが仕事だったら、楽しいに違いない。
無意識に取り組み、個性が生まれるほどのエネルギーを発しているもの。
執着を持って取り組んでいるそのものこそが、「Will(やりたいこと)」なのだ。
「強み」と「執着」
強みと執着。
どちらも無意識のうちに発動するものである。
無意識にしてしまうほどだから、いくらでもやれる。
いくらでもやれるから、上達して強みになる。
無意識にしてしまうほど好きなことだから、やっていてとても楽しい。
意識してやると、もっと楽しい。
意識してやると、できることが増える。
自分の執着を楽しんでやっているうちにできるようになったこと。
それが「Strengths(強み)」である。
なお、私がやっているストレングスファインダーの個別セッションでは、この「Strengths(強み)」を見ているが、振り返ってみると、「Can(できること)」を強みとは扱っていなかった。
これまで経験された仕事の話も伺うが、そこで語られる「Can(できること)」の中から、目に輝きがあって声に張りが出るなど、その人の心が喜んでいる「Can(できること)」を探している。
その人が自身の本当の強みに近づいたとき、明らかに表に出てくるものが変わるのだ。
本当の強みが仕事ではあまり発揮されていないときもあるので、仕事だけではなく、子供の頃の話や、学生時代の話を聞くこともある。
これまで、私がセッションで何を探って、何をお伝えしているかを感覚的にしか説明できなかったが、「Will(やりたいこと)」と「Can(できること)」の重なり合っているところだと言語化することが出来た。
そして、「こういうことを心掛けて動くといい」ということをお伝えすることもあるが、それも「Will(やりたいこと)」と「Can(できること)」の重なり合いが少ない場合に、どうやれば重ねていけるかをお伝えしていることなのだと、あらためて理解した。
天職はどこにあるのか?
「Will(やりたいこと)」「Can(できること)」「Must(求められること)」の重なりから天職を探そうとしてもうまくいかない原因が見えてきた。
本来の「Will(やりたいこと)」は与えられたものではなく、無意識にやってしまうこと。
「Can(できること)」も、できることなら何でもいいのではなく、無意識のうちにやってしまうくらいやりたいことのみが武器となる。
一方、「Must(求められること)」は外から求められることなので、意識せざるを得ないことである。
無意識の領域は自分では気づかないので、どうしても意識しやすい「Must(求められること)」をスタート地点にしてしまう。でも、自分の本来やりたいことは無意識の領域にあるので、「Must(求められること)」を起点にして掘り下げていっても、やりたいことと求められることが偶然一致していない限り、見つからないのだ。
なので、もし天職を探したいのであれば、まずは「Must(求められること)」は忘れて、自分の無意識を掘り下げていく必要がある。
まずは執着とも置き換えられる「Will(やりたいこと)」を探す。
その中からできることを探し、「Strengths(強み)」を自覚する。
「Will(やりたいこと)」を深めていって、「Strengths(強み)」に磨き上げてもいい。
それが「Must(求められること)」として求められるものであれば、すぐにでも「天職」となるであろう。
でも、自分の「Strengths(強み)」が、世の中に求められているとは思えない場合。
それは「Strengths(強み)」の見せ方を工夫したり、他の「Will(やりたいこと)」を付け加えたり、魅力を発信したりして、相手から求められるものにすればいい。
「Must(求められること)」の方から、こっちにやってくるようにすればいいのだ。
果たして、そんなことができるのだろうか?
それを研究しているのが、前述の山田研太さんである。
山田さん曰く、世の中で天才と呼ばれている人たちは、「執着」を起点に仕事を生み出しているらしい。
その天才たちの成り立ちを論文として発表し、実際に「天プロ(自分の天才性をビジネスに落とし込み、唯一無二のポジションをつくるための天才系(アート型)ビジネスの世界にどっぷり浸かる短期留学プログラム)」という場で、見せてくれている。
私もまだ理解が追いついていない部分があるので、私から天プロについて詳細に紹介することは控えるが(下記を参考にしてください)、自分の天職の見つけ方として「Must(求められていること)」を離れたところを起点に探っていくことに可能性を感じている。
「Strengths(強み)」を更に発展させる鍵があると思っているのだ。
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