思い出の「煎餅果子」を探して その1 〜上野・天天楽 編
「煎餅果子」という食べ物がある。
中国式クレープとも呼ばれるが、甘くはない。食事系の食べ物だ。
もともとは中国の天津のものらしいが、1995年に私が初めて中国に行ったときには北京の屋台でも買うことが出来た。
私はこれにすっかりハマった。
私のお気に入りの店の煎餅果子は、鉄板に粉を水で溶いたものを薄く丸く広げて焼き、その上に卵を割り、薄く広げ、甘辛い味噌ダレを塗り、青いネギと香菜(パクチー)と薄脆(小さく切ったワンタンの皮を揚げたもの)をバァーっと巻いて、クレープのように畳んだものだった。
日本に帰国後、煎餅果子を食べられないかと探したが、全然見つからなかった。
その後も中国の方が調理をする庶民的な中華料理屋に入るとメニューを見てはいたのだが、見つからずに30年近い年月が過ぎていった。
でも、インターネットはすごい。
日本にも煎餅果子が食べられるお店があるという情報が飛び込んできたのだ!
煎餅果子の理想と現実
調べてみると、いくつかの煎餅果子が食べられるお店の情報が出てきた。
専門店まであるらしい。
ただ、私の思い出の煎餅果子より豪華なものがほとんどだ。
レタスとソーセージが入っている率が高い!
私の求めている煎餅果子が小腹がすいたときにつまむものなのだが、野菜に肉まで入ったら食事に近づいてしまうではないか!
ただ、理想を追い求めるだけでは夢は叶わない。
まずは行動!と思い、家の近くの煎餅果子が食べられるお店に行くことにした。
目指せ、アメ横!
アメ横がアメヤ横丁に加えてアメリカ横丁とも言われた時代ははるか遠く、今は中華系のお店が多いエリアだ。
確かにここなら煎餅果子に出会えそうだ。
天天楽の煎餅果子
アメ横のセンタービルに、屋台風のお店が並んでいる。
そこのメニューを見て回り、目を留めたのが、天天楽。
天天楽の隣のお店にも煎餅果子があったのだが、品名が「大煎餅果子」といかにもボリューミーな名前であり、名前の通りソーセージが入ったしっかりめであることが写真でも分かったので、天天楽の方にした。
さて、肝心の煎餅果子は、数分待った後に登場した。
筒状のものが目の前に置かれた。
天天楽の煎餅果子は薄脆の代わりに油条(中華風揚げパン)が入っているため、折りたたむのではなく、巻いて筒状になっている。
レタスもたっぷり入っている。
食べてみる。
ああ!この味噌ダレの味!懐かしい!!
薄脆が入っていない分、パリパリ感が少ないのではと心配したが、油条が補っている。
ただし油条のパフっと感が追加されている。
レタスに関しては、あまり存在感がなく、可もなく不可もなしというところ。
致命的な点としては、香菜が入っていない!!
私にとって、煎餅果子と香菜は切っても切り離せないものである。
なんせ、嫌いだった香菜が食べられるようになったのは煎餅果子がきっかけだったのだ。
あの北京の寒い日、屋台のおじさんに「不要香菜!」と訴えた。
ところが、香菜が入っていないと味が物足りない。
なので、次に行ったときに「一半香菜!」と香菜を半分だけ入れるようにお願いしたが、それでも物足りない。(なお、文法的に正しいかは分からないが、言いたいことは通じた)
私の好きな煎餅果子は香菜抜きでは成り立たないのだと気づいて、それから香菜が好きになった。
要するに、煎餅果子は香菜が入って完成するものなのだ!
いろいろ書いたが、思い出の煎餅果子と違うだけであって、食べ物としては非常に美味しい。
油条を使っているためボリュームもあって、これ1皿で腹八分目まで膨れた。
思い出の味とは違うが、これはこれでまた食べたいと思う味だった。
感想
センタービルの屋台街は土日は多くの人で大混雑だが、平日の午前11時は空いていた。
海外からの観光客の方が多く、自分がどこの国にいるのか分からないほど。
天天楽は店員さんどころかお客さんも全員中国語を話していて、海外旅行の気分になった。
昼はさくっと座って、サクッと食べて、また他の屋台というように食べ歩きもできる。
腰を据えて、お酒を飲むこともできる。
煎餅果子が400円、葱油餅が200円とお手軽価格なのもありがたい。
あまり足を踏み込むことがなかったエリアだが、とても楽しい場所だった。
店舗情報
天天楽
東京都台東区上野4-7-8 アメ横センタービル 1F
080-4797-5211
営業時間:10時前後?〜21時前後?
定休日:なし
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