目標なんて無くても、楽しい人生を送れるから大丈夫!
ずっと目標が持てなくて苦しかった
子供の頃
子供が折に触れて聞かれる質問にこういうものがある。
「将来、何になりたい?」
幼い私は、これが苦痛でたまらなかった。
将来、なりたいものなんて分からなかった。
やりたいことはあった。
家族みんなで夕ご飯を食べたかった。
まだ見たこともない遠くに行ってみたかった。
でも、これは、何か特別なものにならなくても達成できると知っていた。
だから、夕ご飯までに家に帰れるのであれば、特になりたいものはなかった。
大人になっても
大人になったら、この質問から解放されるかと思っていたけれど、残念ながら違っていた。
多くの成功法則の本にはこう書いてある。
「30年後、どうなっていたいですか?
そうなるためには10年後は何をしていることが必要?だったら5年後は?1年後は?
それを細分化して、今年一年の目標を立てましょう。」
私は、30年後も毎日楽しく笑っていたい。
野球を見られたら楽しいだろう。
野球がなくても、友達とお喋りしていたら楽しいだろう。
友達がいなくても、空の雲を見ているだけでも楽しい。
そして、30年後には、今まだ生まれていない新しい物事がいろいろあるに違いない。それに触れることも楽しいだろう。
さて、30年後に楽しむために、10年後に何をすればいい?
空の雲を守るためにCO2の削減をするのか、まだ生まれていない新しいものを待っていればいいのか…。
こういう風に考えてしまって、全く目標を立てることができなかった。
苦しみつつ目標らしきものを作っても、それが息苦しさに繋がった。
本に書いてあることが全く実行できない自分が悲しかった。
目標はなくても大丈夫!
でも最近、ふと気がついた。
「私、今まで目標をちゃんと立てられたことないけど、毎年毎年、思いもよらない経験ができていて楽しい!」
自分で決めた目標を達成するより、思いもよらない経験ができる方が私には楽しいのだ。
ようやく、前に進むための方法は1つではないと納得できた。
大きく分けて、2パターンあるのだ。
達成感タイプ
このタイプが「30年後、どうなっていたい?」といった問いから逆算して目標を設定することで成功するタイプだ。
自分のビジョンに沿った将来像を描き、それに近づく自分を確認することでワクワクする。
マイルストーンを設定し、それをクリアすることで達成感が得られ、幸せを感じるタイプだ。
ワクワクタイプ
このタイプは、目標をクリアして達成感を得ても、幸せにはならない。
目標に全然たどりつかなくても、自分がワクワクできていることが幸せであり、成功である。
自分がこの先どこに行くかよりも、自分が満たされて心地いい状態にいられるかどうかが大切なことだ。
ワクワクタイプでも前進できる
よくある誤解
達成感タイプの考え方に馴染んでしまうと、目標に向かって進んでいないことは、自分自身が進んでいないことだと思ってしまいがちだ。
確かに、具体的な目標を立て、クリアしたかどうかを期日を決めてチェックしていると、自分が何をやったかが可視化できるため、進んでいる感覚がある。
一方、自分のワクワクだけを追求していると、前に進まず安住してしまうのではないかと思いかねない。
しかし、ワクワクを追求していても前に進めるのだ。
実例:とあるベンチャー企業の創業者の場合
私がかつて働いていたベンチャー企業の創業者がワクワクタイプだった。
彼は社員に「○年後にはどうなっていたいですか?」と聞かれるたびに、そういうのを考えたことはないと困った顔をしていた。
学生時代から起業に向けて準備をしていた、というわけでもないらしい。
ただ、友人と新規事業について話していたら楽しくて、やりたいことを形にしてみたらいいものができて楽しくて、会社を辞めてその友人と一緒に起業することになって、ついに今では若くして上場起業の社長である。
起業するという目標を掲げて、それに向けて必要な知識やスキルをつけるタイプの人もいるが、彼はそうではなかった。
楽しそうなことをやっているうちに、仲間ができ、アイデアが湧き、それが起業に繋がったのだ。
ワクワクタイプの人が前進するにはどうすればいいのか
目標を設定し、そこに自分を近づけていく達成感タイプとは違い、ワクワクタイプは自分のワクワクを積み重ねていくことで先に進んでいくタイプである。
肝心なことは、4つある。
自分のワクワクを明確にすること
まずは、自分のワクワクが分かっていないと、何も始まらない。
このワクワクは頭で考えたものではなく、心がワクワクするものでないといけない。
自分が何をするときにワクワクするかや何をするときにウンザリするかを、はっきりさせるのだ。
私の場合は、こういったものがあげられる。
野球を見るのが楽しい。美味しいものを食べることも好き。文章を書くことが好き。
面倒なことが嫌いだから、余計なことはしたくない。
複雑なものが苦手だから、余分なものは無くしてシンプルにしたい。
このように、自分が普段していることの中に、ワクワクとウンザリの種は潜んでいる。
人によっては、こういうことが挙げられるだろう。
語学を学ぶのは楽しい。
雑に扱われているものを見るのが辛い。
友達と前向きな話をするのは楽しい。
友達の愚痴を聞いているのは辛い。
プログラミングをしていると時間を忘れる。
映画を見ると寝てしまう。
こうやって、普段見過ごしているワクワクを一つ一つ拾い上げる。
自分のワクワクを深めること
自分のワクワクが分かったら、それをどんどんやっていく。
ウンザリが分かったら、それはどんどん止めていく。
ワクワクすることを増やして、うんざりすることを減らしたら、毎日が楽しく、顔が明るくなってくるだろう。
ワクワクすることは、すればするほど上手くなっていくだろう。
今は上手くなくても、楽しく続けることが大切である。
ワクワクを発信する
ワクワクすることをしたら、それを積極的に発信する。
上手にできるかどうかは関係ない。
友達に話したり、普段会わない友人に向けてブログやSNSで発信すると更にいい。
なるだけ多くの人に、自分が何にワクワクするかを伝えるのだ。
面白そうな誘いに乗る
ワクワクを発信すると、それを見た人たちから、情報やお誘いが来るようになる。
「あなたの好きそうな展覧会やっていたよ。」
「あなたがやっているあれ、私も始めてみたいから教えて。」
「今度こういうことやるんだけど、一緒にやろう。」
その誘いを受けて、少しでもワクワクしたら、乗ってみるといい。
そこから新しい発見や出会いがあって、自分の知識や交流の輪が広がっていく。
これを続けていくと、思いがけない出会いやアイデアが生まれ、自分では思ってもいなかった新しい世界へと進んでいく。
自分の心がワクワクすることなら、柔軟に受け入れ、試してみることだ。
時代の流れが早い世の中にあって
目標を立てることの落とし穴
目標を立てて、それを達成することも楽しいことかもしれないが、目標には、自分の頭の中にある事柄からしか目標は立てられない、という欠点がある。
「30年後に◯◯となる」という目標を決めたとしても、今の自分が知らないだけで、その◯◯よりもっといいものが存在している可能性もある。
そして、30年後には、その◯◯は存在していないかもしれない。
存在していたとしても、時代遅れの価値のないものになっている可能性は高い。
それどころか、自分が1年後に何をしているのかだって分からないのが人生だ。
目標に固執しすぎると、時代の流れが変わっていることを見落として、流れから脱落してしまう。
目標を作っても、柔軟に変更していくことが必要なのだ。
目標は無理して作らなくていい
目標を作ることが楽しくて、前に進むための原動力になるのなら、目標を立てることは大切なことだ。
でも、苦しんで目標をひねり出すくらいなら、目標なんてなくていい。
時代の流れはどんどん加速していく。
今の自分が考えた目標が、1年後、5年後、10年後に、今と同じ価値を持っていることはないのだ。
それであれば、目標を立てる時間を使って、自分のワクワクを加速させ、まだ見ぬ世界に近づいた方がいい。
目標なんてあってもなくても、自分がワクワクしていることをしていれば、楽しい未来が待っている。
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