【危険】見晴らしのいい交差点でも事故は起こる!車が止まって見えるコリジョンコース現象

冒頭ではあるが、
「見晴らしのいい場所では、走っている車は、止まって見える」
この一言を覚えておこう、というのが今日の結論である。
見晴らしのいい場所で起きる交通事故
「田んぼに囲まれた交差点でなぜ…」という見出しがついた交通事故の記事を見た。
事故が起きたのは、田んぼが一面に広がるとある町の交差点。
車2台が出会い頭に衝突してしまったようだ。
運転手も同乗者も軽傷で済んだようなのが幸いである。
この事故の原因が分かる人、分からない人
ところでこの事故がなぜ起きたのか、地方に住む人にはすぐ分かるだろうが、街中で暮らす人にはピンと来ないかもしれない。
この事故を、単なる運転手の不注意と思ってしまったら危険だ。
そういう人はもし同じ状況になったとき、同じ事故を起こすだろう。
コリジョンコース現象
「走っている車は、止まって見える」
こう書くと禅問答みたいだが、これは事実だ。
とある条件が満たされたとき、走っている車が止まっているように見えるのである。
そのとある状況を図にしてみた。
緑色の部分は田んぼだと思ってほしい。

この図のように遠くまで見晴らせる場所で、交差点から同じ距離を保って(図のAとBがイコールな状態)、同じスピード(図では30km/hにしているが何km/hでも)で車が来ると、その車は止まって見えるのだ。
車の存在に気づいていないのではない。
車がいることは50mも前に分かっている。
ただ、相手の車は止まって見える。
路肩に止まっているように見えるのだ。
この現象はコリジョンコース現象と呼ばれている。
人間の目の錯覚が引き起こす現象だ。
覚えておくこと
なぜコリジョンコース現象が起こるのか、その理由は興味ある人だけが知っていればいい。
コリジョンコース現象という名前も覚える必要はない。
でも、全員が覚えておくべきは、この一言だ。
「見晴らしのいい場所では、走っている車は、止まって見える」
私は教習所でこの言葉を教わった。
聞いたときは、この人は何言ってるのだろう?と思ったが、自分が実際に見晴らしのいい場所を運転して理解した。
この言葉は、全く正しい。
車が、本当に止まって見えるのだ。
この言葉を知らなかったら、減速せずに真っ直ぐ交差点に突っ込んで、衝突していたかもしれない。
「見晴らしのいい場所では、走っている車は、止まって見える」
この意識があれば、見晴らしのいい場所で止まっている車を見つけても、本当に止まっているのかな?と確認するだろう。
自分から相手が止まっているように見えるとき、相手にもまた自分は止まっているように見えている。
相手の車が止まっていると思っても油断してはいけない。
速度を緩めて確認すれば、コリジョンコース現象による事故は回避できる。
この一言を知っているだけで、防げる事故があるのだ。