飯田線、秘境駅が次々と現れる。2015年青春18きっぷ記
年末は帰省だ
年末は、遠方に住む夫と私のそれぞれの両親の家をはしごしている。
鉄道好き夫婦としては、青春18きっぷ旅を満喫する絶好のチャンスだ。
昨年(2015年)は日程がよく、年末の休みが長くあったため、途中で一泊して、長らく乗りたかった飯田線を堪能することができた。
行程
1日目
神田0524→0640高尾0642→0941岡谷0945→1457湯谷温泉
2日目
湯谷温泉0957→1116豊橋
秘境駅の数々
飯田線
長野県の辰野駅と愛知県の豊橋駅を6時間以上かけて結ぶJR東海の路線である。
天竜川の渓谷といった山の中を切り分けて進む。
戦前に開通した路線で、当時の集落ごとに駅が作られているため、現状の住人の分布と駅の配置が一致していない。
主にこの2つの理由のため、飯田線には多くの秘境駅があり、鉄道好きに人気がある。
長距離路線にはよくあることだが、辰野から豊橋まで直通する列車はほとんどなく、途中駅が終点、もしくは途中駅が始発の列車が多い。
乗り通しができる貴重な時間帯には、我々と同じように青春18きっぷを握りしめた仲間が集まる。
秘境駅・1 千代駅
駅の後ろがすぐ崖になっていて、電車が停まると非常に閉塞感のあるホームだ。
ホームの反対側は荒れ野になっており、ススキが揺らいでいた。
秘境駅・2 金野駅
ホームの後ろは切り落とし。反対側は崖。
そもそもこの駅で降りて、その後、どこに行けばいいのだろう。
2013年のこの駅の乗車人数は169人。
この駅を誰も利用しない日が200日はあるという、存在意義が問われる駅である。
秘境駅・3 田本駅
ホームの後ろはコンクリートの巨大な壁があり、線路を超えると、渓谷になっており川が流れている。
ホームは、通路といった方がしっくりくる細さだ。
駅から外に出るためには、細い山道を15分進まないといけないらしい。
秘境駅・4 為栗駅
視界がひらけて明るい為栗(してぐり)駅。
視界が開けているのは、目の前にダムがあるためだ。
この駅はもともとここにあった集落の人達のための駅だったのが、ダムの完成で集落がなくなって、駅だけが残ったらしい。
ただ青々と水が拡がるきれいな風景な分、切なさが込み上げる。
秘境駅・5 中井侍駅
ここもコンクリートの壁が迫り来る駅。
線路の向こうには茶畑。
秘境駅・6 小和田駅
静岡・愛知・長野の県境に近い駅。
1936年(昭11)築の木造駅舎をじっくり見たかったのだが、停車時間が1分もないので断念。
ここも以前は駅周辺に集落があったが、ダムができて水没し、今の最寄りの集落は駅から歩いて1時間ほどのところになるらしい。
秘境駅群を抜けて
秘境駅が次々と現れる山の中を抜けると、湯谷温泉という温泉郷がある。
この日はそこで一泊をした。
翌朝は、湯谷温泉から飯田線に乗り直し、無事に豊橋に着いたのだった。