イスラエル代表、日本に敗退。勝負を決めたあのプレー。
WBC2017、イスラエル敗退
ついに終わった。
二次ラウンドE組、日本vsイスラエル戦は、8対3で日本の勝利に終わった。
月曜日のオランダ戦に12対2と大敗したイスラエル代表が決勝ラウンドに進むためには、5点以上を取って勝利する必要があった。
先発、ゼイド
イスラエルの先発がゼイドと発表されて、思わずひっくり返りそうになった。
ゼイドは確かにイスラエル代表の中で、一番いいピッチングをしていた。
しかし、彼は、抑え投手なのだ!
先発投手の中で一番よかったのは、マーキー。
しかしマーキーは日曜日のキューバ戦で50球以上投げたため、WBC規定で日本戦には先発できない。
だからといって、抑え投手のゼイドが先発をするとは予想していなかった。
ただ、これはとてもいい采配だと唸らされもした。
イスラエル代表は、マーキーとゼイド以外の投手は、なかなか厳しい。
誰が投げても、オランダ戦のときのように、序盤から打ち込まれるだろう。
そうしたら、オランダ戦のときのように、チームは元気をなくしてしまうだろう。
それならば、一番いい投手を最初に投げさせた方がいい。
もし抑えている間に点を取ることができたら、勢いに乗ることができるかもしれない。
そして、ゼイドのためにもなる。
大量の得点差がついて負けている試合で抑えとして好投しても、誰も目に止めないだろう。
しかし、序盤で好投すれば、日本のどこかの球団が、ゼイドに目を止めるかもしれない。
2015年を最後にメジャーリーグから離れ、今、所属するチームのないゼイドの再就職先が見つかるかもしれない。
イスラエル代表のウエンスタイン監督は、大学野球の監督を長く務めただけあって、短期決戦の戦い方を知っているし、選手をスカウトの目に留まらせる方法にも長けているのだ。
勝敗を分けたあのプレー
序盤は、ゼイドの好投もあって、いい試合をしていた。
しかし、6回の裏、日本の攻撃のときに、イスラエルの経験のなさが露呈してしまう。
6回の裏、先頭打者の筒香は、筒香らしい見事なホームランを打った。
ピッチャーのアクセルロッドは動揺したのか、次の打者内川をフォアボールで歩かせてしまう。
次の坂本がセンターに弾き返し、ノーアウト1塁3塁となった。
その次の鈴木誠也の打席で、そのプレーは起きた。
誠也の打球は三塁線を転がった。
ボールを掴んだ三塁手ケリーは、なんと、その球をキャッチャーに投げ、三塁ランナー内川を三本間で挟みアウトにした。
このプレーの何がまずいのか。
イスラエルが決勝ラウンドに進出するための条件を振り返る。
それは、5点以上を取って、勝利することだ。
5点取りさえすれば、5-0で勝とうとも、5-4で勝とうとも同じだ。
つまり、ここで内川がホームに帰って1点取られたとしても、イスラエルが決勝ラウンドに進む条件は変わらない。
それならば、このシーンのベストの選択は、内川をホームに帰らせつつ、ゲッツーをとることだ。
1点取られたとしても、2アウトランナーなしにして、日本の勢いを止めることが大事だった。
実際、イスラエル守備陣は、一点を防ぐ守備隊形ではなく、ゲッツーをとる守備隊形を取っていた。
それなのに、ケリーはボールを掴んだ瞬間に、一点を取られるのが怖くなってしまったようだ。
残念ながら、目先の一点を惜しんだ結果が、その後の大量失点に繋がった。
試合経験の少なさが、勝敗を分ける結果になってしまった。
試合後、この試合で先発をしたゼイドは、「WBC2017は、自分の野球人生において最高の経験だ」とつぶやいた。
他の選手たちも、まさか自分たちがここまで来れるとはと、この2週間を感謝の言葉とともに振り返っている。
WBC一次ラウンドが始まる前は、韓国でソウル観光を楽しんだイスラエル代表の選手たち。
日本では試合のない日も練習をして、まとまった観光はしていないようだ。
そんなイスラエル代表のリーダー格のC.デッカーの日本体験。
日本の印象がこれだけで終わらないように、どうか今日は観光する時間がありますように。
Ummmm, help!….#Tokyo pic.twitter.com/mKdZitW9ET
— Cody Decker (@Decker6) 2017年3月10日