お金の上手な使い方。お金の使い方を失敗するときは常に不安がそこにある
お金の使い方
お金の使い方の基本
お金は、どれだけ持っているかより、いかに使うかが大事である。
実は貯めることより上手に使うことの方が難しいのだ。
自分の中に不安があるときは、上手にお金を使うことができない。
例えばこういう不安だ。
手持ちのお金が少なくなることへの不安。
高価なものを身につけないと見下されるという不安。
現実への不安。
お金を使わないと嫌われるのではないかという不安。
不安があると、不安を紛らわすためにお金を使ってしまう。
しかしお金では不安は埋まらない。
そのため、際限なくお金で不安を埋め続けることとなる。
この延々と続く流れから抜け出すには、どういうお金の使い方をすればいいのだろうか。
不安とは
不安とは自信がないということ
不安があるということは、自分に自信がないということだ。
自信にもいろいろな種類があるが、ここでいう自信とは、「もし今持っているものを全て失っても、なんとかなる」と言い切れる自信である。
持っている物を失くし仕事も失い身一つになっても、なんとかなると思えるか。
根拠はいらない。
自分の存在に自信があれば、根拠なんて必要はない。
もし今自信がないのなら、この自信を持つために、お金を使っていこう。
自信があるなら、その自信を保つために、お金を使っていこう。
ただし、自信は、お金では買えない。
自信を失う時、持てる時
人が自信を持つ時は、どういうときだろうか。
例えば、隣にいるひとにやることなすこと否定され続けたら、どうなるだろうか。
何をやるにもビクビク怯えて、どんどん自信が無くなるだろう。
逆に自分を認めてくれる人が隣にいたらどうだろう。
何をやってもいいところを見つけて褒めてくれたら、どんどん自信が湧いてくる。
もしかしたら、過去に自分の自信を失わせるような人が近くにいたかもしれない。
その人の影響で、自分に自信が持てないまま、今に至っているかもしれない。
しかし、今、自分の一番近くにいるのは、自分だ。
24時間365日、休みなく自分の隣で自分に語りかけている。
その自分が、自分を否定していたら、自分に自信が持てるはずはない。
過去のことは、もう過去のことなのだ。
今、自分が自分を大切にすれば、自信は育まれていく。
自信が持てるお金の使い方
まずは自分
安いもの消費の人はもちろんそれ以外のタイプの人も、まずは自分を大切にするためにお金を使う。
自分を後回しにすることは止めて、自分を構ってあげることだ。
自分が快適に暮らすために、必要なものを揃える。
自分の価値観を表すものに、お金を使う。
見栄はり消費の人は、既に自分のためにお金を使っていると自分では思いがちだ。
でも買い物をするとき、自分としっかり対話ができているだろうか。
何かを買う時に、それを手にしてニヤついてしまう自分の姿が目に浮かぶだろうか。
人に見せびらかすことができなくても、ちゃんとニヤニヤできるだろうか。
もし人にケチをつけられても、「私はこれが好き」とずっと手元に置いて大事にできるだろうか。
まずはこうやって自分と対話することからだ。
使えばいいというものではない
ただ闇雲にお金を使えばいいというものではない。
自分を大切にすることとは、自分に必要なものと必要のないものを見極める目を養うということでもある。
自分に必要なものが分からなければ、自分に必要のないものを捨てるところから始めればいい。
捨てるのは物だけではない。
人間関係であっても時間の使い方であっても、今の自分に負担になっていることから距離を置くのも自分を大切にすることである。
何にお金を使っていいか分からなければ、使いたい時が来るまで貯めておけばいい。
お金を回して流れに乗りたいからといって、無理にお金を使う必要もない。
使えるお金には限りがある
実際のところ、使える金額には限りがある。
衣、食、住、仕事、趣味…自分を取り巻く分野の中で、自分が大事にしているところに集中して、自分を大切にするお金の使い方をするといい。
私は「食」だ。
お腹が空いたら、我慢せずにちゃんと食べ物を買うようにした。
とても食べてみたい興味深いものがあったら、試してみるようにした。
行ってみたいお店に積極的に足を運ぶようにした。
家で使う調味料は、昔ながらに丁寧に作られているものに順次変えていった。
次は「旅」だ。
どうしても行きたいところがあるのなら、行ってしまおう。
そのかわり、他の分野は最低限のことしかしていない。
不快になるものは手放すが、不快でなければ完璧から遠くても良いことにしている。
例えば仕事道具。
前はインクが引っかかる書きにくいペンであっても使い切るまで捨てることができなかったが、そういうものは全部捨てた。
今は、とても書きやすい某クレジットカード会社の社名が入っているものを使っている。
見た目はイマイチだが、不快になるほどではない。書くことにストレスはないので、妥協している。
お金を使うのが怖い場合
私はかつて、お金を使うことが怖くて、貯金に励んでいた。
「何があってもいいように、給与1ヶ月分は口座に入れておきましょう」と聞いて、1ヶ月分を貯めたけれど安心できなかった。
3ヶ月分貯めても、半年分貯めても、安心できなかった。
それどころか貯まったら貯まったで、日本に何かあって、このお金が紙くずになったらどうしようと考えもした。
国の成長が不安定だから安心できないと思い込んでいたが、実は私が不安に感じていたのは、日本の将来ではなく、自分の将来である。
お金がなくてもなんとかなるという自信があれば、日本がどうなったって生き延びていける。
自分の将来を信用していなかったので、いくらお金があっても不安が埋まらなかったのだ。
それなら、将来が不安だからとお金を溜め込むのではなく、自分の将来に信用を持つためのお金の使い方をすればよかったのだ。
お金がなくなることが不安で、自分の学びにお金を使うことさえ躊躇っていたが、本末転倒だった。
他の人へはその次に
自分を大切にしたその後に
まずは自分のためにお金を使うことに抵抗を感じる人は多いだろう。
周囲の人へが先ではないの?という疑問は当然だ。
でも、まず自分からだ。
私の場合、自分のためにお金を使うことに罪悪感があったが、いつのまにか抵抗がなくなった。
そうしたら、周囲の人への感謝の気持ちが義理や義務ではなく、自然に心の中に湧き出るようになった。
自分を大切にして自分が満たされると、他の人のをありのままの姿が分かるようになった。
自分が不足を感じているうちは、相手に自分の不足を埋めてもらうことを願ってしまっていたのだ。
自分という人間が大切なことがわかったら、他の人も同じように大切な人間だということがお腹の底からわかってきた。
自分で自分を大切にできていないときは、他の人に大切にされないことで不安定になっていた。
身近な人にもっと私を大切にしてほしいと八つ当たりをすることもあった。
でもそうではない。
私のことを目に見える形で大切にしてくれる人も、そうではない人も、皆必要な大切な人だった。
この段階を経て、ようやく自分のことだけではなく、大切な人に思いを込めてお金を流すことに考えが至るようになってきた。
時間が掛かったし、不義理もたくさんしたけれど、必要な段階だった。
この回り道をしないと、周囲の人に余計な気を使いすぎる変なお金の使い方をしただろう。
まずは自分が満たされてからだったのだ。