ない?ある?どちらにフォーカスするかで目標逆算型か積上型が決まる
どちらがより頑張れる?
世の中には、目標逆算型で人生が上手くいく人と積上型で上手くいく人がいる。
エンジニアリングとブリコラージュという言葉を当てはめると、それぞれに合うタイプが見えてくる。
エンジニアリングとブリコラージュ
エンジニアリングとブリコラージュという言葉がある。
それぞれ、こういった意味である。
・エンジニアリング:理論や設計図に基づいて物を作ること
・ブリコラージュ:その場で手に入るものを寄せ集め、それらで何が作れるか試行錯誤しながら、物を作ること
この両者が食事を作ると、こうなる。
・エンジニアリング:まずメニューを決め、レシピを見て必要な材料を買い求め、作る。
・ブリコラージュ:冷蔵庫の中の物を見て、あるもので作れるものを作る。
計画通りに物事を進めようとするのがエンジニアリングで、偶然の要素に左右されるのがブリコラージュともいえる。
目標逆算型と積上型
以前、目標を決めてそれに向けて頑張れる人を目標逆算型、目標が決められずに一つ一つの経験を積み重ねて進む人を積上型、と呼んで記事を書いたことがあったが、これがそのままエンジニアリングとブリコラージュに当てはまる。
10年後の成りたい姿を決め、今の自分に足りないものを把握し、それを身に付けることで目標に到達する目標逆算型は、エンジニアリング的な生き方だ。
一方、心に浮かぶワクワクを一つ一つ行うことで、思いもよらない経験を積んでいく積上型は、ブリコラージュ的な生き方である。
それぞれの特性
両者の違い
目標逆算型と積上型を、エンジニアリングとブリコラージュの考え方で見ると、こういうことが分かる。
目標逆算型:ゴールを決め、そのゴールと今を比較し、足りないものを埋めていく
積上型:今あるものを棚卸しし、今あるものによって新しいものを生みだす
つまり、「足りないもの」にフォーカスするのが目標逆算型で、「既にあるもの」にフォーカスするのが積上型なのだ。
それぞれに合うタイプ
これは、どちらがいい悪いということではない。
自分が頑張れるのはどちらであるかということだ。
自分に無いものを知り、それを獲得しようと考えることで頑張れる人がいる。
逆に、自分に無いものを知ることで、「ああ、自分はダメな人間だ。こんな自分なんて…。」と落ち込んでしまう人もいる。
自分にあるものを知ることで、満足してしまって動けなくなる人がいる。
逆に、自分にあるものを知ることで、「自分は結構いけるかもしれない。もう少し頑張ろう」と思う人もいる。
自分に足りないものを獲得することに燃えるタイプなら、目標逆算型、エンジニアリング型の生き方が合っている。
自分に足りないものを知ることで落ち込んでしまうタイプなら、積上型、ブリコラージュ型の生き方があっている。
もちろん、目標逆算型の人が、今あるものをないがしろにしている訳ではない。
積上型の人が、現状を死守したいと思っている訳でも無い。
ただ、「無い」と「ある」とどちらにフォーカスした方が、より力が湧いてくるか、それだけの違いである。
それぞれに合う目指すもの
自分のタイプが分かったからといって、それに固執する必要もない。
目指すものによって向き不向きはあるので、使い分ければいいのだ。
例えば、「試験に合格する」というように、目標が具体的で明確であれば、目標逆算型の取り組みが合っている。
試験に合格するために足りないものを明確にし、その足りないものを埋めることが必要だからだ。
しかし、「今より給料のいい会社に転職する」というように対象が漠然としているのならば、今あるスキルと経験を棚卸しして、それを自分の価値として言語化し、その価値を高く評価してくれる会社を探した方がいい。
同じ転職活動でも、「株式会社◯◯の営業職として転職する」というように目標が具体的なら、目標逆算型で取り組んだ方がいいだろう。
また、目標が明確でないけれど、何かを始めたい場合。
目標逆算型で考えると目標を描き出すまでは足が止まりがちになるが、積上型であれば、まずは動き出して、動きながら軌道を修正することができる。
ここで具体的な目標が見つかれば目標逆算型に移行すればいいし、目標が見つからなくても、ただ動いているだけで思いもよらない素敵な目的地にたどり着くこともある。
大切なのは
まず大切なのは、自分に合う生き方のベースを見つけることだ。
誰かがいいと言っていたからといって、自分に合わないものを無理に取り込む必要はない。
得意な生き方が違うからといって、落ち込む必要もない。
かといって、違う考え方を拒絶する必要もない。
状況に応じて、いいとこ取りをすれば良いのだ。
エンジニアリングとブリコラージュ。
どちらも素敵な生き方なのだ。
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