モチベーションの源泉となる報酬の四領域と自分の成長の関係
モチベーションの源泉となる「報酬」
仕事をするときの「報酬」を意識したことはあるだろうか。
ここでいう「報酬」とは、給与といった金銭的なものだけを指すのではない。
乱暴に言えば「見返り」という言葉がより近いかもしれない。
いいえ、私は見返りなんて求めてません!奉仕の心で仕事をしています!という人であっても、相手に「ありがとう」と微笑んでもらったら、疲れがふっとぶほど満たされるだろう。
その場合は、その「ありがとう」が報酬にあたる。
自分が仕事をするとき、そのモチベーションの源泉となる「報酬」が何かを意識したことがあるだろうか?
報酬の4つの種類
モチベーションの源泉となる「報酬」は、4つのカテゴリーに分けることができる。
自分軸と他人軸。目に見えるものと目に見えないもの。
これらの組み合わせによる分類だ。
それぞれどのようなものが該当するかは、下記の図を参考にして欲しい。
自分のモチベーションはどこ?
この4つのカテゴリーのうち、自分のモチベーションはどこにあると感じているだろうか。
また、成果はどれくらい出ているだろうか。
この図は私の場合だ。
矢印の太さがモチベーションの強さを、矢印の長さが成果を表している。
いい人ぶっているようだが、私は自分の部下の給与が上がるのが嬉しい。(他人×目に見える)
そして、仕事によってスキルが上がるのも楽しい。(自分×目に見えない)
この2つが、私のモチベーションの源泉となっていた。
ついでにといってはなんだが、部下は給与が上がると成長する。メンバーが成長すると課の業績も上がる(他人×目に見えない)
これもありがたく、嬉しいことである。
ところが、課の業績が上がると、私にも昇進の話が来るし、給与も上がる(自分×目に見える)のだが、私はどうもこれが苦手だ。
これまで昇進の話は断れるときは断って来た。
昇進すると、これまで以上に会社に忠誠を求められる気がして、億劫だったのだ。
そして給与が上がると、これまで以上に仕事をしなければいけないという重いプレッシャーを感じるのだ。
昇進や昇給には罪悪感と呼んでいいほどのためらいがある。
この「自分×目に見える」に関しては、モチベーションはマイナスかもしれない。
成果の四角
この成果を表す矢印の頂点を結んだ四角が、今の私の実力と言える。
図で表すとこうなる。
この四角を大きくすることが、その人の成長である。
私は、この四角を大きくしたいと考えている。
今、私は自分の直属の部下の給与を上げることしかできないが、私が査定しない人でも給与も上がったら嬉しいだろう。
もしくはこのブログを読んでくれた方が、ブログから何かヒントを得てスキルアップに繋げてくれたら、とても嬉しい。
自分の影響範囲を広げることができたら、とても光栄だろう。
でも、それはなかなかうまくいかなかった。
四角を大きくするにあたって大切なのはバランス
四角を大きくするにあたって、大切なことがあった。
この四角の四つの頂点には密接な関係がある。
四つの頂点は全てが繋がっているものなので、いびつなまま大きくなるには限度があるのだ。
自分の給与や地位を上げることだけに目が行って、他者貢献の視点がないと、その人の成長はやがて止まる。
目に見える報酬にばかり気が取られて、目に見えない部分の成長をないがしろにすると、やはり成長は止まる。
そして、同じように、自分の報酬や地位をあげたくない私の成長も止まっていた。
私の場合、「自分×目に見える」の範囲を広げることに罪悪感があった。
ここを大きくしないように願うマイナスの力が働いていたのだ。
そうすると、他の3つの分野を大きくしようとしても、このマイナスの力に影響されて大きくならない。
もし四角を大きくしたいなら、四つの頂点の全てを大きく広げるように意識を変えなければいけないのだ。
成長すると言うこと
モチベーションの源泉は人それぞれだ。
自分自身なのか、他者貢献なのか、どちらにより興味が湧くかも人それぞれだ。
しかし、どちらかだけが成長するということはない。
自分が成長すれば、それは周囲の人にも影響を与える。
周囲の人が成長すれば、それは自分自身にも返ってくる。
自分の成長に行き詰まりを感じた時、自分の視点がどこに向いているか意識してみるといい。
これまで自分のことが中心だったら、それをどうすれば他者貢献に活かせるかを意識する。
他者が中心で自分に注目するのに後ろめたさがあるなら、自分を成長させないと今以上の他者貢献ができないことを認識する。
四つの領域をバランスよく広げることが、真の成長なのだ。