新橋・美の。絶品の和食コースと日本酒が奇跡のお値段で楽しめる噂の名店
噂を聞いて、行ってみたいと思ったお店はあちこちにある。
すぐ行けるお店は行くけれど、なかなか行くタイミングがないまま「行きたいお店メモ」に残っているお店もいくつかある。
行くタイミングがなかなかこない理由。
・高くて気軽に行けない
・雰囲気的に特別なときに行きたい
・場所がかなり生活圏外
・予約が取れない
このお店も、「行きたいお店メモ」にずっと書いてあったお店。
場所は新橋なので生活圏から離れてはいないが、なかなか来れずにいた。
というのも、新橋で飲むときは大人数になることが多いのだが、このお店は少人数で穏やかに酒を酌み交わす方が似合う。
しかも予約がなかなか取れない。
そんなお店の予約が取れたとなれば、たとえ仕事上でトラブルが起きたとしても、万難を排して駆けつけるしかない。
美の
新橋駅から大門駅方面にてくてく歩く。
賑やかなエリアを抜けて、こっちでいいの?と不安になりかけるタイミングで、お店はある。
入っていいのか躊躇う入り口だ。
この値段でこの料理!
カウンター席に通してもらって、まず一杯。
今月のオススメと書かれたメニューの中から岩手のお酒を選んだ。
この日本酒、赤武が、とても美味しい!
もともと岩手県大槌町にあった赤武酒造のお酒で、この日飲んだのは雄町で仕込まれたもの。
震災で壊滅状態にあった赤武酒造が盛岡に場所を移し、若い長男が頑張っているのだそうで、久々に私の好みにどストライクの日本酒に出会ってテンションが上がる。
友人が頼んだ「琥珀の時間」というビールは、本当に琥珀色!
お料理はコース一種類のみ。
なので、黙っていても、運ばれてくる。
トップバッターは、名物、美の豆腐。
豆腐といえどもコクがあって、クリームチーズの方が感触として近い。
揚げかぼちゃの玉ねぎ酢。
洋風にいうと、カボチャのマリネ。
お酢とカボチャって合うんだなあ。
お造り三種。
炙られたシマアジ、真鯛、すだちの香りが移った水ダコ。
醤油はもちろん、皿に置かれたヒマラヤの岩塩も美味しい。
ハマチの塩焼き。
ぱりっと焼き上げられた表面と、たっぷり載った脂でとろっとした内側。
至福。
今月のオススメ日本酒は雄町米で揃えたということで、高知の土佐しらぎくを造る仙頭酒造さんのお酒、美潮。
日本酒の定番メニューもあるが、オススメ酒は個性豊かで楽しい。
トウモロコシの冷製スープ。
ナスとトマトが添えられた鱧の揚げだし。
出汁の味に癒される。
豚の角煮の胡麻味噌かけ。
豚肉が柔らかい!
胡麻味噌は優しい香りで主張しすぎない。
洋酒で香りがつけられたイチジクが口直しにぴったりだ。
食後の締めは、土鍋ご飯。
8月のご飯は、なんと松茸ご飯!
お椀と共にいただくと、すっかりお腹がいっぱいになった。
別メニューでデザートもあったのだが、手が伸びないほどお腹がいっぱいだった。
感想
このお店を訪れた人が皆ありえないコストパフォーマンスと言うのがよくわかった。
この一連のコース、なんと3800円(税抜)なのだ。
日本酒は一合1000〜1300円、半合でも注文できて550円から。
この味と雰囲気に対して、この値段は感激!
コストを抑える工夫はあちこちに伺える。
メニューは基本的に1ヶ月間同じ。
ブランド銘柄や高級食材は使っていない。
しかし、食材を、丁寧に調理して、持ち味を最大限に引き出している。
高級食材を雑に扱って普通の料理にする店よりも、食材を丁寧に扱って美味しいものに仕上げている料理の方が美味しいのは当たり前だろう。
そしてお店の方の距離感も程よく、居心地がとてもいい。
このお店の予約が取れない理由がよくわかった。
お店情報
美の (よしの)
東京都港区新橋5-9-5 NTビル 1F
03-5733-1853
営業時間:17:00~22:00
定休日:年末・年始