浅草、米久本店で牛鍋の上とトクとを食べ比べ
この一年、自宅のある台東区から外に出ることがほとんど無くなってしまった。
外食するときも台東区内が多い。
言い換えると、かつてはわざわざ家の近くで外食をする気になれなかった。
家の近くで食べるくらいなら、家で食べよう、と思っていたのだ。
だけど、ずっと家で食べていると飽きる。
他の人が作ったご飯を食べたい。
というわけで、前から気になっていたけれど行かずにいた浅草の牛鍋屋さんに行ってきた。
米久
米久は、浅草駅から徒歩10分。
明治時代に創業の老舗の牛鍋屋だ。
牛鍋と言うが、すき焼きのこと。
浅草には高級なすき焼き屋がいくつもあるが、米久はメニューが牛鍋一種類という潔さと引き換えに、上質なお肉がリーズナブルに楽しめるという噂である。
入り口の高さがなんとなく低く感じられ、年季が入っていると感じさせられる。
入店と同時に、太鼓を叩かれ、びっくりした。
牛鍋、堪能
平日の13時過ぎに伺ったのだが、店内に他のお客さんはいなかった。
観光客が減った影響が出ているようだ。
メニューは、牛鍋一択なので迷いようがないが、肉が上とトクの2種類ある。
一瞬悩んだが、これは両方食べるしかないだろう。
机にはすき焼き鍋(ここは牛鍋というべきか?)がセットされている。
しばし待っていると、牛肉、野菜類、生卵、牛肉の佃煮(ビールを頼んだからお通しかもしれない)、白ごはん(別料金)が登場!
肉はまず、上から。
きれいな赤身だ。
最初の一回目は、お店の方が調理してくれた。
(常にやってくれるのか、他にお客さんがいなかったからなのかは不明)
肉の色が変わり切る直前に、食べる。
美味しい!
私は両親が九州で、夫も関西なので、すき焼きといえば関西風しか知らない。
関東風のすき焼きが珍しく感じる。
最初に肉だけを焼いて食べる関西風は肉を美味しく食べられるが、作る側からいうと、関東風の方が腰を据えて楽しく食べられる。
続いて、お肉のトクだ。
(たぶん「特」なのだと思うが、メニューがカタカナ表記なのでここでも「トク」と書く)、
なんというサシの入り具合!
上とトクでは600円の差があるが、その差が一目瞭然だ。
ふわっととろける口当たり。
脂の旨味を存分に味わえる。
この年令になると「美味しいものを少しだけ」が身体に優しいが、まさにその言葉がピッタリなお肉だ。
感想
上で3160円、トクで3790円と、ちんやや今半などの浅草の高級店と比べると半額近くのリーズナブルさではあるが、牛肉の美味しさを堪能できた。
高級店だと2時間くらい掛けての宴会仕様というイメージがあるが、米久さんはゆっくりしたつもりでも1時間くらいで食べ終わるお手軽さ。
こうやって、さくっと食べて飲んで、さっと撤収というのが浅草の粋なのかもしれないと思わせてくれる店だった。
お店情報
米久本店 (よねきゅうほんてん)
東京都台東区浅草2-17-10
03-3841-6416
営業時間:12:00~21:00(L.O.20:00)
定休日:水曜日