独りよがりと依存しすぎのベストなバランスは、他人の手3割・自分の手7割。
他人の手3割、自分の手7割
ある日、美しい人が私に言った。
「あなた、エステとか行ったことないでしょ。美しくなるには他人の手3割、自分の手7割が必要よ。」
キョトンとする私に説明してくれた。
100%他人に任せっきりにするのはダメ。自分のことは自分がわかっていなくっちゃ。
でも100%自分でするのもダメ。客観性が無い独りよがりは、それも自分のことがわかっていないってことなの。
3割の助言と、7割の努力、このバランスを忘れないで。
これは、美に限らず、他のことにも通じると思った。
セミナー荒らし
セミナーや勉強会に出席すると、こう言う人によく会う。
「この講座を受講して、講師の言われた通りのことをすれば、自分も素晴らしい人生が送れるようになる!」
そういう人は、こうも言う。
「この前行った○○さんの講座は、抽象論ばかり話して具体的な話が一つもなかった。こっちは何をやればいいか知りたいだけなのに」
「△△さんのセミナーに行って言われた通りにやったけど全然効果なかった。あいつは詐欺だ!」
そしていくつものセミナーを渡り歩いては文句を言いまくる。
こういう人が、100%他人に任せきりの人だ。
独りよがり
100%他人に任せきりの人がいる一方で、独学で頑張る人もいる。
自分で本を読み、ネットで検索し、情報を集める。
その代わり、人の意見は全く聞かない。
誰かに「こうしたほうがいいんじゃない?」と言われても「私のこと、よく知らないくせに」や「俺に一番ふさわしいのは俺がわかっているから」と頭から無視して、それが何かを知ろうともしない。
こういう人は、100%独りよがりの人だ。
私の場合
上では大げさに書いたけれど、100%まではいかなくても、90%くらいどちらかに片寄っている人はいるだろう。
私は、後者の独りよがりタイプだ。
特に20代の頃までは100%に近かった。
そもそも自分の弱みや悩みを人に話すことができなかったので、アドバイスをもらう機会が極端に少なかった。
それなのに、そのたまにもらえるアドバイスでさえ、自分の弱みを指摘された恥ずかしさと腹立たしさで耳に入ってこなかった。
変わったきっかけ
社会に出て、一人ではどうにもできないことが増えて、少しずつ人の話を聞くようになってきたけれど、まだ90%はあったと思う。
心の底から、これではダメだと思えたのは、数年前のことだ。
もう自分ではどうにもならないところまで追い詰められてからだ。
ブラック企業にはまってしまって、判断力を失い、視野が狭くなっていた。
それを自分では気づいていなかった。
私を救ってくれたのは、先輩や友人だ。
当時のことはこの記事『「死ぬくらいなら辞めたら」と言わないで』に書いたので詳細は省くが、自分のことは自分が一番よく知っている、という思い込みが根っこの部分から壊された出来事だった。
どうすればいいか
冒頭の美しい人の発言に戻るが、他人任せと独りよがりの間のベストなバランスは、3:7ということだ。
とはいえ厳密に比率を測るのは不可能だ。
10個助言を聞いたら3個だけ取り入れる、というのも全く違う。
大切なのは、「自分の頭で考えた自分の意見を大切にする」ことが7割、つまり半分を超えているということである。
自分の行動や考えの舵は、自分がしっかり握っている必要があるのだ。
その舵から手を離さずに、周囲の意見を聞くということが、大切なのだ。
よりよいバランス
元千葉ロッテマリーンズの里崎智也はこう言っている。
[box class=”box2″]コーチの言うことがいつも正しいわけではないです。でも、コーチの指示を実践するかどうか選ぶのは自分。やってダメなことは捨てていけばいいだけ。こだわりの強い人は試すことすらしません。それで成功するなら、自分を貫き通すのも自由ですが、リスクは高いですよ。とりあえずやってみることが重要なんです。
https://next.rikunabi.com/journal/20160510/
[/box]
まさにこれである。
周囲の人に素直に助言を求める。
アドバイスをもらったら、まずは試す。
試して、自分に合わなかったら、捨てる。
一部分だけ取り入れて、一部分は捨てるのもありだ。
論外の考え方
こう考えると、「この前行った○○さんの講座は、抽象論ばかり話して具体的な話が一つもなかった。こっちは何をやればいいか知りたいだけなのに」というのは、最初から何をするかを自分で判断する気がないから論外のセリフだということがわかる。
「△△さんのセミナーに行って言われた通りにやったけど全然効果なかった。あいつは詐欺だ!」というのは、効果がないなら捨てればいいだけなのに、それを恨みに持つ時点で論外なことがわかる。
そしてかつての私のような他人の意見を受け入れないのも、自分の狭い視野から外に出ようとしていない時点で論外である。
自らが行うべき7割
誰かからアドバイスを受ける。
捨てる部分と取り入れる部分の判断をするのは自分。
取り入れるとなったら、その後、継続の努力をするのも自分。
ここは他人に任せてはいけない。
自らが行うべき、「7割」はここにある。
参考図書
里崎智也が書いたビジネス書。
里崎は元プロ野球選手であるが、ビジネスマンにも通じる視点を持っている。
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