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ナベノイズム。浅草でミシュランと下町が融合した!

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そのお店がオープンした時から、一度は行ってみたいと思っていた。
恵比寿のジョエル・ロブション元総料理長である渡辺雄一郎氏が浅草に自分の名前を冠したレストランを開いたと聞いて、とても興味がわいたのだ。

とはいえ、ランチは1万円のコースのみ、ディナーは2万円のコースのみ、という選択の余地ない値段設定の前に立ちすくみ、開店から1年間、足を踏み入れることができずにいた。

しかし、指をくわえて見ているだけでは、何も生まれない。
思い切って自分の誕生日にかこつけて、予約の電話を掛けてみた。

ディナーではなくランチだ。
 

ナベノイズム

浅草駅から浅草寺とは反対側に歩くこと数分。喧騒から離れた静かな場所にお店はあった。
佇まいはさりげなく、気をつけないと通り過ぎてしまいそうだ。
ガラス扉の奥にスタッフが待機しており、目があうと同時にドアを開けて招き入れてくれた。

事前に予約の電話で「何かの記念日ですか?」と聞かれたとき、ずうずうしくも「私の誕生日なのです!」と宣言したせいか、3階の大きな窓際のカウンターという、とても眺めのいい席を用意していただいた。
実際はこの日は誕生日当日ではないのだが、数日の差なら許してくれるだろう。
この日は天気が良く、スカイツリーもアサヒビールの金色のアレもくっきりと見える。
広々とした眺めに、ゆったりとした気分になる。

 

これがナベノイズムだ

食前酒にお願いしたグラスシャンパンはHenriotだった。
とても上品な美味しさに驚いて、銘柄をこっそりメモする。

そして前菜が運ばれてきた。
御徒町の大心堂の雷おこしに、バターとアンチョビと酢漬けの青唐辛子を載せたもの。
駒形の種亀の最中の皮にクリームチーズとアーモンドと黒豆と塩昆布を載せ、ラベンダーを添えたもの。
オリーブの中にオレンジのシロップ漬けを入れ、クミンをアクセントに添えたもの。
マンゴーとパイナップルのガスパチョ。
文字だけでは、どんな味か想像つかない料理がまとめて現れて、驚く。
驚きすぎて、食べる前に写真を撮り忘れてしまった。
こちらは食べかけの一枚。

パンとバターとオリーブオイルが登場。
ちなみにパンとバターは2人分。
パンは皮はパリパリだけど口の中を怪我するような攻撃的なパリパリではなく、安心して食べられる。
粉の香りがとても良く、中はもちもちしていて、パンだけでもいくらでも食べてしまいそうになる。

続いて、そばがき。
フレンチでそばがきと驚いたが、誇らしげにウニを載せている姿にもっと驚いた。
そばがきといっても、蕎麦粉にバターを加えて練ってあり、フレンチに歩み寄っている。
昆布のジュレがかかり、塩ウニとおろしたてのワサビと芽ネギが美しさを際立たせる。
スプーンにはサワークリームがのり、そばがきと一緒に食べる。

和歌山の鮎。
添えられているのは、アユの内蔵や骨で作ったパテに芥子と山椒を載せたもの。
花丸胡瓜は愛らしい花をつけ、円筒型に整えられた小松菜とキュウリもかわいらしい。

ここで出されたお箸が、まさかの宮内庁御用達。
桐でできているのかと疑いたくなるほど軽くて使いやすい割箸で、箸袋の言葉に甘えて持ち帰ることに。

そして、クスクス。
蓋付き容器に入ったタージーンに自分でクスクスを投入して完成させる。
タージーンの中は、オクラ、黄色と緑のズッキーニ、豆、さやいんげん、パクチー、山椒の葉、ライム、マイクロトマトと具沢山。
クスクスに載せられたプリプリのイカの甘みと、スパイスの効いたタージーンも相性が良くて美味しい。


いよいよメインディッシュ!
メインは3種類から選べるが、ここは奮発して+2000円の、
「国産牛フィレ肉をV.C.C.調理から備長炭でグリエ、東京柚子胡椒と生姜をぬり、トウモロコシの様々な表現、テイスト、テクスチャーと共にバーボンウイスキーと焦がしトウモロコシのコンソメアンフージョンを注いで」
という、一度耳で聞いただけでは全く理解できないものを選んだ。
焼きとうもろこしで香りをつけた牛スジのコンソメに、焼きとうもろこし、とうもろこしのピューレ、ポップコーン、ヤングコーン、とうもろこしの揚げニョッキが添えられるという、トウモロコシ好きにはたまらない料理だ。
アクセントに山椒のパウダーと揚げたとうもろこしのヒゲが使われているところも徹底している。

まずはこれ


そこにコンソメを注いで


こうなる

デザートに移る前に、バースデープレートを出していただいた。
ところで、この薄い飴でできた中が空洞の球体。
これが、子供の頃、ドラえもんでのび太が食べていた未来のお菓子にそっくりなのだ!
小さい頃、食べてみたいなあと憧れていたものが目の前に出てきて、心底驚いた。
そう思って食べると、例えただの飴だと言われようとも、未来の味がするのである。

これが未来のお菓子だ!

さて、コースに戻る。
デザート一皿目は、凍らせたブドウだった。
巨峰のコンポートと凍らせたデラウェアに、ライムと生姜のジュレ。
そしてそこに、ぶどうのかき氷がたっぷり掛かる、夏が始まることを五感で味わえるデザートだ。

目の前で氷が削られる


見た目も涼しげ 味も涼しげ

デザート二皿目は、クレームダンジュというチーズの香るふわふわしたお菓子に、レモングラスのアイス。

そして焼き菓子。
中はチョコレートで外は抹茶のマジパンのクッサンドリヨン。
黒ごまのマカロンは、中はチョコレートで、やげん掘の七味がきいて後味ピリリとする。
そしてコーヒーの生キャラメルだ。

コーヒーと紅茶の他にハーブティーも選ぶことができた。
フレッシュハーブティーなので、香りがとてもいい。

 

感想

気持ちのいい空間で、気持ちのいいスタッフの方とお話をしながら、言うまでもなく美味しい料理を2時間たっぷりと楽しんだ。
優雅な時間を味わえる気持ちのいい午後だった。

開店から1年経たないうちにミシュラン一つ星を獲得した店だが、下町の素材をあちこちに使っていて、「ああ、知ってるアレがこうなるのか!」という、近所の子供が立派な大人になって現れたような感動がある。

ちなみに、気になるお値段は、2人で1万円のランチコースをとり、グラスシャンパンを1杯ずつとり、1人がメインを+2000円のをとって、ほぼ3万円だった。
 

お店紹介

ナベノイズム
東京都台東区駒形2-1-17
03-5246-4056(完全予約制)
定休日:月、毎月第4火曜日
営業時間:12:00~15:00、18:00~23:00(日曜はランチのみ)

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