心のこと

心を動かす言葉のチカラ。言葉の力が"やれる気"を産む。

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やれる気

「"やれる気"心を動かす言葉のチカラ」というトークライブに行ってきた。

"やる気"という言葉はよく聞くけれど、"やれる気"とは何だろう。
「やってみよう」と思うのが、やる気。
「自分ならやれる!」と力が湧き出るのが、やれる気。
やる気から一歩進んでパワーになるのが、やれる気である。
 

心に残った言葉

第1部のゲスト、競泳オリンピック選手の萩原智子さん、伊藤華英さんの話も、第2部の4名のスポーツ実況アナウンサーの話も、心に残るものだった。
 

積み上げたものは0にならない

シドニーオリンピックで、ほんのわずかな差で4位に終わった萩原智子さんは、ずっと「メダルが取れなかった」という事実を消化できずにいたらしい。
オリンピック後、10年も、ずっともやもやしたものを抱えていた。

そのことを一緒にシドニーオリンピックに出場した北島康介さんに打ち明けたところ、返ってきた言葉が「自分のことを褒めてあげて。がんばったじゃない」。
それを聞いて、「メダルは取れなかったとしても、積み上げてきたものが0になった訳ではないんだ」と、本当に前を向くことができたそうだ。
 

どんなに頑張っても、望む結果が得られなかった場合、頑張った分だけ、むなしさが募る。
あの頑張りが全部無駄になってしまったと、費やした時間さえ恨めしくなることもある。
でも、違う。
望む結果が得られなくても、自分の中に積み上がったものは消えはしない。
その経験は、違うところで違う形になって、現れるのだ。
 

新人もベテランも同じ

スポーツキャスターの有馬隼人さんが新人だった頃、ダイエーホークスの取材に行ったときの話だ。
王貞治監督にインタビューしたいが、たくさんのベテランのキャスターやメディアの取材が囲んでいて、近づくことすらできない。
王監督の顔を見つめて、必死に話しかけようとしたが、話を聞くことができなかった。

試合直前。球場裏にいたときに、そこを王監督が通りかかった。
王監督は「話したいことがあるんだろう?そこで待っていて」と言い残し、グラウンドへ向かった。
「え?」と訳が分からないまま待っていた有馬さん。
言葉通り、王監督が戻ってきて、話をしてくれたそうだ。

「こんな新人のために、試合前の貴重なお時間をありがとうございます。」と挨拶した有馬さんに王監督が返した言葉はこうだった。
「新人でもベテランでも同じ。一人の人間がやってる仕事だから。」
 

この言葉は、いろいろなシチュエーションで当てはまる。
王監督のように、仕事相手が新人だろうとベテランだろうと同じに扱う、というのも1つだ。
逆に、自分が新人の立場のときに、「新人だから」と遠慮したり引け目を感じたり、もしくは甘えたりせずに、ベテランたちと同じ人間として胸を張って仕事をしよう、とも受け止められる。
仕事という舞台に立つ以上、新人もベテランも関係ないのだ。
 

花を咲かせる土になりたい

日本テレビの鈴木健さんが、高校サッカーの取材で滝川第二高校を訪ねた。
有名選手たちの取材を終えてグラウンドを見ると、黙々と整備している一人の少年がいたそうだ。
タケベです、と名乗ったその補欠の少年に話を聞いたとき、彼がこう言ったそうだ。
「僕は花を咲かせる土になりたい」
 

どうしても人の目は、鮮やかに咲く花に向く。
でも、どんな花であれ、土が栄養を送り、根を支えているのだ。
土がなければ、花は咲かない。
もしも花になれなかったとしても、土の存在も重要で尊いのだ。
 

トークライブについて

心が揺り動かされる話をたくさん聞けたが、たくさん笑ったイベントでもあった。

特に、野球好きの私にとっては、第2部の実況アナの揃い踏みは大盛り上がり。
ニッポン放送の松本秀夫アナウンサーが「ニッポン放送ショウアップナイター!」と叫んでくださって、仙台にいながら必死にニッポン放送にチューナーを合わせていた高校生の自分が蘇った。
GAORAの近藤祐司さんの「It's goooone----ぬ!」は、生で聞くとさすがの迫力。
普段テレビやラジオで野球のことを伝えてくれている声が、全く野球に関係ない話をしているだけで面白い。

そして、第3部の山田雅人さんの「高橋尚子物語」というかたり芸。
椅子に座り、マイク一本で物語を鮮やかに描き出す様子にすっかり引き込まれた。
間の取り方、言葉の使い方、スピードの緩急。どれも素晴らしくて、私もこういう文章を書けるようになりたいと思った。
 

選手も、選手の動きを伝える実況も、試合終了後に語り伝える「かたり」も、それぞれの方法で、各々の物語を伝えていく。
その過程で、それぞれが"やれる気"を模索し、誰かの言葉に力をもらう。
例えばオリンピック選手は私にとって遠い存在のようにも感じるけれど、誰かに伝える力がさざ波のように響き合い、遠いところまで届くような、そんなことがあるだろうなと、そんなことを感じた。

私の声は小さくても、もしかしたら形を変えて遠くの誰かに届くかもしれない。
私の"やれる気"を勇気づけてくれた、そんな夜だった。

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