吉葉。両国で本物の土俵を見ながらちゃんこ鍋を食す
前から行きたかったちゃんこ屋の予約が取れた。
しかも大相撲の場所中にだ。
小躍りして向かった。
両国は夜の6時。
国技館から大勢の人が出てくる。
そこから何人か、駅とは逆の方向に向かう人がいる。
私もその流れに乗って歩く。
皆、目的地は同じようだ。
てくてく歩いて、吉葉についた。
両国駅から徒歩12分。
立地がいいとは言えないが、それでも行きたいお店なのだ。
割烹 吉葉
旧宮城野部屋の建物を改築して作られたこのお店。
総檜造りの立派な建物だ。
こちらのお店に来るならば、絶対土俵脇の席がいい。
「コース料理を予約していただくことになりますが、1階の土俵脇がご用意できます。席のみの予約なら2階になります」
まさか場所中に土俵脇が取れると思っていなかったので大喜びだ。
楽しいひと時
土俵脇の席に着く。
のぼりに見立てた箸袋と土俵に見立てたコースターが気持ちをさらに盛りたててくれる。
箸置きもかわいい。
先付け。
豪快な姿盛り。これで2人前。
土俵上では津軽三味線の演奏が始まった。
津軽じょんがら節を久しぶりにフルコーラスで聞いて、思わず涙がこぼれた。
驚いたのは、その後だ。
三味線の奏者が引き上げるとき、そうっと、そして素早く、客席から現金が渡されるのだ。
「これがおひねり文化か!」
視界の片隅を横切る現金。
さりげなく渡すための修行を積んだのかと思わせる動きに目を見張った。
焼き物。
揚げ物。
酢の物。
元力士による相撲甚句が始まるようだ。
相撲甚句は歌詞をよく聞くと、誰かの人となりを唄っていたり、物語になっていたり、そのときどきの状況を盛り込んでいたりで面白い。
ところで、入場の時に割り箸の束を持っていたのが気になっていた。
そして、客が手を伸ばし、割り箸を持っていく。
各席に割り箸はあるのにどうしてだろう?と思っていたが、徐々に理由が見えてきた。
割り箸は、おひねり用なのだ!
甚句が始まると、割り箸にお札を挟んだものを手にした人たちが続々と土俵を訪れ、帯に刺していく。
おひねりを渡すと番付表が貰えるのだが、番付表目当てにおひねりを渡す訳ではないだろう。
メインのちゃんこ鍋がやってきた。
覗いてみると具沢山である。
待つこと数分で完成。
普通の居酒屋で供される鍋とは違い、この鍋だけでもお腹がいっぱいになりそうなボリュームだ。
たくさんの種類の具が入っているので、極めて美味しい出汁が出ている。
締めはうどんか雑炊かの選択。
雑炊を選んだ。
最後に水菓子が出て、相当満腹。
感想
楽しかった。
美味しくもあるが、それよりもこの雰囲気が楽しかった。
そして「世界が違う」というのを感じた。
現金が動くのを見ながらご飯を食べたのは初めてだ。
この日見たのは青いお札がほとんどだったが、バブル景気にでもなれば茶色いお札が飛び交うのだろうなとふと思った。
朝9時から両国国技館で相撲を見て、夜はここでご飯を食べる。
そんな1日を過ごしてみたい。
お店情報
吉葉 (よしば)
東京都墨田区横網2-14-5
03-3623-4480
営業時間:
[月~土]11:30~14:00(L.O.13:30) 17:00~22:00(L.O.21:10)
[東京場所中の日・祝] 17:00~22:00(L.O.21:10)
定休日:日曜・祝日(除:東京場所中)、ゴールデンウィーク、盆、年末年始
https://tabelog.com/tokyo/A1312/A131201/13007976/
https://r.gnavi.co.jp/a630700/
その日の出し物などはお店のサイトで見ることができる。
https://www.kapou-yoshiba.jp/index.html
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