ストレングスファインダーと他の診断テストの違いと、強み発見のためにテストをおすすめする理由
自分の強みを活かそう!とよく言われますが、自分の強みは自分ではなかなか分かりません。
それは当然のことで、強みとは、意識せずとも日常的に発揮しているものなので、自分では気が付きにくいのです。
なので、多くの自己理解のためのテストがあります。
エニアグラム、ウェルスダイナミクス、MBTIなど様々なものがあり、ストレングスファインダーもその一つです。
テストの力を借りることで、自分の強みへの理解が進みます。
ここでは、私が強み発見にテストをお勧めする理由と、ストレングスファインダーとその他のテストの違いを書きます。
そして、どうしてストレングスファインダーは分かりにくいと言われる理由と対処法も書きます。
強み発見にテストがおすすめの3つの理由
自分の強みを発見する方法として、テストをお勧めする理由は3つあります。
自分では強みはわからない
理由の1つ目は、自分の強みは自分では気が付きにくいことです。
自分の強みを発見するためには、自分を客観的に見て、いいところを認めることがスタートになります。
しかし、人はなかなか自分を客観的に振り返ることができません。
いいところがあっても、「もっと上手い人がいるし…」「こんなこと大したことないし…」と考え、強みではないと判断してしてしまいます。
自分の強みは、自分では当たり前のこと過ぎて意識することが難しいのです。
強みとは、意識せずに努力もせずに普段から当たり前にできることを指します。
しかし、人は、意識して努力して一生懸命頑張ったことの方が記憶に残ります。
意識も努力もしないことに対しては、自分がやっているとさえ気づいていないときもあります。
自分の記憶に残っていないものを、強みと判断できるわけがないのです。
そして、自分ができることは他の誰もができると思いがちです。
強みとは、意識せず努力せず当然にできることなので、他の人も当然に軽々とこなしていると考えてしまうのですが、他の人は同じことを必死に頑張って何とかやっていたりします。
自分ができることは誰もがやれていると思いこむので、それが自分の強みとは気づかないのです。
他の人に聞いても見落とす強みがある
ストレングスファインダーをお勧めする理由の2つ目は、他の人に自分の強みを聞いても強みを見落とす可能性があるためです。
自分では強みを気づくことは難しいので他の人に聞くのはとても効果的な方法なのですが、他の人に聞いたせいで強みを見落とす場合もあります。
なぜ他の人に聞くことに限界があるかというと、まず、他の人にはその人の目の前に現れる強みしか見えないからです。
強みは、いつでもどこでも発揮されるものもあるが、「トラブルが起きても冷静さを失わない」といった特定のシチュエーションで発揮されるものもあります。
そういった特定のシチュエーションで発揮されるものは、その場に居ない人には強みと気づかれず、見落とされてしまいます。
そして、一番問題なのは、その人の基準に左右されることです。
例えば、先程例にあげた「トラブルが起きても冷静さを失わない」という強みは、感情豊かな人が見たら「トラブルでも感情が動かない冷たい人」という欠点と捉える可能性もあります。
また、例えば、行動力こそ成功に必要な唯一のものだと思いこんでいる人から見たら、思慮深い人は行動力のないダメな人に見えます。
実際は思慮深い人が注意深くリスクを排除してくれているおかげでトラブル無く物事が順調に進んでいるとしても、行動力こそが全てだと思っている人はこの強みに気づくことができません。
他の人に自分の強みを聞いても、本来の自分の強みを強みと思われずに、欠点と捉えられることもあるのです。
まだ強みになっていない資質がわかる
理由の3つ目は、まだ強みとして成熟していない強みの種に気がつくことです。
強みの中には、使い方を間違えて弱みに見えているものもあります。
例えば、責任感が強すぎて、自分の体が壊れるまで頑張ってしまう人がいます。
そういう人は、あれもこれもと引き受けすぎて、本当にやるべきことまで手が回らないことがあります。
こういうとき、責任感の強さは弱みとなっています。
しかし、この責任感の強さは、優先順位の付け方を学び、断り方を覚え、他の人に仕事を任せる方法を知ることで、「自分がやると決めた仕事は責任を持って最後までやりきる」という強みに変化します。
もう一つ例を挙げると、他の人のいいところを見つけるのが上手な人がいます。
そういう人の中には、他の人のいいところばかりが目に付き、自分と比べては落ち込むタイプの人もいて、行き過ぎると、嫉妬したりもします。
相手にネガティブな感情を持ってしまう場合は、他の人のいいところを見つけることは弱みになります。
しかし、自分との比較を止め、素直に「あなたのこういうところが素敵ね」と伝えられたら、相手を喜ばせることができます。
また、素直に「私にもやり方を教えて」と学べば、自分自身にもプラスになります。
使い方によって、他の人のいいところを見つけることは強みとなるのです。
このように、今は間違った使い方をしているために強みとは思えない自分の特徴も、ストレングスファインダーは強みの種として教えてくれるのです。
ストレングスファインダーと他の自己理解テストの違い
ストレングスファインダーと他の自己理解テストとの一番大きな違いは、診断結果の出方です。
例えば、エニアグラムでは9つのタイプ、ウェルスダイナミクスでは8つのプロファイル、MBTIでは16のタイプが用意されています。
既に用意されているタイプの中から、その人に最も近いタイプが結果として出てきます。
一方、ストレングスファインダーの結果の種類は無限大です。
全34種類の資質の順番が出てきますが、この資質の順番の組合せを単純計算しただけでも地球上の人口を超えています。
地球上に同じ人間がいないように、ストレングスファインダーは一人一人違った結果が出てくるのです。
それぞれに良さがあります。
エニアグラムのようにタイプの種類が決まっていると、「あなたはこのタイプです」と結果が明確に出てくるので、とても分かりやすいです。
他のタイプとの違いも比較しやすく、自分の特性を他者との対比で理解することも容易です。
ただ、地球上の人間の性質が9種類や16種類しか無い訳ではありません。
大まかに分けると9種類や16種類に分けられるというだけで、タイプ分けだけで自分の全てを知るには限界があります。
ストレングスファインダーは一人一人違う結果が出るので、より自分のことを詳細に理解することが可能です。
他者との対比でも、ここは似ているけれど、ここは違う、と細かく見ることができます。
しかし、一人一人結果が違うため、「私はこういう人です」とタイプを一言で説明することが不可能です。
テスト結果で表されているものは何かを、時間を掛けて読み解き、自分の言葉に直す必要があります。
ストレングスファインダーは、自分独自の特徴を知ることができるテストですが、結果を見るだけで即座に理解できるものではないのです。
ストレングスファインダーの結果の活用が難しい理由
前章で、ストレングスファインダーは受けただけでは自分を理解することが難しいと書きました。
その一番の理由は、テスト結果で分かる資質は、それぞれが多様な性質を持っているからです。
ストレングスファインダーは人間の成功に寄与する34の資質のうち、自分がどの資質を強く持っているかが順番で分かるテストです。
ただ、他の人と同じ資質が1位だったとしても、その人と自分は全く違うタイプということもよくあります。
資質は、他の資質の影響を受けて性格が変わるからです。
例えば、「学習欲」という新しい知識を学ぶことが好きな資質があります。
この「学習欲」が、人に影響を与えることが好きな資質の影響を受けると、自分が学んだことを人に教えるという行動をすることがあります。
「学習欲」が、思考をする資質の影響を受けると、学んだことを深く掘り下げ探求するという行動になったりします。
このように、併せ持つ他の資質の影響で、同じ資質でも行動が変わります。
また同じ資質の組み合わせでも、関係性によって行動が変わります。
学習欲✕影響力資質の組合せで、人に教えるという行動をすることもあれば、人に影響を受けたことを更に学んで理解する、という行動をすることもあります。
このように、資質が持つ一般的な性質に目を向けるのではなく、自分の資質の独自の性格を知らないと、ストレングスファインダーの結果を自分のものとして扱うことができないため、テストを受けただけでは活用方法が分からないのです。
自分の資質がどのような性格を持っているかは、資質がどのような行動をしているかを掘り下げることで理解することができます。
資質を知るために私がしていること
手前味噌にはなりますが、私のストレングスファインダーのセッションでは、自分の資質が理解できるようになったという感想を多くの方からいただきますので、参考に、私がセッションで何を見ているかをお伝えします。
私のセッションではヒアリングを何よりも重視しており、2時間のセッションのうち1時間以上を、事前に頂いたテスト結果を元にしてお話しを伺っています。
ヒアリングと言っても、お客様からは「こんな話をしていて大丈夫ですか?」とよく聞かれるほど、雑談を多く交えて進みます。
最初から最後まで雑談ばかりと感じられるかもしれません。
強みは、無意識のうちに発動するものなので、日常のふとした出来事の中に顔を出します。
なので雑談を通じて日々の生活の中にさりげなく発動する強みを汲み取ることを大切にしています。
またヒアリングでは、成功したか失敗したかではなく、楽しくやれたかどうかを重視しています。
結果は上手く行かなくても、楽しくやれることは成功するまでチャレンジできるからです。
逆に、やることが苦痛なことは、上手くいったとしても、再度やりたい気持ちにはなりにくいです。
お客様が持つ資質が楽しく力を発揮しているシーンを拾い集めて、その方の資質が活き活きと働く姿を見ています。
そして、資質同士の関係を見て、特に繋がりが深い資質と、それによってどのような行動が生まれるかも見ています。
資質が手を取り合って活き活きと働くパターンを知ることができれば、そのパターンを再現することで、自分の強みを発揮できる環境を作ることができます。
こうして自分の強みを活かせるようになるのです。
※このブログにおけるクリフトンストレングス(ストレングスファインダー®)に関する解説は、しずかみちこ独自のものです。
Gallup認定ストレングスコーチとしての知識をベースにしていますが、個別セッションにて多くの方の資質にじっくり向き合った経験と、カウンセラーとして得た心の知識を組み合わせ、より理解しやすいように踏み込んだ解説をしています。
Gallup社の承認を受けたものではない点、ご了承ください。
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活用法について
ストレングスファインダーで自分が常に力を発揮するための取扱説明書を作ることができます。
取扱説明書を作ると、ストレングスファインダーの活用法が広がります。
ストレングスファインダーを複数回受けると、自分の現状がわかります。
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