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経理部での最初の仕事のマニュアル作成も経理部長の慧眼のたまものだった


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経理部での最初の仕事

私が経理に異動したことで、これまで経理にいたメンバーも仕事の担当替えが行われることになった。

経理の中でも固定資産管理や債権回収といったように、いろいろな業務がある。
小さな会社の経理はそれを全て一人でこなすため経理の仕事の全容が見えるが、大きな会社の経理課員は経理業務の一部しか知らないまま何年も時間が経過することがよくある。
我が経理部長はそれでは良くないと考えていて、定期的に担当替えを行うようにしていた。

そこで私の加入をきっかけに新たに仕事の割り振りが行われ、同時に、すべての業務にマニュアルを作成するようにと指示があった。

マニュアル作成の心得

マニュアル作成にあたり、経理部長から、下記の2点を指示された。
最初は「え?」と思ったが、実際に作成してみると、とても大事なことだった。

    部長に指示されたこと

  • 作業だけではなく、なぜそれをするかも書くこと
  • マニュアルは引き継ぎを受ける側が作ること

作業だけではなく、なぜそれをするかも書くこと

マニュアルと言えば手順書のようなものだと思っていた私は、作業の手順だけを書けば問題ないのでは?と考えていた。

確かに、マニュアル作成という意味では、作業だけを書き記しても問題ないだろう。
しかしここで大切なのは「なぜその作業をするのか」を改めて考え直すことだったのだ。

経理の仕事はルーチン業務が多い。
日次、週次、月次、年次と繰り返して行っているうちに、作業の意味を考えず習慣的に行うようになる。

マニュアルを作るということは、文章化するということだ。
作業をするだけなら、なんとなくの理解でなんとなくやっていくことができる。
だが文章化するとなると、自分がきちんと理解していないと、人が読んでも理解できる文章にならない。

なんとなくやっていた作業について、「なぜそれをやるのか」を考え抜くと、実はやる必要がないと感じる作業がいくつかあった。
その業務自体は継続するとしても、途中の過程をいくつか抜かしても問題ないものもあった。

ただ作業を引き継ぐだけなら、時代が変わって必要なくなってしまったものもそのまま引き継ぐことになる。
「なぜその作業をするのか?」を文章化するという手順が加わったことによって、必要な作業と必要ではない作業があぶり出されたのだった。

マニュアルは引き継ぎを受ける側が作ること

マニュアルは現在その仕事をしている人が作り、そのマニュアルを基に次の人に作業を教える、と思っていた私は、この指示がとても不服だった。
なぜなら、新入りの私もマニュアルを作らなければいけないからだ。

しかし、実際にやってみると、とても合理的だった。

業務は慣れている人がやると簡単で、無意識のうちに手が動く。
慣れている人がマニュアルを作ると、無意識にやっている作業はマニュアル上に書き残されない。

例えばシステムに入力する際、1項目入力するごとにEnterキーを押さなければいけないとする。
慣れている人にとっては入力後のEnterは当たり前のことなので、マニュアル上では省きがちだ。
しかし、初めてその作業をする人にとっては、1項目ごとにEnterが必要ということも教えてもらわないと分からない。
その業務を初めてする人は、こういった細かいことも全部気がつくので、初心者でも分かるマニュアルが完成するのだ。

そして、引き継ぎを受ける側がマニュアルを作ることで、慣れている人が惰性でやっている作業の全てが浮かび上がる。
こうしてすべての作業を可視化することは、不要な作業を削るために必要なことだった。

マニュアルは使われなくてもいい

私はマニュアル作成があまり好きではない。
なぜなら、マニュアルは使われないまま時代が変わり、使えなくなることが多いからだ。
このとき作ったマニュアルも、結局はほとんど使われないまま、数年後の引っ越しの時に捨てられてしまった。

でも、今になって思うと、それで良かったのだと思う。

マニュアルを全員で必死に作ったから、一つ一つの作業が本当に必要なのかを見直すことができた。
引き継ぎを受ける側が頑張って作ったから、その後マニュアルが不要なほど作業が頭に入り込んだ。

不要な業務の削減と、仕事に真剣に向き合うという意味で、このマニュアル作成にはとても意味があった。

マニュアルを使うことではなく、マニュアルを作ることに意味があったのだ。

次回に続く

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