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しずかみちこ
Gallup認定ストレングスコーチ
ストレングスファインダー(クリフトンストレングス)の専門家として、個人やチームが「強み」を活かして最大の成果を生み出すためのコーチングと研修をしています。

リクルートスタッフィングで経理したり、レアジョブの管理部門立ち上げたり、ブラック企業に入ったり、上司の横領見つけて辞めさせられたり、人の会社2つ作ったりと波乱万丈な職歴の後、独立して今に至ります。

投資と経理スキルでお金をデザインし、ストレングスファインダーで強みを活かしたら、人生が楽しくなりました。

趣味は野球観戦と美味しいものを食べること

収集心・最上志向・戦略性・未来志向・分析思考
ストレングスファインダーのnote
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社長のモチベーションの3つのタイプ

社長の仕事とは、夢を語ることだと思っている。

「こういう世界を実現するぞ!」「上場して社会に認められる組織にするぞ!」と社長が号令をかけたりするが、その語っている夢と心の奥底の本音が一致していない例を見ることも少なくない。

その不一致を自覚して戦略的にやっていることもあれば、社長自身の夢の解像度が低くてズレが生じていることもあれば、そもそも本音に気付いていない場合もある。

これまで出会った多くの社長を思い浮かべると、社長の心の奥底の本音(モチベーションとなる部分)は3つのタイプがあるように感じた。

目次

社長のモチベーションの源

社長のモチベーションとして、思い浮かぶのは下記の3つだ。

1.信念を浸透させる
2.事業拡大を目指す
3.自分の資産を守る

1の信念を大切にする社長と、2の事業拡大を目指す社長は、イメージが湧きやすいと思う。
伝えたい思いを実現するために会社を経営している社長が前者で、後者は事業の拡大を実現するために会社を経営している社長だ。

3の自分の資産を守りたい社長は、個人の所得税より法人税の方が税率が低いという理由だけで法人の形態を取っている一人会社や、相続を考えてあえて法人の形態を取っているような会社の社長が人数的には多いと思う。
ただし、それなりに大規模な会社であっても、社長の本心は一族の資産を守ることだったりもするので、会社の規模や従業員の人数だけでは判断できない。

どれか1つに振り切れている社長もいるし、1を60%で2を40%といった社長もいるし、表面的には1と言っていても内心は3の社長もいるし、自分がどのタイプかに気づいていない社長もいる。

モチベーションごとに見られる行動

モチベーションによって、社長の選択は違ってくる。

下記にあげるのは一例に過ぎないが、雰囲気を感じてもらうために極端な例をあげる。(くれぐれも全員がこういう行動を取るわけではない)

経営判断の基準

1.信念を大切にする社長
どうすれば自分の思いが伝わるか、思いを実現できるかが事業運営の判断基準となる。

自分の思いがまずあって、それを世の中に受け入れてもらうにはどうすればいいだろうかという考えで、事業運営の戦略が決まっていく。

2.事業拡大を目指す社長
やろうとしていることが世の中に求められているかどうかが、事業運営の判断基準となる。
広い世の中に求められているものほど、事業が拡大していくため、どこの分野で戦うかが重要となる。

自分がやりたいことをやるというよりは、世の中が求めているものをまず見極め、その中から自分ができそうなものを手掛ける。

3.自分の資産を守りたい社長
節税になるかどうかが、事業運営の判断の際に大きな割合を占める。
入ってくるお金や出ていくお金よりも、最後に手元に残るお金について考える。

従業員への思い

1.信念を大切にする社長
信念を大切にする社長にとっては、信念を同じくする社員が心強い仲間となる。
ただし、誰かと信念が隅々まで一致することはないので、その小さなズレがやがて問題になることもある。
また、能力は高いが、信念に共感していない社員をどう扱うかは課題になる。

2.事業拡大を目指す社長
事業拡大を大切にする社長にとっては、事業拡大のために汗水流してくれる社員が心強い仲間となる。
こういう会社には、自分もゆくゆくは独立して事業拡大を目指そうと考えている人が入社することも多く、この場合は目的が一致するので、社員の成長も早い。

3.自分の資産を守りたい社長
自分の資産を守りたい社長は、社員数を増やすことを好まないことが多い。
知らない他者に懐に入られるより、よく知った人たちと地盤を固める方が安心する。
とても信頼できる少人数の人々としっかりとタッグを組んで、事業を運営することを望む。

上場を目指すか否か

1.信念を大切にする社長
信念を大切にする社長にとっては、上場は自分の信念を広く伝える手段の1つの選択肢に過ぎない。
上場することで知名度が上がり、伝えたいメッセージが伝えやすくなるかもしれない。
資金の調達ができることで、新たな方法で思いを伝えることができるようになるかもしれない。

ただし、株主から、信念を差し置いての事業の拡大を求められたり不採算部門の閉鎖を求められたりもするため、必ずしも信念を貫くためにプラスに働くとは限らない。

2.事業拡大を目指す社長
事業拡大を大切にする社長にとっては、上場はたどりつきたいゴールの1つだ。
上場することで、株価の上昇も見込まれるし、ステータスも上がる。
莫大な創業者利益を手にすることもあるが、そこがゴールとなるか、新たなスタートラインとなるかは、その人次第となる。

3.自分の資産を守りたい社長
自分の資産を守りたい社長にとっては、上場は避けたいだろう。
自分の資産を守るための箱である会社が、公のものになってしまう。

ここを自覚しないと、上場したら資産が増えるかもといった安易な理由で上場を目指そうとし、後悔することになる。

タイプは変化する

この3タイプは会社のフェーズや社長自身の心境の変化によっても移り変わる。

最初は資産を守るつもりで会社を作っても、ある程度資産額が充実することで安心し、その後は自分の信念に基づいて事業展開をしていくこともある。
信念を広めたくて会社を立ち上げても、資金を調達した先から事業の急拡大を求められて、信念を後回しにした経営判断に迫られることもある。
信念や事業拡大を意識していた社長でも、ある程度の年令になったら守りに入る場合もある。

どれがいいというものではない

この3タイプについて、文字面だけを見ると、1がいい社長で、次が2、次が3という印象を持つかもしれないが、そんな単純なものでもない。
どれが素晴らしい、どれが志が高貴だなどは言えないと思っている。

信念がある会社の方が、事業拡大を最優先で見る会社より良い会社のように感じるかもしれない。
しかし、こういう例もある。
私の知り合いの社長は、とあるサービスでたくさんの人を救いたいという強い信念を持って会社を運営していた。
しかし、世の中の変化によって事業運営がままならなくなり、外部から派遣されたプロ経営者に社長の座を譲ることになった。
次の社長は信念などなく、ゲーム感覚で会社を大きくしたい人だった。
この社長の手腕によって会社は急成長し、結果的に、前社長のときよりもたくさんの人を救うことができるようになった。

前社長の信念は素晴らしいものだったが、情に流されて思い切った判断ができないこともあった。
新社長は、前社長の信念にその会社の強みがあると見て、その信念を会社の目玉としつつ事業展開を進めたのが成功の要因だ。

消費者には、その会社が大切にしている信念が社長の本心なのか、事業展開のために利用されたものなのかはわからない。そして、信念そのものを大切にした社長より、信念を商売のネタにして事業展開をした社長の方が、より多くの困っている人にサービスを届けることができた。

どのようなタイプの会社にも一長一短があるので、どれがいい、どれが良くないとは言えないのだ。
事業拡大にこだわらずに信念を貫く会社があることで、救われる人もいる。
事業拡大が目的の会社は世の中のニーズを的確に把握するので、人々に必要なものを生み出す。
自分の資産を他者から守ることで、貴重な伝統が守られ続けたり、独自の文化が残ることもある。

一方で、理想を追求しすぎて倒産してしまう会社もあるし、事業拡大に力を入れすぎて社員が疲弊している会社もあるし、資産を守ろうとしすぎて事業がおざなりになってしまう会社もある。

社長のモチベーションがどこにあるかは、あくまでも社長自身のモチベーションを保つためのもので、会社が成長するかどうかや、いい会社かどうかはそこには関係しない。

大切なのは自分のタイプを知っていること

ただ一つ大切なのは、今の自分がどのタイプを目指しているのかを、社長自らが自覚することだと思っている。
もちろん、自分と信念を同じくする仲間と、事業拡大が出来て、ついでに自分の資産も守ることができるのは理想の形の一つだが、全部いっぺんにやっても上手くいかない。
物事には優先順位をつける必要がある。

この優先順位付けが不明確だと、経営判断に迷いとズレが生じる。
そして、このズレは、会社と社員のミスマッチを引き起こす。

社長が事業拡大を望み、手腕を買われて経営幹部候補として入社したのに、社長の心の奥底の本音は事業拡大よりも自分の資産を守ることだったため、事業拡大の提案をする経営幹部候補が疎ましくなって、解任してしまった例を見た。

崇高な信念を掲げている会社が、実際は信念は置き去りにして事業の拡大を目指していたために、信念に惹かれて入社した社員がやる気を失っている例も聞いたことがある。

会社と社員のミスマッチはお互いに不幸だ。
会社側は、社風に合わない人を採用することで、採用に掛かった経費が無駄になるし、それ以上に組織の雰囲気がおかしくなることが痛手となる。
社員側は、自分に合わない社風の会社に入社することで、精神的にも辛いし、更に転職するのも負担だ。

社長の思いが会社の行く末にダイレクトに反映する中小企業は、このミスマッチが引き起こす影響が特に大きい。

社長が自分の本音を自覚しておかないと、様々な不幸を引き起こす。
その本音を表に出すかどうかは別として、自分が本当に望んでいるものは何か、モチベーションの源にあるものは何かを自覚しておく必要がある。

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