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サロン・ド・シマジにて、お金と時間の粋な使い方を垣間見た日

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先日、浅草のとんかつ屋すぎ田の記事の中で、元週刊プレイボーイの編集長の島地勝彦氏のファンであることを告白したところ、友人から連絡が来た。
「サロン・ド・シマジは知っていますか?島地さんに会えますよ」
もちろんサロン・ド・シマジの存在は知っているが、憧れの島地さんが選び抜いた物が溢れた空間で、さらに島地さんご本人までいらっしゃるなんて、私には天の上の場所のような気がして、踏み出せずにいたのだ。

ところが、その友人はサロン・ド・シマジに行ったことがあるらしい。
「島地さんは気さくな方だから大丈夫。一緒に行きましょう」と、怖気付く私の背中を押してくれた。

そういう訳で、ついにサロン・ド・シマジにデビューすることになった。
 

サロン・ド・シマジ

新宿伊勢丹メンズ館8階。そこにサロン・ド・シマジはある。
島地さんがいらっしゃる13時過ぎに着いた。
昼からお酒を楽しむ大人たちが続々と集まる。

狭い店内にびっしりと掛かる絵や書や、飾られている品々に目が奪われる。
そして、その空間の中心で、島地さんが、こちらを見て頷いた。
 

珠玉のウィスキー

最初の一杯は、サロン・ド・シマジの特別な一杯、スパイシーハイボールだ。
タリスカー10年に山崎のプレミアムソーダを注ぎ、挽きたての黒胡椒の燻製(ピートで燻して香りをつけたインドの黒胡椒)をはらりと舞わせる。

黒胡椒の香りがまず鼻腔を刺激し、タリスカーの力強い香りが口の中に広がる。

タリスカーの後味にブラックペッパーのような香りがあるところから、この特徴をもっと際立たせるために、黒胡椒を入れることを思いついたそうだ。
とはいえ、黒胡椒に更にスコットランドからピートを取り寄せて香りを付けるとは(ちなみにタリスカーはスコットランドのウィスキーである)、なんという贅沢な遊びだろう。

写真では分かりにくいが、斜めに傾く不思議なグラスで供される

しばし、お喋りを楽しむ。
6人も入れば隣の人との距離が縮まる空間だ。
自然と初対面でも話が始まる。

島地さんも問い掛けに答えてくれ、愛用の品を披露してくれたりする。

開高健が「高貴な中に淫らな香りのするタバコ」
と評した島地さんのオリジナルブレンドの「ヘレニズム」。甘い香りが色っぽい

チョコレートはどうですか?の問い掛けと共に、見せていただいた箱に驚いた。

サロン・ド・シマジのバーマンヒロエさんとチョコレート

圧巻なビジュアル

色、艶、かすかに上がった口角。この唇に迫られたら逃れられない。
迷わず一粒いただくことに決め、シングルモルトをもう一杯いただくこととする。

先ほどとは違うものを、とお願いして、島地さんが勧めてくださったのは、キルホーマンというアイラのウィスキー。
村上春樹の『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』という本でウィスキーに目覚めた私としては、アイラのウィスキーは特別なものである。(この本は、村上春樹氏がアイラ島とアイルランドを旅して書かれた本なのだ)

樽の香りを強く感じ、野生の力を取り込んでいるような感覚になる、力強いウィスキーだった。

グラスも素敵。グラスの底にも美しい模様を見ることができる

サロン・ド・シマジの楽しみの一つに、コースターがある。
島地さんが選んで出してくださったコースターには、「ロマンティックな浪費から文化は生まれる」の文字が。
実はこのとき島地さんの著書も合わせて買い求めており、チョコレートに本と島地さんに勧められるままに手を伸ばす私にこの格言を出すとは、洒落が効いていて微笑んでしまう。

ところで、この中野坂上のショコラティエに特別に作らせているこのチョコレート、口に入れた瞬間にシナモンのスパイシーな香りが広がり、すぐに酸味が追いかけてきて、最後に甘みが口中に広がる。
この香りの組み合わせが表すものは、果たして、愛か人生か。
どちらにしろ、最後の甘みが心を癒してくれる。
 

葉巻やパイプが吸える14時を過ぎると、続々と人が集まってきた。
オールスタンディングの狭い空間だが、だからこそ濃密な空気が生まれる。
 

混み合ってきた中、島地さんを独占する訳にもいかない。
名残惜しいが、おいとますることにした。

自分の感性で集めた、上質な美しい物に囲まれた時間を過ごすことがどういうことかを体感できた1時間半。
何度も通ったらお金と時間の粋な使い方を学べそうな、そんな予感を覚えた1時間半だった。

隣のお客様のコースター。唸らされる


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