48歳の誕生日を一人でサンリオピューロランドで過ごして、心に届いたメッセージ
先日、誕生日を迎えた。
48歳。年女だ。
ここ20年ほど、誕生日は毎年野球を見に行っているが、今年は交流戦休みのため試合がなく断念せざるを得ない。
とはいえ、普通に仕事をして過ごす気にもなれず、せっかくなので誕生日特典のあるところに行きたいと考えて、選んだのはピューロランド!
人生3回目だが、この3ヶ月で3回目。
なぜか気に入ってしまった。
過去2回はサンリオ好きの先達に案内してもらってピューロランドの楽しみ方の概要が掴めたような気がするので、今回は一人ピューロに挑戦!
開演時間の10時から閉園時間の17時まで、すっかり満喫してきた。
誕生日の特典
コロナ禍の今、誕生月にピューロランドに行くと、以下のような特典がある。
(誕生日当日でなくても、誕生月内なら同じ特典が得られる)
1.記念日カードが貰える
これは誕生日に限らないのだが、何らかの記念日にピューロランドに行くと、アニバーサリーカードが貰える。
これを首に掛けて歩くことで、キャラクターやスタッフがお祝いしてくれるのだ。
誕生日用とその他の記念日用が表裏になっていて、誕生日面には名前と誕生日を記入できる。
ちなみに記念日は「初めてピューロランドに行った記念」などオリジナル記念日でいいそうだ。
カードは入って左側にあるインフォメーションセンターで貰える。
名前や日付を書き込むためのスペースもあり、ペンも用意されている。
2.スクラッチカード
これは誕生月限定の特典で、ハズレ無しのスクラッチカードが貰える。
(誕生日当日でなくても、誕生月内なら貰える)
事前にサンリオファンクラブ(無料)に誕生日を登録している人限定だが、入場予約の際にサンリオファンクラブに入る必要があるため、特別な手続きが必要だとは感じないだろう。
シールやポストカードが当たるらしいと聞いていたが、私は、なんと、A賞が当たった!!!
A賞の商品は、キティちゃんと一緒に撮った写真!
キティちゃんとの写真がA賞なのだから、やはりキティちゃんがサンリオ最高峰の存在なのだと再認識した。
ピューロランドのアトラクション
誕生日カードを首に下げ、ピューロランドの中心部へ向かう。
今回のテーマは「ピューロランドを全部見る」だ。
初めてピューロに来たときは春休み中で大混雑だったが、この日はショーの切り替えの合間の平日なので空いていると予想ができた。
ショーのスケジュールを確認する。
午後はショーに費やすとして、午前中にそれ以外のところを回るという計画を立てた。
キャラクターグリーティング
さて、最初はキャラクターグリーティングだ。
文字通り、サンリオのキャラクターたちがお出迎えしてくれるというもの。
開演直後から始まり、一日何回か出てきてくれるため、気がつくたびに参加した。
キャラクターグリーティングでは、首からカードを下げている私に、キャラクターがお祝いをしてくれる。
もちろん彼らは言葉を発しないため、拍手してくれたり、ぴょこぴょこ飛び跳ねてくれたりだ。
非常に気恥ずかしいが、人間ではないものに誕生日をお祝いしてもらえる経験はこれまで一度もないことに気がついて、嬉しくなった。
48歳になっても、初めての経験できることまだまだあるのだ。
キャラクターボードライド
ピューロランド一番人気の乗り物、キャラクターボードライドに向かう。
これはキティちゃんのパーティーに招待された各キャラクターが、準備をして、パーティーに向かう様子を見る、というアトラクションだ。
ここでもスタッフのおねえさんに誕生日を祝福してもらいつつ、乗車。
(なお、私の前にいた誕生日の女の子は「何歳になったの?」などいろいろ聞かれていたが、私には「おめでとうございます!(小さな拍手)」とさらっと対応してくれた。うれし恥ずかしなお年頃なので、お気遣いに感謝)
キャラクターボードライドでは、空いている席にキャラクターが座ってくれる(画面上のみ)という一人客にも優しい趣向がある。
私の後ろにも、キティちゃんとマイメロディが座ってくれた。
マイメロードドライブ
もう一つの乗り物はマイメロードドライブ。
こちらはキャラクターボードライドよりも空いていて、乗りやすい。
このアトラクションは、途中でたくさん写真を撮影される。(撮影された写真は購入できる)
あちこち見ているうちに写真を撮られてしまったりするので、うっかりした写真が多数誕生する。
ピューロランドのご飯
11時に飲食ブースが開店する。
お昼時は混雑が予想されるため、早めにご飯を食べることにする。
ピューロランド内には、カフェが1つとレストランが3つある。
シナモロールドリームカフェ
この日は夜にも食事に出かける予定があったため、昼は軽く済ませようとカフェを選択。
シナモンのカフェは文字通りシナモンだらけ。
その中で、照り焼きチキンパオ(650円)を選択。
余談だが、シナモロール20周年記念に加え、サンリオのキャラクター大賞でシナモンが1位を取った直後ということもあり、園内はシナモン色が濃かったような気がする。
私には元ネタがわからないのだが、なにかのアニメらしきものとのコラボもやっていた。
「この絵だけで小一時間は語れるね!」と隣の二人組が言っていたのを小耳に挟んで、ちょっと語って欲しかったのだが、あっさりどこかに行ってしまった。
キャラクターフードコート
私の一押しはこのキャラクターフードコートだ。
ここは、ピューロランドに来たなと感じられるメニューがたくさん用意されている。
メニューの一部を見るだけで、伝わると思う。
この日、私はここで3時のおやつのケーキを食べた。
このキャラクターフードコートには、一人客にも優しい一人席がある。
かわいいキャラクターで彩られている中心の席とは違って殺風景ではあるが、一人でもゆっくり休みやすい席でもある。
サンリオレインボーワールドレストラン
こちらは利用していないので、コメントだけ。
4階にあるこのレストランはキャラクターメニューも少しはあるが、キャラクター感のないごく普通のオムライスやパスタも用意されている。
これらのメニューは1050円からあるので、キャラクターに興味はなくて、安く済ませたい人におすすめだ。
館のレストラン
ここはまだ行ったことがないけれど、いずれ行ってみたいレストラン。
ビュッフェスタイルのレストランだ。(3200円)
途中でキャラクターも登場するらしい。
目玉メニューがブルー・ピンク・イエローの三色のカレーと聞くと少し怯むが、でも一度は行ってみたい!
レディキティハウス
ご飯を食べたし、一人ピューロにも慣れてきたので、キティちゃんからの誕生日プレゼント(と勝手に脳内変換)の写真を撮りに行くことにする。
レディキティハウスというキティちゃんのお屋敷に足を踏み入れる。
とても印象的な椅子に、大胆な壁紙!
結構好き!
そして、この絵がまたすごい。
下の写真を拡大して、キティちゃんの瞳が何で出来ているかを見ていただきたい。
まさか、人間だったとは…。
その後、キティちゃんにお茶のもてなしを受けたり、
写真で見ると全くベッドには見えないキティちゃんのベッドにお邪魔したり、
そうこうしているうちに、ついにキティちゃんと写真を撮る瞬間がやってきた!
正確に言うと、キティちゃんとの写真は誰でも撮れる。
もっと正確に言うと、キティちゃんと写真を撮らなければ、キティハウスの外には出られない。
撮った写真は有料で購入することになるのだが(希望者のみ)、スクラッチカードでA賞をいただいた私はその写真を無料で貰えるのだ!
ピューロランドの素晴らしい点はいくつもあるのだが、写真撮影スポットにも気配りがされている。
写真を撮る場所は、他の入場者から見えないようになっているのだ。
このキティハウスもそうだし、マイメロードドライブのようなアトラクションでもそうで、他の入場者の視界を遮る衝立などがあるので人の目を気にせずポーズを撮って写真を撮ることができる。
そういうわけで、キティちゃんと撮影。
写真係のお姉さんがポーズの提案をしてくれて、恥ずかしさを感じるまもなくスムーズに進んでいく。
そして、キティちゃんがたくさん誕生日おめでとうと言ってくれた!(もちろん声は聞こえないので、そう感じただけだが)
ありがとう、キティちゃん!!
ピューロランドのショー
ピューロランドに来る人を見ていると、どうやらショーを目当てにしている人が多いようだ。
推しのキャラクターだけではなく、出演しているダンサーさんにもファンがついていて、熱心な人は早くから並んでいい席を確保している。
この日は5つのショーを見た。
全てのショーにメッセージが込められている。
人は一人ひとり違っていて、みんな素晴らしいこと。
一人ひとり違うからこそ、世界は素晴らしいこと。
だから争いなんて意味がなく、分かり合うことが平和への道だということ。
人間は弱い生き物だということ。
だから弱い瞬間があっても、それが普通だということ。
でも、だからこそ、助け合うことが必要だということ。
メッセージが込められているが、全く説教臭さはない。
かわいいキャラクターと巧みなダンスに彩られているため、込められているメッセージに気づかない人も多いのではないかと感じるほどだ。
それでも、何度も繰り返すことで、ゆっくりと心にメッセージが届いていくのだろう。
声高にメッセージを叫ぶことは自分の主張の押し付けになってしまうから、そっとさりげなく伝えるのだろう。
今、心が弱っている、誰かに届くように。
ピューロランドが伝えるメッセージ
もともとテーマパークや遊園地には全く興味のなかった私が、どうしてピューロランドは好きになったのだろうか?
施設の完成度としてはディズニーランドの方がはるかに高いと感じている。
乗り物の数も多いし、ショーは大掛かりだし、隅から隅まで抜かりなくディズニーらしさが漂っている。
それでも、ついついピューロランドに行ってしまうのだ。
その理由は、上記のショーのところでも触れた、サンリオが持つメッセージに共感しているからなのだと思う。
私が仕事にしている「ストレングスファインダー」は人は一人ひとり違うことを可視化するツールだ。
私がストレングスファインダーを好きな理由は、まさに人は一人ひとり違って、それぞれの強みを持っていることを明確にしてくれるからだ。
私の個別セッションでは、その一人ひとりの強みと、強みが違うからこそ生まれる素晴らしさを伝えることを目的としている。
そしてピューロランドでは、大きな規模でこのメッセージを伝えているのだ。
存在が肯定される
園内の至るところにメッセージ性を感じるが、特にキャラクターグリーティングでは強く感じることができる。
キャラクターたちは、来場者の一人一人と目を合わせてコミュニケーションを取る。
周囲にわらわらと人が群がっているのに、それでも一人一人と目を合わせてくれるのだ。
ぬいぐるみと目が合うなんて気のせいだと思われそうだが、確かに目が合うのだ。
コンサートで周囲の30人くらいが「キャー!目が合ったー!」っていうのとも違う。
私とだけ目を合わせてくれるのだ。
今、隣の人と目を合わせているなっていうのも分かるくらい、一人一人と目を合わせてくれている。
そして、目が合って、うなずいてくれる。
1人で来ている48歳であっても、私はここにいていいんだと存在を肯定してもらっている気持ちになる。
キャラクターにたくさん話し掛けて楽しそうに交流している人もいる中、私は一言も喋れず、手を振るので精一杯だ。
コミュニケーションを取るのが下手な自分に悲しくなるが、キャラクター達はそんな私をまっすぐ見て、うなずいてくれる。
いるだけで場を和ませるような子供でもなく、いるだけで周囲を楽しませるような気の利いた大人でもなく、ただ人々の邪魔にならないようにそっと一人でうろついているだけの私にも居場所があると感じることができて、安心する。
それも、存在を許可されているというレベルではないのだ。
「そういう人もいるからこそ、この素晴らしい世界が成り立っているんだよね」という必要とされているレベルで存在を受け入れて貰えている感覚があるのだ。
この「許可」と「必要」の差は、とてつもなく大きい。
人は一人ひとり違うからこそ世界は素晴らしいことを、たとえ自分をダメに感じていても、それでいいのだということを、キャラクターたちが眼差しで教えてくれるのだ。
自分の「好き!」を表現できる
今回、初めての一人ピューロとなったわけだが、よく見ると、周囲に一人客は多かった。
若い女性の一人客が一番多い印象だったが、私と同年代の方もちらほらといる。
そして、男性の一人客も、女性客より少ないが存在する。私と同年代と思われる方もいる。
最初は、この年齢で誕生日カードを首からぶら下げた一人客はどういう目で見られるのだろうかと恐る恐るだったが、実際は誰も私のことは気にしていなかった。
全身に小さなぬいぐるみをたくさん付けた人も、キャラクターのコスプレをしている人も、皆、自分の「かわいい!」「好き!」を追い求めることに夢中で、他の人は眼中にないようだ。
自分が好きなものを「好き!」とストレートに言える場は貴重だ。
自分が好きなものを否定されたり、好きなものに夢中になっている自分をバカにされたりした経験を持つ人は多いと思う。
その結果、好きな気持ちを心の奥底に閉じ込めたまま大人になってしまう人もいる。
でも、好きなものがあるのは、素敵なことだ。
「好き!」が生み出すパワーはとてつもなく強い。
「好き!」からエネルギーを貰って、明日からも頑張って生きていこうと思えたりもする。
こんなに素敵な力を秘めた「好き!」という気持ちを表に出せないのは、もったいない。
人によって好きなものは違うし、好きの表現の仕方も様々だ。
「でも好きなんだもん、それでいいよね!」とピューロランドの来場者は何かを思い切り好きでいられる自分を満喫している。
まさに、これもサンリオが伝えようとしているメッセージだ。
人は一人ひとり違う人間だから、皆が自分らしく生きていいのだ。
最後に
いくつか割愛したが、ほとんどの施設に顔を出し、全てのショーを見て、ピューロランドの一日を満喫した。
行く前は、一度全部を制覇したら、もう満足してしばらく行かなくて良くなると思っていた。
園内では隅から隅まで歩き回って、いまいちよく分かっていなかった地理関係も把握し、とても満足した。
まだ全部とは言えないが、70%くらいは理解できたと思う。
とても満足した。
確かにしばらくは行かなくても大丈夫そうだ。
ところが、2022年7月15日に新しいアトラクションができるらしい。
これは、行くしかないではないか…!
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