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しずかみちこ
Gallup認定ストレングスコーチ
ストレングスファインダー(クリフトンストレングス)の専門家として、個人やチームが「強み」を活かして最大の成果を生み出すためのコーチングと研修をしています。

リクルートスタッフィングで経理したり、レアジョブの管理部門立ち上げたり、ブラック企業に入ったり、上司の横領見つけて辞めさせられたり、人の会社2つ作ったりと波乱万丈な職歴の後、独立して今に至ります。

投資と経理スキルでお金をデザインし、ストレングスファインダーで強みを活かしたら、人生が楽しくなりました。

趣味は野球観戦と美味しいものを食べること

収集心・最上志向・戦略性・未来志向・分析思考
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李承燁が引退試合で見せた、透きとおった笑顔

目次

李承燁引退ツアー

まさか、李承燁(イ・スンヨプ)の引退試合を見ることになるとは思ってもいなかった。

そもそも、釜山で野球を見る予定すらなかった。
元々は福岡に住む私の両親のところに行く予定だったのを、夫が「福岡に行くなら、ついでに釜山で野球を見よう」と言い出したのだ。
「ついでに」の定義がよく分からないが、釜山は食べ物が美味しい魅力的な町であるのは確かなので、その提案に乗ることにした。

この計画を立てた時にも、まさか李承燁の引退試合を見ることになるとは思ってもいなかった。
釜山にある球団は、ロッテ・ジャイアンツ。
李承燁は、大邱という町にあるサムスン・ライオンズの選手だ。
サムスン・ライオンズの選手の引退試合を、ロッテ・ジャイアンツ主催でするという発想は、私の頭の中に一欠片もなかった。

どうやら、韓国の偉大な打者である李承燁の引退を惜しみ、韓国リーグの全球団でイベントをするという前代未聞の引退ツアーが計画されたらしい。
そして、ロッテ・ジャイアンツ主催の引退イベントが、我々の観戦予定日に行われることが決まった。

こういう訳で、図らずも、李承燁の引退試合を見に行くことになったのだ。

2017年9月8日

背番号36

球場に到着すると、サムスン・ライオンズ側に、観客が集まり盛り上がっていた。
もしやと思って駆け寄ると、やはりそこには、本日の主役、背番号36がいた。

サインをする李承燁。他の選手も帽子に36の刺繍を入れている

李承燁、背番号36。

しかし、顔を見た私は、キョトンと立ち尽くしてしまった。
これが、李承燁?

少しほっそりとした身体、キラキラした澄んだ瞳、すっきりとした顔色。
目の前にいる背番号36は、私の知っている李承燁とは別人だった。
日本にいる時に見せていた、追い詰められた動物が反撃する寸前のような獰猛さや、苦手な左投手に手玉に取られた時の怒りにも似た悔しさや、日本では自信過剰と受け止められもした強烈な負けず嫌いさは、すっかりどこかに置いてきてしまったようだ。

やるべきことをやりきった人間はこういう表情になるのか。
もう、この表情を見ただけで来て良かったと思わせる、神々しさまで感じる姿だった。

 

セレモニー

試合開始前に、引退セレモニーが行われた。

ロッテ・ジャイアンツの主砲である李大浩(イ・デホ)が記念品を渡す。
李承燁が日本球界を離れるのと入れ違いに日本にやってきた李大浩。
彼もまた、韓国球界で活躍中である。

いくつか渡された記念品の一つに虫取り網があり、それを見た李承燁は破顔した。
李承燁と虫取り網は無関係ではない。
日本に来る前の2003年、李承燁が王貞治の持つ1シーズン55本塁打記録に並んだ時、ファンがそのホームランボールを虫取り網でキャッチした。
それ以来、李承燁の打席では多数のファンが虫取り網を持って応援し、観客席で長い棒を振り回すことによるトラブルも起こり、ついに「球場内に虫取り網の持ち込みは禁止」という新しい規則が生まれる事態になったのだ。

虫取り網を見て笑う李承燁

それにしても、李承燁がこんなにも柔らかい笑顔を試合前に見せるなんて。

ロッテ・ジャイアンツの選手と記念写真。
試合前に敵チームの選手とこんなに和やかに写真を撮っていていいのだろうかと心配になる程、温かい空気が流れる。
(ちなみにどちらのチームも優勝争いには絡んでいない)

李承燁の隣で虫取り網を持っているのが李大浩

試合

試合に関しては、写真に説明を委ねよう。

打席に立つ李承燁を熱く見つめるロッテ・ジャイアンツの選手達
一塁手李大浩と話す、一塁ランナー李承燁

動画。画像は荒いが、某ジブリ映画を彷彿とさせる李承燁の応援歌を残しておきたかった。

ありがとう、李承燁

わざわざ日本から引退試合に駆けつけるほどの熱狂的な李承燁ファンではなかったはずだが、この一試合で、彼が今まで辿ってきた苦難と、築き上げた記録の大きさを感じ、彼の残りわずかな野球人生を応援したくなった。

それほどまで、彼の全てを出し切った表情に胸を打たれた。
もともと希望していたメジャーリーグへの移籍が叶わなかったりと、全ての夢を掴めた訳ではない。
しかし、自分が持つ力を全て出し、やれることをやりきった人間だけがたどり着ける境地に立つことができた。
こういった人間が発する光は、誰もが身に纏えるものではない。

李承燁の20年以上にも渡るプロ野球人生が、見ている私の胸にヒシヒシと伝わってきた。

ありがとう、李承燁。

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