WBC2017、イスラエル代表28人はこういう選手だ!現在の所属は?実力は?
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イスラエル代表、二次ラウンドのメンバーが決定
WBC2017年の台風の目、イスラエル代表が日本にやってくる。
二次ラウンドのベンチ入りメンバー28名が発表になった。
チームメンバーが変更され、イスラエル野球リーグ所属だったS.リペツと、ロイヤルズ傘下のマイナーリーガーG.クレーマーが予備投手枠に入り、予備投手枠にいたJ.レーキンドとB.ゴールドバーグがベンチ入りすることとなった。
この変更により、28人全員がユダヤ系アメリカ人となった。
なお、28人のリストは、この記事の最下部に載せている。
イスラエル代表はイスラエルではなくていいのか
イスラエル代表のベンチ入りメンバーが全員アメリカ人と聞いて、違和感を持つ人も多いだろう。
とても不思議な気がするが、WBCのルール上は認められている。
WBCのルール
選手はその国の出身者ではなくても、下記の条件のいずれかを満たせば代表として出場することができる。
1.当該国の国籍を持っている。
2.当該国の永住資格を持っている。
3.当該国で出生している。
4.親のどちらかが当該国の国籍を持っている。
5.親のどちらかが当該国で出生している
今回出場しているアメリカ人選手は、2の永住資格を持っていると思われる。
イスラエルの永住資格
イスラエルは、祖父祖母のうち誰か1人がユダヤ系であれば、自動的に市民権を得ることができる。
ダビデの星が刻まれた墓石の写真を送れば、それで申請完了だという噂が流れるほど、簡単らしい。
こういうわけで、イスラエル代表はユダヤ系のアメリカ人で占められるのだ。
イスラエル代表は強いのか弱いのか
イスラエル代表の28人は、どういう顔触れなのだろうか。
現在の所属チーム
イスラエル代表は、アメリカではどの程度の実力なのかを見てみる。
現役のメジャーリーガーは0人。
マイナーリーガーは、メジャーに近い順から、
3Aが7人。
2Aが3人。
A+が7人。
Aが2人。
残りの9人は、戦力外になったあと、どこのチームからも声がかかっていない選手だ。
所属チームのない9人のうち、1年以上どこのチームにも所属していないのは1人。
怪我で戦力外になったのが2人。
この3人は、実戦経験から離れているため、試合勘が鈍っていると予想される。
メジャーリーグ経験
28人のうち、メジャーリーグでプレーした経験があるのは10人。
この10人のうち6人が、現在所属チームがない、つまり選手寿命が残り少ないと思われる選手で、残りの4人がマイナーリーグに降格となった選手だ。
一番長くプレーしたのは、投手、J.マーキーの15年である。
しかし、このJ.マーキーが、1年以上どこのチームにも所属していなかった、試合勘が取り戻せるかを不安視された選手なのだ。
怪我で戦力外になり、その後所属チームのない2人も、メジャーリーグ経験者である。
メジャーリーグに近い選手
それではメジャーリーグに近い選手はいるのだろうか。
注目は投手のB.ゴールドバーグ。
2016年のシーズン後、ホワイトソックスは、彼を他のチームに引き抜かれないように40人のロースター枠に入れた。
2017年に、メジャーリーグデビューする可能性が最も高い選手と言える。
また、キャッチャーのR.ラバンウェーと内野手のI.デイビスは、2人ともメジャーからマイナーに降格した選手だが、メジャーリーグのスプリングキャンプに呼ばれているため、活躍次第ではメジャーリーグに復帰する可能性が高い。
イスラエル代表
まとめると、イスラエル代表はこういうチームだ。
・メジャーリーグ経験者が10人いるが、ほとんどが選手としてのピークを過ぎている
・メジャーリーグに近いマイナーリーガーは3人。
・12人が2A以下の、まだまだこれからの選手。そのうち23歳以下の若い選手は5人
要するに、イスラエル代表は、ピークを過ぎたがもう一度野球で一花咲かせたい選手と、メジャーリーグを目指して頑張っている選手の集まりなのだ。
実際のプレー
一次ラウンド、イスラエルは3戦全勝した。
私は、WBC開幕前にソウルで行われたイスラエル対韓国警察軍の壮行試合を見に行ったのだが、残念ながら会場内に入れず、今までのイスラエル戦は全てテレビでの観戦となった。
テレビで見た感想だが、やはり、野球の実力でいえば、韓国よりは明らかに下で、台湾とオランダとは似たり寄ったりという印象だった。
試合の感想
まず、実戦経験の少なさを感じさせる選手が多い。
試合展開により守備位置を変えるといったことを緻密にしている選手はあまりいなかった。
エラーまではいかないが、日本代表なら簡単にダブルプレーになる場面が、1アウトしか取れないといったことも散見された。
そして、試合終盤になると、疲労が色濃く見えてくる。
そしてプレーも全体的に荒い。
バントといった小技も得意ではなさそうだし、計算して大胆にかき回すというよりも、勢いに乗ったら止まらなくなるタイプに思える。
強く印象に残った場面
イスラエル代表の一次ラウンド初戦、韓国戦に勝利した後の、イスラエル代表は皆いい笑顔をしていた。
野球をすることが、楽しくてたまらないという笑顔だった。
実際、S.フルド(メジャーリーグ9年間在籍の後、怪我のため戦力外。2016年は試合出場なし)が韓国戦の後、ツイッターでつぶやいていた。
「野球がどんなに楽しいか思い出したよ! ああ、眠い。。。」
イスラエル代表、最大の強み
イスラエル代表は、実力がとても高いというわけではないように思えるが、野球をする上で強みとなる面を持っている。
所属チームがなくて、アメリカに戻ったら野球をする場所がないかもしれない選手は、ここでアピールができれば、どこか自分を拾ってくれる球団を見つけることができるかもしれない。
メジャーを目指している若手は、ここでアピールできれば、試合への出場チャンスが増えるかもしれない。
ここで実力をアピールすることが、自分が将来野球をやる上で、プラスになるのだ。
実戦経験から遠ざかっていた選手は、野球ができるだけでも楽しいだろう。
楽しみながら思いきり実力を発揮して、勝ちに行く。
怪我をしたらどうしようと球団が心配するような選手は一人もいないため、全員揃って全力でプレーができる。
所属のリーグも球団もバラバラな寄せ集めチームだが、目的が1つに揃っていれば、それなりにまとまっていく。
そして、野球の神様は、楽しく野球をする選手が大好きだ。
野球をすることが楽しくて仕方がないのなら、実力以上のものも生まれるだろう。
イスラエル代表が2017年のWBCをますます面白くしてくれるかもしれない。
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イスラエル選手28人のリスト
※最初の数字は背番号
投手
6 J.ワグマン(Joey Wagman) 25歳 アスレチックス傘下のマイナーリーガー。2014年にホワイトソックス傘下のチームを戦力外になったが、アスレチックス傘下の球団とマイナー契約を結ぶ。2016年A+所属。メジャー経験なし
16 R.C.オーラン(R.C.Orlan) 26歳 ナショナルズ傘下のマイナーリーガー。2016年A+所属。メジャー経験なし
17 D.クレーマー(Dean Kremer) 21歳 ドジャース傘下のマイナーリーガー。2016年A所属。メジャー経験なし
19 D.アクセルロッド(Dylan Axelrod) 31歳 所属チームなし。2011-15年の5年間メジャーリーグに所属。2016年はマイナーリーグでプレーしたが、故障し戦力外
21 J.マーキー(Jason Marquis) 38歳 所属チームなし メジャーリーグで15年間プレー。2015年に戦力外
24 B.ゴールドバーグ(Brad Goldberg) 27歳 ホワイトソックス傘下のマイナーリーガー。2016年シーズン後、ホワイトソックスのロースターに登録されたが、メジャー経験なし(二次ラウンドから参加)
25 A.カッツ(Alex Katz) 22歳 ホワイトソックス傘下のマイナーリーガー。2016年A+所属。メジャー経験なし
26 J.レーキンド(Jared Lakind) 25歳 パイレーツ傘下のマイナーリーガー。2016年2A所属。メジャー経験なし(二次ラウンドから参加)
27 J.ブレイク(Jeremy Bleich) 29歳 ヤンキース傘下のマイナーリーガー。2016年2A所属。メジャー経験なし
28 J.ゼイド(Josh Zeid) 29歳 所属チームなし。メジャーリーグで2013-15年の3年在籍(2015年は登板なし)。2016年は2Aでプレー
33 T.ヘロン(Tyler Herron) 30歳 所属チームなし。2009年にパイレーツ傘下のチームを戦力外後、独立リーグを転々としていたが、2016年に戦力外。メジャー経験なし
35 J.ケイリシュ(Jake Kalish) 25歳 ロイヤルズ傘下のマイナーリーガー。2016年A+所属。メジャー経験なし
38 C.ベーカー(Corey Baker) 27歳 カージナルス傘下のマイナーリーガー。2016年3A所属。メジャー経験なし
41 D.ブラワ(Danny Burawa) 28歳 所属チームなし。2015年はメジャーリーグで一時プレー。2016年途中に戦力外となり独立リーグでプレー
44 T.ニーマン(Troy Neiman) 26歳 ロッキーズ傘下のマイナーリーガー。2016年A+所属。メジャー経験なし
46 Z.ソーントン(Zack Thornton) 28歳 所属チームなし。マイナーリーグに6年間所属。2016年に戦力外
捕手
9 N.リックルズ(Nick Rickles) 27歳 ナショナルズ傘下のマイナーリーガー。2016年3A所属。メジャー経験なし
36 R.ラバンウェー(Ryan Lavarnway) 29歳 アスレチックス傘下のマイナーリーガー。メジャーリーグに2011-14年の4年間所属後、2015年に戦力外となり独立リーグでプレー。2017年のアスレチックスのスプリングキャンプに招待されている。
内野手
5 S.バーチャム(Scott Burcham) 23歳 遊撃手 ロッキーズ傘下のマイナーリーガー。2016年A所属。メジャー経験なし
14 C.デッカー(Cody Decker) 30歳 一塁 ブルワーズ傘下のマイナーリーガー。2016年2A所属。2015年にメジャーリーグに在籍。
22 T.クリーガー(Tyler Krieger) 23歳 二塁 インディアンズ傘下のマイナーリーガー。2016年A+所属。メジャー経験なし
29 I.デービス(Ike Davis) 29歳 一塁 2010-15年の6年間メジャーリーグに在籍。2016年8月に戦力外後、所属球団がなかったが、2017年にドジャース傘下のチームとマイナー契約を結び、スプリングキャンプに招待された。
45 N.フレイマン(Nate Freiman) 30歳 一塁 メジャーリーグに2年間所属。2016年に戦力外後、所属チームなし
56 T.ケリー(Ty Kelly) 28歳 二塁・三塁 メッツ傘下のマイナーリーガー。2016年はメジャーリーグに所属したが、2017年は3Aのチームとマイナー契約。
外野手
2 B.ガイレン(Blake Gailen) 31歳 所属チームなし 2015年までマイナーリーグ所属、2016年は独立リーグにてプレー
7 M.マイヤーズ(Mike Meyers) 23歳 レッドソックス傘下のマイナーリーガー。2016年A+所属。メジャー経験なし
18 Z.ボレンステイン(Zach Borenstein) 27歳 ダイアモンドバックス傘下のマイナーリーガー。2016年3A所属。メジャー経験なし 俊足
23 S.フルド(Sam Fuld) 35歳 所属チームなし 2007-15まで9年間メジャーリーグでプレー。2016年は怪我のため1年間試合出場なし。
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