価値観とは何か。自分の価値観を見つけるための3つのステップ
価値観とは何か
価値観とは何だろうか。
それは、自分の心で感じ、自分の頭で考え、自分で選択や決断したことの一つ一つが積み重なったものである。
誰かがいいと言ったからではなく、自分がいいと感じたもの。
誰かがこうしろと言ったことではなく、自分がやると決めたもの。
その一つ一つが自分の価値観である。
組織の価値観
これまでは、人がある組織に所属したら、ずっとその組織の中で生活するのが当然だった。
ある年齢になったら、近所の学校に入り、卒業までそこにいた。
会社に入社したら、定年までそこにいた。
生まれてから死ぬまで、自分の故郷に住み続ける人もいる。
かつては組織に所属するということは、組織が持つ画一的な価値観を受け入れるということだった。
その地域、その業界における独自の価値観があって、それが人間の尊厳を傷つけるものであっても、守らざるを得なかった。
しかし、今は違う。
学校が辛かったら、行く必要はない。
会社が持つ価値観が合わなければ、仕事を変えればいい。
自分の故郷に馴染めなくても、インターネット上のコミュニティーで仲間を探せばいい。
無理に既存の価値観に自分を押し込めなくても、選択肢は無限にあるのだ。
とはいえ、無限にある選択肢を前にすると迷うのも事実だ。
この無限にある選択肢の中から、何を選び取るのかを決めるために必要なのが自分の価値観である。
自分の価値観
自分の価値観を知るのはとても難しい。
人がこれまで既存の価値観に自分を当てはめる生活を送ってきたのは、そうしないと生活がスムーズに送れないという理由に加えて、その方が楽だったからという理由もある。
既存の価値観に自分を当てはめることができれば、自分と向き合う必要はない。
自分について深く考える必要もない。
考えなくていいのは、とても楽なことである。
しかし、時代は変わりつつある。
既存の価値観は崩壊し始めた。
人はそれぞれ、自分の価値観を持たなければいけない時代なのだ。
自分の価値観を持つための3つのステップ
自分の価値観を持つための鍵は3つある。
1.自分に入り込んだ他人の価値観を手放すこと
2.自分は世の中に唯一無二の存在だと自覚すること
3.自分の心を信じて前に進むこと
この3つのステップによって、自分の価値観を手に入れることができる。
1.自分に入り込んだ他人の価値観を手放すこと
人は、目を覚ますときから眠るまで、多くのことを行っている。
そこには「やりたいからやっていること」と「やらなければいけないからやっていること」と「惰性でやっていること」の3種類がある。
「やりたいからやっていること」は、自分の価値観から生まれたものだ。
「やらなければいけないからやっていること」は、他人の目を気にしてやっていることだ。
「惰性でやっていること」は、過去の価値観の残骸か、何かから目を背けるためにやっていることだ。
一番厄介なのは、「やらなければいけないからやっていること」である。
これをやらないと、嫌われる。
これをやらないと、怒られる。
これをやらないと、自分の存在価値がなくなる。
これの裏返しで、「やってはいけないから、やらないこと」もある。
これをやったら、嫌われる。
これをやったら、怒られる。
これをやったら、目立って叩かれる。
自分の価値観が「やりたくない!」と叫んでいるのに、他人の目を気にしてやってしまったこと。
自分の価値観が「やりたい!」と叫んでいるのに、他人の目を恐れてやらないこと。
価値観の叫び声を無視したままでは、いつまでも自分の価値観にたどり着くことはできない。
自分の中に潜む他人の声に気づき、その声と自分を切り離すことが、自分の価値観を持つために必要である。
2.自分は世の中に唯一無二の存在だと自覚すること
人は奇妙な生き物だ。
自分と他人をすぐに比べたがる。
自分ができることを他人ができないと、「どうしてこんなに簡単なことができないの?」とイライラする。
自分ができないことを他人ができると、「あの人はできるのに、自分は…。」と落ち込む。
自分ができることを他人もできると、「これは誰でも出来ることで、たいしたことないです」と落ち込む。
自分ができないことを他人もできないと、「そうだよね」と安心する。
自分と他人とを比べて、心が穏やかになるのはどちらも何もできないときだけ、というのは不健全だし発展性もない。
そもそも自分と他人を比べることに意味はないのだ。
自分と他人を比べることに意味がない理由は、人はそれぞれ唯一無二の存在だからだ。
違う人間同士が、自分の一部と他人の一部を切り出して比べても、そこに全く意味はない。
自分は唯一無二の存在だと認めること。
自分の中に醸成されている価値観も、この世において唯一無二の、人によって違うものなのだ。
人それぞれ持っている価値観が違うから、自分の価値観を分かってくれない人もいる。
分かってもらえないからといって、自分の価値観を否定する必要はない。
自分は唯一無二の存在なのだから、全て100%分かってもらえることはないし、分かってもらえないからといって間違っているわけではないのだ。
3.自分の心を信じて前に進むこと
自分の心の叫びを聞いて、自分の価値観を認めることができても、それを胸の奥底に隠し持っているだけでは何も変わらない。
自分の価値観を表に出すことが大切だ。
価値観を言語化できなくても、漠然としたままでいい。
自分の心が求めるものを忠実に追っていくことで、漠然としている価値観が具体的なものになっていく。
漠然とでも自分の価値観を表す行動をすることで、仲間ができる。
小さな一歩の積み重ねによって、自分の価値観が望む方向に進むことができるのだ。
学びのヒント
自分の価値観を更に掘り下げたいときの参考になるものをあげる。
価値観を見つけるためにお勧めの本
自分の価値観を見つけるためには、自分自身とじっくりと向き合うことが必要である。
しかし、ただ「自分と向き合え」と言われても、何をすればいいのか分からない。
その向き合い方を教えてくれる本のうち、私が特に意味があると感じた本は下記の3冊である。
史上最強の人生戦略マニュアル
一番のお勧めはこの本だ。
アメリカの本の翻訳本で文章が読みにくい部分もあるが、導入部分であるオプラ・ウィンフリー(「アメリカの良心」と呼ばれている名司会者)が理不尽な裁判に巻き込まれる話ですぐにグイグイと引き込まれた。
自分と向き合うためのワークもかなり充実しており、ワークによっては取り組むのが辛いほど、深く自分を見つめる内容となっている。
私はこの本のワークを行うことで、自分の奥深くに潜んでいた、克服しないと前に進めないほどの、重要な課題を見つけることができた。
ガッツリと自分と向き合いたい人にお勧めである。
LIFE DESIGN(ライフデザイン)
こちらもアメリカの本の翻訳本であるが、先程の『史上最強の人生戦略マニュアル』よりも、内容もワークもライトで取り組みやすい。
人生を、「健康」「仕事」「遊び」「愛」の4つの分野に分け、現在の立ち位置と将来の望みを見出し、進んでいくための本だ。
苦しかったときの話をしようか
日本ではまだ珍しいプロのマーケターである森岡毅さんが、自分の大学生の子供に向けて書いた本。
自分をよく知り、マーケティングすることで、人生を切り開いていくコツが書かれている。
大学生〜20代に、特にお勧めである。
3つのステップを学ぶための参考記事
私のブログの中で関連のある記事のリンク。
1.自分に入り込んだ他人の価値観を手放すこと
私が学んだビリーフリセットでは、自分の中に入り込んだ他人の価値観のことを、「ビリーフ」と呼ぶ。
この「ビリーフ」は自分の中に根深く住み着いているが、もともとの自分の価値観とは違い、後から入ってきたものなので、取り外すことができる。
その考え方が「ビリーフリセット」だ。
2.自分は世の中に唯一無二の存在だと自覚すること
ストレングスファインダーは、人間の34の資質のうち、自分が強みとする5つを教えてくれるものである。
この5つが一致する人は、なかなかいない。
3つかぶりまでは時々いる。4つになるとほとんどいない。
ストレングスファインダーを知ることで、自分が持つ唯一無二さに対する自覚を高めることができる。
3.自分の心を信じて前に進むこと
自分の心を信じて前に進むためには、ブリコラージュな生き方に自信を持つことが大切である。
ブリコラージュな生き方とは、ある意味行き当たりばったりな、自分の心と自然な出会いに導かれる生き方だ。
頭で目標を考えるのではなく、自分の心が求めるものに従う生き方が、自分の人生を唯一無二なものにしてくれるのだ。
お知らせ
書き手であるしずかみちこのサービスです。
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