ストレングスファインダーのテスト結果は変化する!変化の理由と複数回受けたときの活用方法
ストレングスファインダーの認定コーチになってから、5年が経過しました。
ありがたいことに多くのご縁をいただいて、これまで600人以上の強みを拝見することができました。
また、同じ方の強みを年単位で継続して見させていただく機会も増えています。
その結果、気づいたことがあります。
「人の強みって、変化するよね」
この記事では、私が実際に多くの人の強みを拝見して感じた「強みの変化」について書いていきます。
ストレングスファインダーのテスト結果は変化するのか?
ストレングスファインダーを開発したGallupは、テスト結果は変化しないと言っています。
「強みは15歳前後で固まって、一生変わらない」というのがGallupの公式見解です。
しかし、実際にはテスト結果の変化が起きることもありますし、テストの結果は変化しなくても行動への現れ方に変化が起きることもあります。
私自身もテスト結果の大きな変化を経験していますし、多くのお客様から変化したとの報告も受けています。
ストレングスのテストは子供の頃を思い浮かべて受けることが推奨されています。
そこから変化はしないし、複数回の受験は必要ないという見解です。
ただ自分を振り返っても、大人になって違う角度から物事を見られるようになったことで子供の頃の経験の受け止め方が変わって、「当時楽しいと思っていたことだけれど、そう思おうとしていただけで実は楽しくなかった」などと気づく場合があります。
楽しいと思っていた自分も楽しくないことに気づいた自分もどちらも正直な気持ちであり、どちらが間違っているというものではないと思います。
自分の成長で感じ方が変わっただけです。
感じ方が変わると、テストの結果が変わる場合があります。
他にもテストの結果が変わる要因はいくつかあることが、何人ものテスト結果が変化した方の話を伺うことで分かりました。
今では、私はテスト結果は変化するものと考えています。
なので、ここから先の文章はGallupが言っていることではなく、私が自分の経験から見つけたものになります。
公式の見解ではないことに注意してお読みください。
「テスト結果が変わる」とは?
まず、テスト結果が変わるとはどういうことかを整理します。
ストレングスファインダーのテストを複数回受けたときに、1位〜34位までの順位が全く変わらないということはほぼありません。
日常的な小さな変化は毎日のように起きています。
本に付属のテストでは上位5つの資質しかわかりませんが、上位資質と呼ばれる自分の強みは本来8〜14資質あります。(数は人によって違います)
この8〜14資質はほぼ同率1位のようなもので、テストを受けたタイミングで頻繁に使っているものが上に来ます。
なので、日々どのような行動をするかによって、上位資質の中での順位は常に変化します。
上位5資質しか開示していない場合、本来8〜14資質あるうちの5資質しか見えていないため、テストを受け直したときに違う5資質が出てくることが多いのです。
その場合、テスト結果が変化したように見えますが、実態は変化していないのです。
こういった概ね上位14資質の範囲内のみでの順位の変化は日常的な変化の範囲であり、自分を構成する強みの顔ぶれは変わりません。
この記事では、日常的な変化を越えた大きな変化についてを「テスト結果が変わる」として扱います。
これまで上位資質だった資質が一気に20位以下に落ちるような大きな変化です。
テスト結果は誰もが変わるもの?
テスト結果が変化する人がいることは多数の事例を実際に見聞きしていますが、一生変化しない人がいるかどうかについては、私にはまだ分かりません。
10年以上変化していない人には実際にお会いしたことがありますが、この先も変化しないかどうかまでは数十年経たないと分からないからです。
ただ、世界大手の世論調査会社であるGallupが変化はしないと明言しているので、変化しない人もいるのだと思います。
自分の強みを一生かけて磨き上げるタイプの人もいれば、自分の成長によりこれまで使っていなかった強みを使えるようになる人もいるのだと思います。
なぜ結果は変化するのか
ここからはテスト結果が変化する理由について見ていきます。
価値観の変化
価値観が大きく変化するとき、テスト結果も変化している場合があります。
例えば、子供が生まれたり、大きな災害や事故に巻き込まれるなどして、人生の価値観がガラリと変化した時です。
ちょっとした価値観の変化ではテスト結果に影響はありませんが、自分の人生で何を大切にするのかの優先順位が大きく変化した場合は、テストの結果も変化する場合があります。
これまでの強みを使って違うものを大切にできる場合は価値観が変わっても強みは変化しませんが、新しい大切なものを守るために違う強みを使うようになる場合もあります。
人生のフェーズの変化
人は、人生の中で様々な経験をし、多くのことを学び、自分のものにしていきます。
自分の強みを使い、人生に必要なものを身につけていくのです。
人は、とある必要なスキルや経験を手にしたら、次はまた新たな必要なものを身につけようとします。
このとき自分の強みをどんどん研ぎ澄まして精度を上げていくことで新たな必要なものを身につける人と、自分の強みを変化させることで新たなものを身につける人がいます。
後者の場合、自分の成長によって、テストの結果が変化していきます。
本来の自分の出現
本来の強みではない資質をフル稼働させている場合に、本来の自分のテスト結果と違う結果が出る場合があります。
自分の強みだけでは対応できない問題に取り組んでいるときや、環境の変化のために本来の強み以外の資質が出てくるのです。
ストレングスファインダーのテストはよくできていて、本来の強みだけを抽出するような作りになっていますが、あまりに資質が働きすぎていると、テストの仕組みを乗り越えて上位にくるのです。
また、テストを受ける際は自分の直感に従って回答をしていきますが、「自分はこういう人間であるべきだ」という思いが強いと、持っていない資質を持っていることにしたり、持っている資質を無いものにしたりという作用が働き、本来の自分と違うテスト結果を作り上げる場合があります。
本来は持っていない資質の順位が上がるときの例を挙げると、
・仕事で管理職になったプレッシャーで責任感を意識しすぎて、「責任感」が上がってしまう
・本当は新しいことを学ぶのは面倒なのに、常に学び続けることが格好いいと憧れているため「学習欲」を持っているかのようにストレングスファインダーのテストに答えてしまう
といったものがあります。
逆に本来は順位が上の資質を無理に抑え込んで順位を下げる例には、
・幼い頃から人前に立って話をするのが好きなのに、「目立ちたがり」「出しゃばり」などと誰かに言われて「コミュニケーション」を封印してしまう
・本来は感情が豊かな人なのに、人の気持ちを理解しすぎて苦しくなった経験があり、自分の「共感性」を抑え込んでしまう
などがあります。
「こうあるべき」「こうであってはいけない」という思いが強く無意識に自分を否定している場合、テスト結果にもそれが反映されてしまうのです。
力づくで順位を変更させていると、持ち上げる場合も押し下げる場合も無駄なエネルギーを使用して、とても疲れます。
強みを活かしてやりたいことをやっているはずなのになぜかいつも疲れていたり、上手くいっているのに苦しくなるなどの歪みが生じる場合は、力づくでテスト結果を変えている可能性があります。
「こうあるべき」「こうであってはいけない」という思いが薄れ、本来の自分と向き合うことができるようになると、テスト結果にも変化が現れます。
無理に上位に持ち上げていたり、下位に押し下げていた資質が、本来の位置に戻るのです。
テスト結果が変化したときに確認すること
テスト結果が変化した時はどう考えればいいのでしょうか。
日常的な変化は、気にしなくて良い変化です。
TOP14くらいの中で起きる変化は気にしなくて構いません。
大きな変化が起きているときは、自分を振り返ることがおすすめです。
価値観の変化
もし全34資質を見て、大きな変化が起きている場合。
このときは自分自身の価値観に変化が起きていないかを振り返ってください。
子供が生まれたときや災害があったなど、大きな出来事があって自分の価値観に変化が起きた場合は、自分の変化に気づきやすいと思います。
しかし、誰かの一言が深く胸に刺さったときや、後からじわじわと胸に迫ってくるような経験をした場合は、自分の変化に気が付きにくい場合があります。
これまで大切だと思っていたものへの興味が薄れていたり、これまで何とも思っていなかったことが大切に感じられるようになっていたら、価値観の変化が起きている可能性があります。
本来の自分を取り戻した場合も、価値観が変化します。
これまで「こうすべき」「こうあるべき」と思っていた呪縛から解放されて、本来の自分の願いが出てきます。
価値観の変化が起きているようであれば、新しい価値観を大切にしていきましょう。
自分の成長とともに価値観が変化することは自然なことです。
新しい価値観がもたらしてくれる新しい強みがこれからの自分の味方になります。
人生のフェーズの変化
特に価値観の変化を感じない場合は、自分の好奇心に変化が起きていないかを振り返ってください。
人生のフェーズが変化すると、これまで避けていたものに挑戦したくなったり、大好きだったことに飽きてきたりします。
これまで順位が下だった資質が上位に来ると、その資質を使って新しいことに挑戦したくなります。
これまで上位にあった資質の順位が下がると、これまでやっていて楽しかったことがつまらなく感じてきます。
その場合は、自分の強みと違う!と思わずに、自分の心のままに飽きてきたことを手放して、新しいことに挑戦してみましょう。
そうすることで新たな強みを手に入れることができます。
これまでの強みから外れたことをするのは怖いかもしれませんが、興味を持つということは、自分の中にやり遂げるための力があるということです。ぜひ新しいことに挑戦してみてください。
人生のフェーズが変化し始めた段階では、自分ではそのことに気がつくことができません。
新しいテスト結果が自分に浸透して、ようやく興味関心が変化し、行動が変化します。
なので、テスト結果が変わっても、すぐには気づかないのです。
「苦手だったことに挑戦して克服したら強みが変化する」と考えている人が多いのですが、実際は逆で、まず強みが変化して、その結果、苦手だったことに挑戦する意欲が湧いてきて、その結果、苦手なことができるようになります。
最初にテスト結果が変わり、新しい強みによって自分の興味関心が変化し、苦手だったことにも挑戦する意欲が湧き、その結果苦手なことを克服できるのです。
ですから、人生のフェーズが変化してテスト結果が変わっても、すぐには自分では変化に気が付きません。
人生のフェーズが変わっているかもしれないと薄っすらと感じるときは、機が熟せばはっきりと自覚できるようになるので、いったんは自分の興味関心を叶えることを意識していれば大丈夫です。
本来の自分の出現
何らかの理由で現在上位資質以外の資質をフル稼働で使っている場合や、過去に上位資質以外の資質をフル稼働させていた場合は、状況が変わるとテスト結果が変わることがあります。
よっぽどの必要に迫られて上位資質以外の資質をフル稼働で使っている場合は、使う状況が終了すると自然と使わなくなるので、その資質への興味がなくなります。
興味がなくなったら、そのまま忘れてしまって大丈夫です。
単なる一時的な変化であり、上手な資質の使い方です。
現在、上位資質以外の資質をフル稼働で使っている場合でも、状況が落ち着けば、自然と本来のテスト結果に戻ります。
上位資質以外の資質をフル稼働で長く使い続けていると、心の底からうんざりとした疲れが出てきます。
疲れているのに、テスト結果で上位に出ているから強みであると信じて使い続けることは危険ですので、疲れてきたら、自分が無理をしていることを自覚して、意識して休みましょう。
心身に悪影響を及ぼす状態のときは、早急に状況改善を考えたほうがいいかもしれません。
ストレングスファインダーを受け直すタイミング
変化の理由からわかるように、順位の変化は自分の状態の変化と結びついています。
ストレングスファインダーの順位の変化を見ることで、今自分が置かれている状況を客観的に見ることができるのです。
では、どういうときにストレングスファインダーを受け直すといいのでしょうか。
私がおすすめしているのは、これまでの結果に違和感がでたときに再受験することです。
違和感が出た時に受け直して、前回との変化を見ると、自分の今の状況がわかり、この先どちらに進んで行くのがいいのかが見えてきます。
中には毎年テストを受けられて、自分の状態を定点観測されている方もいます。
テスト結果を見て、違和感がある資質が上位に上がっているときは自分に無理が掛かっているのではないかと、自分を振り返る指針になります。
順位の変化をどう解釈するか
どのように順位の変化から自分の状態の変化を読み取ればいいのでしょうか。
その方法を、私の結果を基にお話しします。
私の結果
私がストレングスファインダーのテストを初めて受けたのは2008年でした。
その12年後、再度受けました。
2回の結果を比較したのがこちらになります。
※資質同士を結ぶ線の色
・ピンクは2008年の上位資質
・青は2008年の中位資質
・黒は2008年の下位資質
変化の内容
私の資質の変化は以下でした。
・上位資質8つのうち4つは順位が下がり、その代わり中位資質から上がってきた
→落ちたのは、収集心、戦略性、分析思考、共感性
→上がってきたのは、個別化、親密性、自我、指令性、自己確信
・下位資質はほぼ変化なし
変化の読み解き
この変化を読み解いていきます。
参考に、私のテスト時の環境を説明します。
2008年:会社員。現状に満足していないが、何をしていいかわからず、本を読んだりセミナーに行きまくっていた。考えているだけで動き出せないのが悩み。
2020年:退職し独立。自分のやりたいことが見えてきて、それを形にするために試行錯誤中。
落ちたのは収集心、戦略性、分析思考、共感性
これが、2008年の結果を基に作成した、私の取扱説明書(資質の基本的な流れ)です。
※取扱説明書について詳細はこちら
私が動き始めるときは、収集心で情報を集め、未来志向で明るい未来に繋がるかを確認してから動き始めます。
その中からより良いものを選び、分析し、更に戦略を立てるのですが、そこから動き出せないのが悩みでもありました。
ところが、2020年の今は、この思考系の資質がゴッソリと下がりました。
今の私は、情報を収集してやりたいことを探す段階を終えて、前に進むフェーズにいることが、この結果からもわかります。
逆に言うと、考えている場合ではなく、ガンガンと動くときなのです。
また、共感性も下がりました。
かつての私は人の顔色を伺いながら動く傾向がありましたが、今は自分の心に従って動くことに決めたので、前ほど使わなくなったのだと思います。
上がってきたのは、個別化、親密性、自我、指令性、自己確信
落ちた思考系の資質の代わりに、上がってきた資質があります。
人間関係構築力の個別化と親密性、影響力の自我、指令性、自己確信です。
まず、個別化と親密性。
これは個別セッションでフル稼働している資質です。
元々使おうと思えば使える資質だった個別化と親密性をセッションで使いまくっているので、上がってきたと思われます。
そして、自我、指令性、自己確信という、自分の中に強い軸を持つ資質が上がってきました。
これは、今、私が、これまでの経験と知識を活かして私独自のやり方でお客様に貢献できる方法を探しているからだと思います。
私がやってきたことには意味があると信じて、それを用いてお客様に貢献したいという気持ちが、この影響力の資質たちに現れています。
私が気をつけるべきこと
この資質の変化から、私が注意したほうがいいことがわかります。
中位資質の使い過ぎに注意!
私の中位資質である、個別化と親密性は、使おうとすれば使えますが、使い続けると疲れる資質なので、注意が必要です。
今も個別セッションが複数ある日でも、セッションとセッションの間は充分な時間を空けて、一人でぼんやりする時間を作るようにしています。
どんなに忙しくても、この時間を作るのを止めてしまうと、疲れてしまうので注意が必要です。
自我の暴走に注意!
自我は、自分が重要な存在であると認識している時に、素晴らしいパワーを発揮する資質です。
ただ、自分で自分が重要な存在であると認識することが大切で、それを人に求めると承認欲求が高い人になってしまいます。
自我をうまく使うためには、自分で自分をまるで重要な人物かのように大切にすることが必要です。
私の場合、食べることが人生においてとても大切なので、食事を疎かにしないことなどが重要になります。
※自我の詳細はこちら
指令性と自己確信の暴走に注意!
指令性と自己確信も今回中位資質から上がってきました。
この2つは暴走すると、相手の気持ちを考えずにあれこれ指図してしまったり、横柄に振る舞ったりしてしまいます。
今、自分がそういうことをやりがちな傾向があることを自覚することが必要です。
また、指令性や自己確信は、変化のない環境にいると暴走する傾向があるので、自ら動いて変化していくことも大切になります。
※指令性と自己確信の詳細はこちら
ストレングスファインダーの変化でわかること
このように、ストレングスファインダーの順位の変化を見ることで、今の自分の状態と注意すべきことがわかります。
ストレングスファインダーにより、自分を客観的に見つめることが、自分を導く羅針盤となるのです。
しかし、ストレングスファインダーのテスト結果を見て、自分を読み解くことが難しいように、テスト結果の変化を読み解くことも難しいものです。
自分の価値観の変化やフェーズの変化は自分ではなかなか気づきにくいのです。
私の個別セッションでは、過去の結果をお持ちいただいた際には、変化の理由も合わせて見ます。
また一度セッションを受けてくださった方用の、変化を読み解くセッションもやっております。
第三者の視点で変化の理由を確認されたいときには、ぜひご活用ください。
ストレングスファインダー関連記事
ストレングスファインダーをもっと知りたい方へのサービスのご案内です。
個別セッション
自分の強みは自分ではわかりにくいもの。
そういうときはストレングスファインダーのプロである認定コーチに頼ってください。
第三者の目で、あなたの強みを見抜きます。
note
ストレングスファインダーにまつわるnoteを書いています。
合わせて、ご覧いただけると嬉しいです。
活用法について
ストレングスファインダーで自分が常に力を発揮するための取扱説明書を作ることができます。
取扱説明書を作ると、ストレングスファインダーの活用法が広がります。
ストレングスファインダーを複数回受けると、自分の現状がわかります。
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