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しずかみちこ
Gallup認定ストレングスコーチ
ストレングスファインダー(クリフトンストレングス)の専門家として、個人やチームが「強み」を活かして最大の成果を生み出すためのコーチングと研修をしています。

リクルートスタッフィングで経理したり、レアジョブの管理部門立ち上げたり、ブラック企業に入ったり、上司の横領見つけて辞めさせられたり、人の会社2つ作ったりと波乱万丈な職歴の後、独立して今に至ります。

投資と経理スキルでお金をデザインし、ストレングスファインダーで強みを活かしたら、人生が楽しくなりました。

趣味は野球観戦と美味しいものを食べること

収集心・最上志向・戦略性・未来志向・分析思考
ストレングスファインダーのnote
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業務効率化を進めるために、管理職ができること

「うちの社員は改善提案なんて言ってこないから、業務の効率化なんてとても無理」という人がいる。
確かに社員から上がってこない会社もあるだろう。
でも、どうして誰もが改善提案を言ってこないのか、理由を考えたことはあるだろうか。

目次

部下から提案が来ない理由

部下から提案が来ないと思っているのは、実は上司側だけのことがある。

自分が変わるつもりがない

いろいろな会社の部課長や経営陣の方と話して思うことがある。
多くの人が自分の組織を変えたいと言う。
そして半分以上の人が「うちのメンバーは何を言っても変わらない」と言う。

それを聞くたび、あれ?と思う。
「組織を変える」とは「自分以外の皆が変わること」と思っている人は多いのだ。

結論からいうと、自分の組織を変えたいのならば、まず自分が変わらないといけない。

変化を起こすことは、億劫だったり面倒だったり、多少の痛みを伴うものだ。
自分はその痛みを引き受ける気がないのに、メンバーにだけ変化を求めるのは酷ではないだろうか。
自分では意識していないかもしれないが、それは高みの見物をしているようなものだ。
チームのトップがそういう考えなのであれば、メンバーは誰も動かないだろう。

「メンバーが何も言ってこない」と自分では思っていても、メンバーは「うちの上司は変わる気ないから何を言っても無駄だよね」と諦めている可能性は大いにある。

メンバーの提案に気づいていない

メンバー側から上司に改善案を提案しても、上司が華麗にスルーすることがある。
メンバーが考える改善案は大したことがない、と思い込んでいる場合もある。
メンバーの仕事は全部把握しているから、改善案があるとは夢にも思ってない場合もある。

それなので、メンバーが改善案を提案しても、全く耳に入らないのだ。
そういうことが2〜3度続くと、メンバーは「言っても聞いてもらえない」と諦めてしまう。

改善案があがる組織にするために何をするべきか

メンバーから改善案が上がってくるチームにするためには、どうすればいいのだろうか。

自分から変わる姿勢を見せる

組織を変えたいと思っていることを伝える一番の方法は、組織を改善する案を、まずは自分から出して自分が変わってみることだ。

最初から人に大きな変化を強いると抵抗が生まれるだろうから、自分一人で変えられることや、小さなことから始めるといい。
皆が面倒くさそうにやっていることで、自分でも無意味だと思うことがあれば、それを無くすのが一番の早道だ。

突然上司が変化を起こすと、メンバーから遠巻きに「どうしちゃったの?」という目で見られるかもしれない。
自分一人で空回りをしているような虚しさに襲われるかもしれない。

しかし、変わるという姿勢を見せることが大事である。
虚しさに負けて変化を起こすことを止めてしまうと、「一時の気まぐれ」で片付けられてしまう。
「上司、本気で変わるつもりなんだ…」と分かってもらえるまでは、空回り上等で続けることが大事だ。
(この空回り期間は、これまでの上司とメンバーの関係次第で長くも短くもなる)

メンバーの意見を尊重する

もし自分がメンバーの仕事を全て把握していると思っているなら、その考えは改めた方がいい。

その仕事について一番よく知っているのは、実際に手を動かしている人だ。
管理職は、一段高い目線で全体を俯瞰することが仕事だ。
他の組織との連携を考えるためにも、一歩引いたところから、自分のメンバーが抱えている仕事を見る必要がある。
管理職がメンバーの仕事を全てメンバーと同じ視点で把握しているなら、それは管理職としての立ち位置にいないという意味となる。

メンバーがやっている仕事は、そのメンバーが一番近い位置で詳しく見ているのだから、提案が上がってきたときは、どんな小さなことでもその仕事のスペシャリストの話だと思って聞いてみるといい。
自分の話を興味深く聞いてくれる人には、どんどん改善案を持って行きたくなるのである。

話しやすい雰囲気を作る

メンバーの誰もが、上手に自分の意見を言えるわけではない。
どういう話の言い回しをすれば相手に伝わるのかの練習をしている人は多くはない。
その場合、上司の側から汲み取ることが重要になる。

どんな問題があるのか。
どうすれば解決するのか。
誰の協力が必要か。
その解決案を行うときに新たに発生する問題はあるか。
こういったことを一つ一つヒアリングして、考えが足りていない部分は一緒に考えていく。

もし「考えがまとまってから、もう一度話して」などと言ったら、「改善案は完璧なものではないと言ってはいけない」と考えて、怖気付いて二度と改善を提案しようとは思わないだろう。
不完全でも、アイデアレベルの話でも、上司に話せば何かが見えてくる、という信頼感をメンバーが持ってくれれば、いろんな改善案が上がってくるようになる。

返事はその場でする

メンバーがせっかく改善案を出しても、それがそのまま放置されたら、言った方は残念な気持ちになる。
改善案には、その場で返事をすることが大切だ。

返事は下記の3種類のどれかになる。
・OK
・NG
・考える時間をちょうだい

OK

上司の視点で考えてみて、問題がないようだったら、その改善案は直ちに取り入れよう。
自分の組織内で完結することであれば、それで問題はないはずだ。

試してみたら、自分もメンバーも見落としている問題が出る可能性もある。
「もし問題が出たら、すぐに教えて」とメンバーに一言言っておいて、まずは挑戦してみよう。

NG

その案が、提案したメンバーの省力化になっても、それ以上の負荷を他の誰かにかける場合、法律や規制に引っかかる場合、問題を先送りするだけで何の解決にもなっていない場合など、せっかくの提案にNGを出さなければいけない場合もある。

そのときは心苦しいが、はっきりとNGを出そう。
曖昧な返事をされると、メンバーもどうしていいかわからなくなる。

NGを出すときは、同時に以下のことを心がけるようにする。
・理由をはっきりと話す
・どうしてそういう提案をしたか、問題のありかを聞く
・他の方法でその問題が解決できないかを一緒に考える

提案がNGになるのは、提案した方からしても残念なことだ。
しかし、理由が分かれば学びになる。
何よりも、自分がそういう問題を抱えている、ということを上司に知ってもらえるだけでも、気が楽になるのだ。

そして、一つのやり方がダメだったからといって諦めるのではなく、違うアプローチを考える癖をつけることは、メンバーの成長を促す。

考える時間をちょうだい

その場で答えを出せない問題というのもある。
そのときは、正直に時間が欲しいと言おう。

・法律や規制について調べるから時間をちょうだい
・他部署への影響を確認するから時間をちょうだい
・わたしの理解が追いついていないから、考えを整理する時間をちょうだい

もちろん時間をもらったら、その結果をメンバーに報告しよう。
次の答えは「OK」か「NG」のどちらかになるだろうけれど、時間をもらっている間、何を考えて、誰にどのような確認をしていたかを伝えると、その思考の過程を知ることがメンバーの学びになる。

まとめ

長々と書いたが、まとめると、こういうことだ。
・メンバーの意見を聞くという姿勢をみせる
・上がってきた意見には真摯に対応する

メンバーがあれこれ改善案を持ってくるようになると、自分は確認することが増えて、仕事が増えるかもしれない。
でも、それは一時のことだ。
自分の思考の過程をきちんとメンバーに伝えると、メンバーも上司の思考回路を理解して成長していく。
これを繰り返すと、提案の精度があがってきて、どんどん仕事がスムーズに進むようになっていく。

最後に

変化を起こすことは、億劫なことでもある。
組織の規模が大きくなればなるほど、変化を起こすことは難しいと感じるかもしれない。
でも、重い岩を転がすときに、一番重いのは最初の一押しで、あとは勢いを増してどんどん転がっていく。
岩が大きければ大きいほど、一度動くと、勢いを増すスピードは早い。

そして、上司は、その組織を押さえつける岩にもなるし、メンバーを引っ張り上げる存在にもなる。

誰かが一番初めに変わらないと、何も変わらない。
まずは自分から変化を起こすことが、すべての始まりとなる。

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