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しずかみちこ
Gallup認定ストレングスコーチ
ストレングスファインダー(クリフトンストレングス)の専門家として、個人やチームが「強み」を活かして最大の成果を生み出すためのコーチングと研修をしています。

リクルートスタッフィングで経理したり、レアジョブの管理部門立ち上げたり、ブラック企業に入ったり、上司の横領見つけて辞めさせられたり、人の会社2つ作ったりと波乱万丈な職歴の後、独立して今に至ります。

投資と経理スキルでお金をデザインし、ストレングスファインダーで強みを活かしたら、人生が楽しくなりました。

趣味は野球観戦と美味しいものを食べること

収集心・最上志向・戦略性・未来志向・分析思考
ストレングスファインダーのnote
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ブルノの野球場での出会い プラハ・ブルノ・ウィーン旅

旅の全容はこちら→プラハ・ブルノ・ウィーン旅目次
 

目次

試合直前、雹が降る

私は雨女だ。
これまでも様々な楽しみにしていた野球の試合を「雨による中止」で見逃している。

ブルノのホテルに着いて程なく雨が降り出した時は、まだまだ楽観的だった。
というのも、プラハで2日連続通り雨にあったが、いずれもすぐ止み、観光には影響がなかったからである。
しかし、肝心なブルノでは、どんどん雨足が強くなり、ついに雹に変化した。
まさか、ここでも「雨による中止」になるのか…。
ひたすら天に祈る。

チェコは、ヨーロッパ諸国の野球リーグには珍しく、平日のナイターが行われる。
この日は月曜日。夜7時の試合開始を待っていた。

宿は球場からバスで10分足らずのところだ。
試合がなくても球場だけでも見に行こう。
雹が雨に変わったのを見届けて、宿を出た。

 

程なく雨は止んだ。
球場ではグラウンド整備が行われていた。
とはいえ、内野やベンチ前は池ができるほど水浸しだった。
水はけの悪い球場はこういう状態になるが、日本だったらただちに試合中止になるほどの水の量だ。

足首まで水につかって排水作業

しかし、目の前ではお揃いのTシャツを身につけた多くの人達が箒とバケツを駆使して水を掻き出している。
試合をするつもりらしい。

穴を掘りバケツを入れ、そのバケツに水をかき入れ、バケツの水を捨てる。以下繰り返し

 

人との触れ合い

まさかの日本人

「もしかして、あの水を掻き出しているのって選手じゃない?」
そんなことを夫と話していたら、一人の人が声をかけてきた。
「日本人ですか?」

イタリア、フィンランド、フランス、オランダ、ベルギーとヨーロッパ各地の野球場を回ったけれど、日本人に会ったのは初めてなので驚いた。
聞くと、ブルノでお仕事をされている日本の方で、今日は会社の同僚と仕事帰りに試合を見に来たのだという。

「え!?チェコにも会社帰りに野球を見に行くという文化があるのですか?!」と聞くと、彼は笑って否定した。
同僚の一人がアメリカ人で、その彼が野球好きらしい。
そして他のヨーロッパの同僚達は野球を見たことがないから、一度見てみようということになったそうだ。
その方自身もチェコでの野球観戦は初めてだそうで、「まさか初めて訪れるブルノの野球場で日本人に会うとは…。」と驚いていた。

 
ところで、アメリカ人の野球好きぶりが世界各国で発揮されているのが興味深い。
例えば神宮球場は、アメリカ人の観客がとても多い球場だ。
紛れ込んだ観光客ではなく、ヤクルトのユニフォームやTシャツに野球帽を身につけて、ヤクルトファンの一員として応援している。
まさかチェコにも、熱心に球場に通う野球ファンがいるとは。
同じ野球好きとして、頭が下がる。

元野球選手

やるかどうか分からない試合の行方を待つ間、球場に掲げられていたドラシ・ブルノチームの歴史を見ていたところ、「これは俺だよ」と声をかけてきた人がいた。
「30年以上前、このチームの選手だったんだ。」とそこにあるチームの集合写真と同じポーズで立ってみせる。
「そしてこれが子供達」と20歳前後の3人の若者を紹介してくれた。

後列右端の彼が声をかけてくれた

この人に、どうして30年以上も前にチェコで野球をやろうと思ったのかを聞けなかったことをとても後悔している。
彼に話しかけられた時は、そこまで思いが至らなかったのだ。

彼がチームに在籍していた1980年前後は、憲章77運動後でもあり共産制崩壊への道を少しずつ歩き始めた時代だが、それは今だから言えることである。
当時は秘密警察の強い圧力の中、国がこの先どういう道のりをたどるか全く分からなかった時代だろう。
ソ連の影響を強く受けていた時代に、なぜアメリカの象徴ともいえる野球をしようと思ったのか。
当時の思いを聞いてみたかった。

この彼が、しばらくして「試合は9時から始まるよ」と教えてくれた。
当初の予定は7時スタートだから2時間押しだ。
でも、ブルノで野球を見られるのであれば、2時間待つくらい問題はない。
 

子供たち

球場には小さな子供たちもいた。
そこでひときわ熱心に応援していた2人の子供たち。
2人とも売店の店員さんの子供なのだが、メジャーリーグの応援風な声援を送ったり、ファールボールを全力で追いかけたりと楽しそう。

こういう子供たちの楽しそうな様子はどこの国でも変わらないんだなあと嬉しくなったが、一方でふと思う。
この子達、学校に行っても野球が好きな友人はいないだろう。
そもそも野球は、多くのチェコ人にとって「野球って何?スポーツなの?」というレベルの知名度しかないのだ。
この子達の野球熱はこの先どうなるのか。そしてどんな大人になるのか。

願わくば、15年後くらいに再会したいものだ。

 

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