チェコ野球観戦ガイド。チェコ最強チームドラッシ・ブルノ観戦記 プラハ・ブルノ・ウィーン旅
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チェコ野球リーグとは
チェコ野球の歴史
チェコ国内で初めて野球チームが生まれたのは、1964年プラハだと言われている。
しかし、野球が(比較的)盛んになったのは、共産主義体制が崩壊後の話だ。
1990年にチェコ国内の野球リーグ、チェコ・エクストラリーガが誕生し、国際大会にもエントリーするようになった。
チェコ野球の実力
とはいえ、「チェコでも野球ってやっているの?」と思う人がほとんどだろう。
それもそのはず。
1992年〜2008年まで、オリンピックでは5回連続予選敗退。
同じくWBCも予選で敗退と、表舞台に出てきたことはない。
一番直近の2016年に行われたWBC予選では、初戦でメキシコに敗れたあと、敗者復活戦でドイツに勝利、その後ニカラグアに敗れて予選落ちとなった。
チェコ・エキストラリーガ
チェコの国内リーグであるエキストラリーガには、2017年現在10チームが加盟しており、年間36試合を戦う。
下記が参加チームと2017年シーズンの成績である。
Draci Brno(31勝5敗)
Arrows Ostrava(29勝7敗)
Cardion Hroši Brno(23勝13敗)
Eagles Praha(21勝15敗)
Skokani Olomouc(20勝16敗)
Kotlářka Praha(17勝19敗)
Technika Brno(16勝20敗)
Třebíč Nuclears(11勝25敗)
Tempo Titans(8勝28敗)
Olympia Blansko(4勝32敗)
圧倒的に強いのは、2017年シーズンもトップの成績で終えたドラッシ・ブルノ軍。
1994年のエキストラリーガ加盟以来、優勝が21回で、2位が3回。まだ一度も3位以下になったことはない、という輝かしい成績である。
ドラッシとは竜の意味だが、ブルノのシンボルの竜にあやかっているだけで、中日ドラゴンズとは全く関係はない。
チェコで野球を見る方法
そんなチェコ野球を見たいなら、現地に行くしかない!
チェコ・エクストラリーガの最強豪チーム、ドラッシ・ブルノ戦を本拠地ブルノに見に行ってみよう。
情報収集の方法
チェコ・エキストラリーガはWEBページの運営に力を入れている。
このページを見ると、エキストラリーガ全体のスケジュールがわかる。
またドラッシ・ブルノ戦のみであれば、ドラッシ・ブルノのサイトでもわかる。
球場への行き方
ブルノ中央駅前のバスターミナルから、67番のバスに乗って、7分程度のところにあるHněkovskéhoで降車する。
バスを降りたら、道路を挟んで反対側にある草むらを横切る。
球場は草むらから見えるのでそちらに向かって歩けば大丈夫だ。
チケットの買い方
チケットは球場の入り口で売っている。
まず売り切れることはないので、当日購入で問題ない。
入り口で座っているチケット係に何枚欲しいか、大人か子供かを伝える。
チケットは40コロナ(≒200円)。
なんとこのチケットには1ドリンクが含まれている。
ビールもしくはソーダ水がついて200円。ほぼドリンク代のようなものだ。
試合中の過ごし方
座席
球場内は基本自由席だ。
後ろの方にある机付きの席は、机の上に番号札が載っていたら、指定席である。
私が見に行った時は観客数37人。満席を心配する必要はない。
レストラン
座席の後方に、レストラン兼売店があり、サンドイッチといった軽食が取れる。
クレジットカードは使えず、現金のみ。
こちらでチケットを見せると、ワンドリンクもらうことができる。
飲み物は、ビールかレモネード。レモネードはレモンとイチゴから選べる。
レストランの内部には、過去にドラッシ・ブルノ軍が獲得したトロフィー等が飾られているので、それを見るのも楽しい。
なおレストラン内はWifiが使える。
野球の説明
場内には野球のルールが説明されている掲示があったり、アナウンサーが「今ので3ボールなので、次もボールだったら四球で打者は一塁に行ける」といったことを場内に向けて説明している。
アナウンスはチェコ語なので何を言っているか全くわからないが(球場で出会った現地在住の日本人の方に教えてもらった)、掲示は絵を見るだけで何を言おうとしているかがわかり、このレベルから説明がいるのかと驚かされる。
試合の見どころ
二刀流
日本では大谷翔平が二刀流と騒がれているが、チェコでは二刀流は当たり前である。
ドラッシ・ブルノ軍でも5番DHでスタメン出場していたRoemer Wesleyが7回からリリーフで登板した。
打率4割。防御率リーグ1位。驚異的な投手である。
遠征の苦労
この日、ドラッシ・ブルノ軍の対戦相手は、リーグ5位のSkokani Olomouc(スコカニ・オロモウツ)だった。
ブルノにやってきたスコカニ軍は全員で11名。
監督やコーチが来ているのかさえ不安になる人数だ。
チェコの野球選手は、野球ではご飯は食べられないので日中は本業に勤しんでいる。
ブルノから60km離れたオロモウツから平日の夜のナイターに集まれるのは、11人しかいなかったということだろうか。
スコニカ軍のピッチャーは途中で明らかにへばっていたが、交代要員がいないのだろう、ヘロヘロになりつつ最後まで投げていた。
実力
さて、チェコ・エキストラリーガの試合の様子だが、見ててうんざりするようなエラーや連続四球はなく、全般的にテンポよく進んだ。
甲子園の地方予選なら2〜3勝できるかもしれない。
この日の試合結果は、8-2でドラッシ・ブルノの勝利!
リーグ優勝への大きな一歩となった。