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しずかみちこ
Gallup認定ストレングスコーチ
ストレングスファインダー(クリフトンストレングス)の専門家として、個人やチームが「強み」を活かして最大の成果を生み出すためのコーチングと研修をしています。

リクルートスタッフィングで経理したり、レアジョブの管理部門立ち上げたり、ブラック企業に入ったり、上司の横領見つけて辞めさせられたり、人の会社2つ作ったりと波乱万丈な職歴の後、独立して今に至ります。

投資と経理スキルでお金をデザインし、ストレングスファインダーで強みを活かしたら、人生が楽しくなりました。

趣味は野球観戦と美味しいものを食べること

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ポーランド・ユダヤ人歴史博物館。ユダヤ人の目で見た「ポーランドに何が起こったか」

東欧に来たら積極的に博物館に行くようにしている。

東欧の国々には、私が知らないものがたくさんあると感じているからだ。
それが何はまだ掴みきれていないが、知っておかなければいけないと感じている。

ポーランドでは、まず最初に、ポーランド・ユダヤ人歴史博物館にやってきた。

目次

ポーランド・ユダヤ人歴史博物館

ポーランド・ユダヤ人歴史博物館は、ユダヤ人の1000年の歴史を振り返ることができる博物館らしい。

第二次世界大戦前のワルシャワには、30万人以上のユダヤ人が暮らしていたそうだ。

ユダヤ人がいつどうしてポーランドに来たのか?
ユダヤの文化はどういうものか?
そして、戦争中に何が起こったのか?

この「ユダヤ人とは?」という問いへの答えが、この博物館なのである。

ワルシャワで最も美しい建物

2013年にオープンしたこの博物館。
建物は、フィンランド人建築家のライナー・マフラマキの設計だ。
入り口の波打つような曲線はモーセの『出エジプト』の波を表し、砂のような色はユダヤ人がかつて暮らしていた砂漠地帯の色を表しているらしい。

ポーランド・ユダヤ人歴史博物館


 

そして、この博物館が立っている場所は、ゲットー(強制的に決められたユダヤ人居住区)の跡地だそうだ。
1943年4月のワルシャワ・ゲットー蜂起の舞台である。

ゲットーの英雄たちの像

博物館内部

博物館の内部は、8つのセクションに分かれている。

  1. 森:西ヨーロッパでの迫害から逃れたユダヤ人がポーランドに来た経緯
  2. 出会い:ユダヤ人が初めて東欧に来た中世時代(10世紀〜1507)
  3. ユダヤ人の楽園:ユダヤ人コミュニティの豊かな文化の発展(1569~1648まで)
  4. ユダヤ人街:黄金時代以降の動乱期(1648~1772)
  5. 近代との出会い:ポーランドがオーストリア・プロイセン・ロシアの3国に分断されていた時代(1772~1914)
  6. 再びユダヤ人街:ポーランドが独立していた戦間期(1914~1939)
  7. ホロコースト:ポーランドが再度分断した第二次世界大戦時代(1934~1945)
  8. 現在(1945年以降)

博物館前半・ユダヤ人の歴史と文化

博物館の内部に入ると、とても明るく楽しげな雰囲気だ。

ユダヤ人がどのようなルートをたどってポーランドに来たか。
そしてどのように暮らしていたかが、クイズ形式だったり、プロジェクションマッピングだったり、いろいろな方法で楽しみながら学べるようになっている。

これは入場チケットなのだが、ここに写っているのは、17世紀のシナゴーグ(ユダヤ教の会堂)を再現したもの。

シナゴーグ


 

他にも当時の印刷技術の高さを体感できるコーナーや当時の硬貨を画面上で作って遊べるコーナーなど、趣向が凝らされていて子供達でも楽しめるようになっている。
 

博物館の前半と後半の間には休憩スペースがあり、そこから外に出ることもできる。
その先を見たくない人のためへの配慮だ。

博物館後半・戦争とホロコースト

明るい雰囲気の博物館は、どんどんと雲行きが怪しくなる。
第一次世界大戦後独立を果たしたポーランドだが、1939年に再度ドイツとロシアに分断されてしまう。
そして、第二次世界大戦が始まる。

ワルシャワ・ゲットー

1939年、ドイツ軍が侵攻し、ワルシャワを占領した。
その頃、ワルシャワ、特にユダヤ人の間で腸チフスが流行っていた。

当初は様子を見ていたドイツ当局だが、ついにユダヤ人を隔離することを決める。
1940年11月、ワルシャワの一部を壁で覆い、ゲットーを作った。
壁の中に住んでいたポーランド人を全員追い出した。
そして、ワルシャワ全域のユダヤ人を壁の中に隔離した。
1940年11月16日にゲットーは封鎖され、自由な出入りはできなくなった。

約45万人のユダヤ人がそこに追いやられた。
ワルシャワ・ゲットーの面積は3.36キロ平米、一人あたりの面積7.55平米しかなかった。

食べ物の配給もほぼ与えられず、壁の外から闇で仕入れる食料に頼るしかなかった。
壁の隙間から外に出られる小さな子供が、闇の食料仕入れ係になった。
この子供達も、子供達に食料を渡すポーランド人の協力者も命がけだった。

ワルシャワ・ゲットー蜂起

もともとチフスが流行していたのに、隔離され、栄養不足となり、多くの者が病に倒れた。
1942年7月までに45万人近くいたユダヤ人のうち、8万人以上が命を落としたという。

1942年7月、ラインハルト作戦が実施された。
ユダヤ人を絶滅収容所に送り込み、皆殺しにする作戦だ。

ユダヤ人たちには、遠い場所の労働力として移送されると伝わっていた。
この労働力に応募するとマーマレードが1kgとパン3kgが貰えると聞いて、多くのユダヤ人が志願した。

1942年7月22日〜1942年9月10日の間に、30万人ものユダヤ人が、どこかへ消え去った。

45万人いたゲットーの人口は7万人にまで減っていた。

ユダヤ人たちは、この頃にはとっくに気がついていた。
遠い場所の労働力なんて嘘だということ。
自分たちが皆殺しにされる運命だということ。

じっとしていても殺されるなら、立ち上がろう。
それがワルシャワ・ゲットー蜂起だ。

1943年4月19日に始まった蜂起は、5月16日に終了した。
一ヶ月足らずの反乱だった。

ユダヤ人住民が数千人、瓦礫の下に埋まった。
5万6000人がドイツ軍の捕虜として連れて行かれた。
この5万6000人のうち7,000人が射殺された。
残りは強制労働収容所へと送られたと言われている。
 

博物館には、この頃の資料も展示されている。
ママレードプレゼントのポスターも、ユダヤ人の目印に付けさせられたダビデの星も、たくさんの写真も。

このあまりにも残酷な歴史が、物語ではなく事実だということをあの手この手で伝えようとしてくれている。

そう、全て、事実なのだ。

この博物館について

私と夫は、3時間以上この博物館に滞在した。
ポーランド語も英語も分からないので途中飛ばし飛ばしだったのにも関わらず、これほどの時間が掛かった。
それだけ、内容が濃い博物館だった。

受け止めるには重く、言葉を失った。

恥ずかしながら私は世界史に疎く、理解が追いつかない部分もたくさんあった。
このブログ記事を書くために、あらためて1900年代の歴史を学んだ。

それでも、ここにあることは知っておかなければいけないことだと感じた。

ここは来るべき場所だった。

基本情報

ポーランド・ユダヤ人歴史博物館
Anielewicza 6, 00-157 Warszawa
営業時間:月・木・金曜10~18時、水・土・日曜10~20時
(入場は15分ごと。常設展の最終入場は2時間前)
定休日:火曜と9/19、11/1、12/14・25・31

15分ごとに50人の入場制限あり。
木曜は入場無料日のため混雑する可能性があります。
確実に決まった時間に入場したい場合は、下の公式サイトから事前にチケットを購入できます。
https://www.polin.pl/en

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